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ある日
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その日はエルとアズ、安全を考えセインを連れ森の端の方に来ていた。
なるべく障害物の少ない、何かあっても被害が少なく済む開いた場所。
「じゃあ教えていくけど……アズライトはともかくエニシは自分の魔力量と使える属性って分かる?」
「魔力は♾、属性は全て使えると言われました」
「「……は?」」
「ママすごーい」
あの2人に教えてもらった通り伝えたのだが、2人は呆けたようにこちらを見てくる。
「は?なん、な……は?」
混乱しているのか頭を抱えるエルに、セインも驚いたまま固まっている。
確かに魔族の自分より数段やばいものを持っていた縁に混乱するのは分かる。
というか、生物上あり得ない魔力単位とあり得ない全属性持ちなのだろう。
その本人は自覚ないまま普通に暮らしていたが。
「私も最近知ったので驚きましたが、だからと言って苦労も苦しい思いもしてないので気にしないことにしました。それよりもあるならば使えとアズたちのためにも使えるようになりたいです。持っていても使えなければ意味がないでしょう?」
「それは、そう、だけど…でも…」
「アズもママまもるもん」
「ありがとうアズ。一緒に頑張りましょうね」
悩むエルに、しかしアズは純粋に喜び自分も頑張ると言ってくれる。
そんな笑顔のアズにエルも諦めたのか、現実逃避したのか分からないが何度か頷くと漸く魔法を教えてくれることに。
「と、言ってもオレが教えられるものって少ないんだけどね。まずアズライトは自分の使える属性を理解しなきゃいけない。自分の中の魔力を感じるんだ。目を閉じて全身に流れる魔力が何色か見て」
言われた通り目を閉じ魔力を感じようとするアズだが、難しいのか眉間にシワが寄っている。
「属性って普通はいくつ持てるものなんですか?」
「人間なら多くて2つ、魔族であれば闇魔法とは別に多くて4つ全て持ってるやつもいる。けど、4つ持ちは操作が難しい上2つ持ちより威力が劣る」
どうやら4つあるからいいと言うわけではなく、色々使える分扱いも難しいらしい。
制御できなければ周りだけでなく、自分にも危険を及ぼすためそういった意味でも4つ持ちは難しいのだろう。
「どうすれば魔力を感じられるんですか?」
「う~ん、こればかりは感覚としか言いようがないんだよね。人間は魔力がなくても生きていけるけど、魔族だけを言えば生命活動にも少なからず魔力を使ってるから、それがなくなれば死ぬこともあるんだよ。だからこそ、自分の魔力を感じて操作できるようにならないと命に関わる」
人間にとっての血液みたいなものなのだろう。
目を閉じ身体中を流れる血のようなものを思い浮かべる。
ドクドクと爪先から頭、手足を流れる温かい何かに触れた気がした。
「もし、エルたちが魔力不足になった時に私から2人に魔力を渡すことはできますか?」
「…できたはず、だけど」
エルにしては鈍い返事にどうしたのか聞けば、そもそも魔族同士では魔力譲渡をすることがほとんどないらしい。
ある意味で実力主義社会の魔族は弱い者(魔力が少ない者)は捨て置かれ、強い者(魔力が多い者)が上に立ち魔界を組織するようだ。
プライドが高い魔族は他者に頼るのを良しとしないのだろう。
「やり方があるなら教えてくれますか?2人が危ない時は私が助けたいです」
魔力♾ならいくら渡そうかがなくなる心配はなく、アズたちを死なせないためにも知っておきたかった。
せっかくできた家族に自分でも出来ることがあるならばやりたいと言えば、ふーんと素っ気ないエルだったが家族と言われて照れているのか耳が赤かった。
「アンタがやりたいって言うならいいけど…ほら、手出して」
