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困惑
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約束の日。
いつも通り冒険者ギルドで待っていれば、話しがあると部屋に案内された時は驚いたが、美味しいパン?に喜んだ。
美味しい美味しいと食べていれば、いきなりの子ども出来ました発言にフォークを落としそうになった。
子ども?妊娠?エニシさんが?
もう性別さえ分からなくなり、ギルマスが確認した時は間違ってなかったことにさらに混乱した。
「いいえ、間違ってませんよ。ただ言いましたよね、私の伴侶は男性だと。付け加えるとすれば獣人で、相手によっては男でも妊娠できるという少々特殊な状況ですね」
男が妊娠?そんなことありえるのか?と思ったが、話し合う2人に冗談を話している様子はなく、依頼を断っていることから話しは本当なのだろう。
事実なのだろうが、自分の中での常識がひっくり返るという状況に混乱し何も言えなかった。
「私も初めてのことで分からないことばかりで、いつ何があるか分かりません。もしまた長く来ることがなかった時はその時かもしれませんので心配しないで下さい」
妊娠しているという言葉に驚いていたが、つまりいつ自分の依頼も受けてもらえなくなるか分からないということだ。
彼が言うにはまだ時間はあるようだが、初めて聞いたこの状況では誰も妊娠期間も、それまでの大変さも分からないため無理はさせられないだろう。
だが今、こうして週一回ではあるが会ってもらえていたのがなくなるのは辛く、不安でしかない。
またあの苦しくつまらない生活に戻らなければいけないと思うと本当に辛い。
どうすればと考えている間に話し合いは終わっていたようで、席を立つエニシに促されギルドを後にした。
「先程から全く喋ってませんがどうしました?もし私の話しのせいで気分を悪くしたのなら依頼はなかったことにして構いませんよ?」
「え?」
何を言われたのか分からなかった。
「男が妊娠なんて気持ち悪いと思ったんじゃないですか?人間たちでは同性の伴侶は受け入れ難い人が多いでしょう。なので、嫌なら嫌とはっきり言ってもらったほうがお互いのたーー」
「ちがう!!あ、いえ、ちがいます。本当に違うんです。確かに驚きましたが気持ち悪いとか、そんなこと本当に思ってません」
まさかそんな勘違いされていると思っておらず、慌てて否定すれば何とか納得してもらえた。
「本当に違うんです。ただ、その、依頼…お休みするんですよね?」
「ん?あぁ、そうですね………って、もしかして会えなくなるのが寂しいとか思ってます?」
「はい」
「…………」
本当は側にいて欲しいがために教育係りになってもらおうと思っていたが、断られたため週一回でもとギルドを通して依頼を受けてもらっているのだ。
なのに、それまでなくなってしまうと言われ不安だと訴えれば笑われてしまい落ち込む。
「ふふっ、すいません。別に馬鹿にして笑ったわけでありませんよ。随分懐いてくれたものだなぁと嬉しくなっただけです」
そう笑うエニシに今更恥ずかしくなり俯けば、ふと頭に重みを感じ驚いた。
「そうですねぇ。会えなくなるにしても何か……」
考え込みながらも動くその手はエリックの頭を撫でていて、今までそんなことされたことがないエリックは困惑した。
「何か連絡を取る方法があればいいんですけど……エルは何か知りませんか?」
「うーん、魔法なら転移魔法とかがあるけど、ソイツは使えないでしょ」
ソイツと指を指されてムッとしたが、その手が止まるのが嫌で黙っておく。
「あ、魔法なら出来るんですね。なら魔道具が売っている店なら何かあるかもしれませんから行ってみましょうか」
そんなこんなで魔道具を扱う店に来てみればーー
「こんなゴミ売りつけようなんてお前死にたいわけ?それとも碌に使い方も分からないど素人にでも見えんの?あぁん?」
破落戸顔負けのガンつけである。
エニシに連れられて魔道具屋に来たはいいが、以前いくつか高い魔道具を躊躇いなくエニシが購入したせいかカモだと思われたようだ。
連絡手段がとれるものをエニシは探していたが、それとは全く関係ない物ばかり薦められエルがキレたのだ。
しかも、それがまだ使える物ならまだしも日常生活では全く意味のなさない、使用方法も分からない粗悪品ばかり。
魔道具に馴染みのない人間ならば店員の推しに騙されそうになるが、魔法に長けた魔族であるエルの前ではそんなもの何も意味をなさない。
「あの…あれ、大丈夫ですかね?」
先程から店員に脅し……喧嘩腰のエルに、遠回しに止めないのか聞けばーー
「何故ですか?エルが言っていることは至極真っ当なことでしょう?」
確かに。
確かにそうなのだが。
意外なことに喧嘩を売るエルをエニシは止めることなくニコニコと眺めている。
そればかりか、どこから引っ張ってきたのか1人掛けの椅子に座り子どもと一緒に絵本を読み出してしまった。
「アズはどのお話しが好きですか?」
「うーんとね、アズ、しろいのがいい」
白?シロ?好きな話しが白とは?