「?、はい」
ワンコよろしく差し出された手にお手とばかりに手を乗せれば、次の瞬間何か冷たいものが繋いだ手から流れてきた。
「分かる?コレがオレのね。アンタもやってみて。全身に流れてる魔力を手の平に集中させて、オレの方に流し込む」
「…集めて……流し込む」
先程感じた温かいものを手に集め、エルに流す。
ゆっくりと少しずつと、小川を流れる笹舟を思い浮かべながら繋いだ手を橋としてエルに舟を渡す。
「うわっ、ちょ、なにコレ」
戸惑うエルの声に閉じていた瞼を開けば、キョロキョロと視線を彷徨わせ少々頰を赤く染めたエルがいた。
「間違ってましたか?」
「いや、間違っては、間違ってはないんだけど、でも何か……あったかくて、くすぐったいっていうか……」
「?」
繋いだ手はとくに動かしてはおらず、無意識にくすぐっていたというわけではないようだ。
ならば何故?と首を傾げれば隣でそれを見ていたセインが自分にも流して見てほしいと言う。
魔力を持たない獣人でも大丈夫かエルに確認をとり、セインにも流してみれば納得とばかりに頷かれた。
「俺には魔力というのは分からないが、それでも縁から温かい何かが、全身を包み込まれるような何かが分かる」
温かい何か?
そういえばエルから流れてきた魔力は冷たかった気がした。
「普通魔力とは冷たいものなんですか?」
「オレも今までそう、思ってたんだけど……アンタのはあったかいね」
「痛いとかはないですか?ピリピリするとか、気持ち悪くなったりしてませんか?」
エルも知らなかったようで、ならば身体に異変はないかと聞けば首を振られる。
「ほんとにあったかいだけ。なんていうか、その……アンタがオレのこと、その、あー…大事なんだって想ってくれてるのが分かる、っていうか、そんな感じが伝わってくる」
確かに大事な家族の1人であるエルが死なないようにと、お願いしながら流してはいたがそれまで伝わっていたらしい。
「不快ではないなら良かったです。この感じなら何かあってもーーわっ、アズ?どうしました?」
「アズもするの!」
どうやら仲間外れにされたと思ってしまったようだ。
なるべく障害物の少ない、何かあっても被害が少なく済む開いた場所。
「じゃあ教えていくけど……アズライトはともかくエニシは自分の魔力量と使える属性って分かる?」
「魔力は♾、属性は全て使えると言われました」
「「……は?」」
「ママすごーい」
あの2人に教えてもらった通り伝えたのだが、2人は呆けたようにこちらを見てくる。
「は?なん、な……は?」
混乱しているのか頭を抱えるエルに、セインも驚いたまま固まっている。
確かに魔族の自分より数段やばいものを持っていた縁に混乱するのは分かる。
というか、生物上あり得ない魔力単位とあり得ない全属性持ちなのだろう。
その本人は自覚ないまま普通に暮らしていたが。
「私も最近知ったので驚きましたが、だからと言って苦労も苦しい思いもしてないので気にしないことにしました。それよりもあるならば使えとアズたちのためにも使えるようになりたいです。持っていても使えなければ意味がないでしょう?」
「それは、そう、だけど…でも…」
「アズもママまもるもん」
「ありがとうアズ。一緒に頑張りましょうね」
悩むエルに、しかしアズは純粋に喜び自分も頑張ると言ってくれる。
そんな笑顔のアズにエルも諦めたのか、現実逃避したのか分からないが何度か頷くと漸く魔法を教えてくれることに。
「と、言ってもオレが教えられるものって少ないんだけどね。まずアズライトは自分の使える属性を理解しなきゃいけない。自分の中の魔力を感じるんだ。目を閉じて全身に流れる魔力が何色か見て」
言われた通り目を閉じ魔力を感じようとするアズだが、難しいのか眉間にシワが寄っている。
「属性って普通はいくつ持てるものなんですか?」
「人間なら多くて2つ、魔族であれば闇魔法とは別に多くて4つ全て持ってるやつもいる。けど、4つ持ちは操作が難しい上2つ持ちより威力が劣る」
どうやら4つあるからいいと言うわけではなく、色々使える分扱いも難しいらしい。
制御できなければ周りだけでなく、自分にも危険を及ぼすためそういった意味でも4つ持ちは難しいのだろう。
「どうすれば魔力を感じられるんですか?」
「う~ん、こればかりは感覚としか言いようがないんだよね。人間は魔力がなくても生きていけるけど、魔族だけを言えば生命活動にも少なからず魔力を使ってるから、それがなくなれば死ぬこともあるんだよ。だからこそ、自分の魔力を感じて操作できるようにならないと命に関わる」
人間にとっての血液みたいなものなのだろう。
目を閉じ身体中を流れる血のようなものを思い浮かべる。
ドクドクと爪先から頭、手足を流れる温かい何かに触れた気がした。
「もし、エルたちが魔力不足になった時に私から2人に魔力を渡すことはできますか?」
「…できたはず、だけど」
エルにしては鈍い返事にどうしたのか聞けば、そもそも魔族同士では魔力譲渡をすることがほとんどないらしい。
ある意味で実力主義社会の魔族は弱い者(魔力が少ない者)は捨て置かれ、強い者(魔力が多い者)が上に立ち魔界を組織するようだ。
プライドが高い魔族は他者に頼るのを良しとしないのだろう。
「やり方があるなら教えてくれますか?2人が危ない時は私が助けたいです」
魔力♾ならいくら渡そうかがなくなる心配はなく、アズたちを死なせないためにも知っておきたかった。
せっかくできた家族に自分でも出来ることがあるならばやりたいと言えば、ふーんと素っ気ないエルだったが家族と言われて照れているのか耳が赤かった。
「アンタがやりたいって言うならいいけど…ほら、手出して」
「?、はい」
ワンコよろしく差し出された手にお手とばかりに手を乗せれば、次の瞬間何か冷たいものが繋いだ手から流れてきた。
「分かる?コレがオレのね。アンタもやってみて。全身に流れてる魔力を手の平に集中させて、オレの方に流し込む」
「…集めて……流し込む」
先程感じた温かいものを手に集め、エルに流す。
ゆっくりと少しずつと、小川を流れる笹舟を思い浮かべながら繋いだ手を橋としてエルに舟を渡す。
「うわっ、ちょ、なにコレ」
戸惑うエルの声に閉じていた瞼を開けば、キョロキョロと視線を彷徨わせ少々頰を赤く染めたエルがいた。
「間違ってましたか?」
「いや、間違っては、間違ってはないんだけど、でも何か……あったかくて、くすぐったいっていうか……」
「?」
繋いだ手はとくに動かしてはおらず、無意識にくすぐっていたというわけではないようだ。
ならば何故?と首を傾げれば隣でそれを見ていたセインが自分にも流して見てほしいと言う。
魔力を持たない獣人でも大丈夫かエルに確認をとり、セインにも流してみれば納得とばかりに頷かれた。
「俺には魔力というのは分からないが、それでも縁から温かい何かが、全身を包み込まれるような何かが分かる」
温かい何か?
そういえばエルから流れてきた魔力は冷たかった気がした。
「普通魔力とは冷たいものなんですか?」
「オレも今までそう、思ってたんだけど……アンタのはあったかいね」
「痛いとかはないですか?ピリピリするとか、気持ち悪くなったりしてませんか?」
エルも知らなかったようで、ならば身体に異変はないかと聞けば首を振られる。
「ほんとにあったかいだけ。なんていうか、その……アンタがオレのこと、その、あー…大事なんだって想ってくれてるのが分かる、っていうか、そんな感じが伝わってくる」
確かに大事な家族の1人であるエルが死なないようにと、お願いしながら流してはいたがそれまで伝わっていたらしい。
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