エニシのあまりの落ち着きように喧嘩の中断は諦め2人の会話を聞いていたが、意味が分からず首を捻る。
「あぁ、この前読んだアリスですか。そういえばアズと同じ髪色の兎が出てると喜んでましたね」
どうやら白い兎のことだったらしい。
微笑みながら頭を優しく撫でる姿に羨ましくなったが、まさか自分から頭を撫でて下さいとは言えず黙り込む。
「だ・か・ら・死にたいわけ?奴隷だと思ってバカにしてんの?バレないように殺して隠すぐらいわけないから」
怖い。怖過ぎる。
それはもう脅迫では?と思ったが、巻き込まれても敵わないので口は出さないでおく。
かたや地獄で、かたや天国。
誰もが天国を選ぶに決まっていると、リックは話しがつくまでエニシの読み語りに耳を傾けるのであった。
いつも通り冒険者ギルドで待っていれば、話しがあると部屋に案内された時は驚いたが、美味しいパン?に喜んだ。
美味しい美味しいと食べていれば、いきなりの子ども出来ました発言にフォークを落としそうになった。
子ども?妊娠?エニシさんが?
もう性別さえ分からなくなり、ギルマスが確認した時は間違ってなかったことにさらに混乱した。
「いいえ、間違ってませんよ。ただ言いましたよね、私の伴侶は男性だと。付け加えるとすれば獣人で、相手によっては男でも妊娠できるという少々特殊な状況ですね」
男が妊娠?そんなことありえるのか?と思ったが、話し合う2人に冗談を話している様子はなく、依頼を断っていることから話しは本当なのだろう。
事実なのだろうが、自分の中での常識がひっくり返るという状況に混乱し何も言えなかった。
「私も初めてのことで分からないことばかりで、いつ何があるか分かりません。もしまた長く来ることがなかった時はその時かもしれませんので心配しないで下さい」
妊娠しているという言葉に驚いていたが、つまりいつ自分の依頼も受けてもらえなくなるか分からないということだ。
彼が言うにはまだ時間はあるようだが、初めて聞いたこの状況では誰も妊娠期間も、それまでの大変さも分からないため無理はさせられないだろう。
だが今、こうして週一回ではあるが会ってもらえていたのがなくなるのは辛く、不安でしかない。
またあの苦しくつまらない生活に戻らなければいけないと思うと本当に辛い。
どうすればと考えている間に話し合いは終わっていたようで、席を立つエニシに促されギルドを後にした。
「先程から全く喋ってませんがどうしました?もし私の話しのせいで気分を悪くしたのなら依頼はなかったことにして構いませんよ?」
「え?」
何を言われたのか分からなかった。
「男が妊娠なんて気持ち悪いと思ったんじゃないですか?人間たちでは同性の伴侶は受け入れ難い人が多いでしょう。なので、嫌なら嫌とはっきり言ってもらったほうがお互いのたーー」
「ちがう!!あ、いえ、ちがいます。本当に違うんです。確かに驚きましたが気持ち悪いとか、そんなこと本当に思ってません」
まさかそんな勘違いされていると思っておらず、慌てて否定すれば何とか納得してもらえた。
「本当に違うんです。ただ、その、依頼…お休みするんですよね?」
「ん?あぁ、そうですね………って、もしかして会えなくなるのが寂しいとか思ってます?」
「はい」
「…………」
本当は側にいて欲しいがために教育係りになってもらおうと思っていたが、断られたため週一回でもとギルドを通して依頼を受けてもらっているのだ。
なのに、それまでなくなってしまうと言われ不安だと訴えれば笑われてしまい落ち込む。
「ふふっ、すいません。別に馬鹿にして笑ったわけでありませんよ。随分懐いてくれたものだなぁと嬉しくなっただけです」
そう笑うエニシに今更恥ずかしくなり俯けば、ふと頭に重みを感じ驚いた。
「そうですねぇ。会えなくなるにしても何か……」
考え込みながらも動くその手はエリックの頭を撫でていて、今までそんなことされたことがないエリックは困惑した。
「何か連絡を取る方法があればいいんですけど……エルは何か知りませんか?」
「うーん、魔法なら転移魔法とかがあるけど、ソイツは使えないでしょ」
ソイツと指を指されてムッとしたが、その手が止まるのが嫌で黙っておく。
「あ、魔法なら出来るんですね。なら魔道具が売っている店なら何かあるかもしれませんから行ってみましょうか」
そんなこんなで魔道具を扱う店に来てみればーー
「こんなゴミ売りつけようなんてお前死にたいわけ?それとも碌に使い方も分からないど素人にでも見えんの?あぁん?」
破落戸顔負けのガンつけである。
エニシに連れられて魔道具屋に来たはいいが、以前いくつか高い魔道具を躊躇いなくエニシが購入したせいかカモだと思われたようだ。
連絡手段がとれるものをエニシは探していたが、それとは全く関係ない物ばかり薦められエルがキレたのだ。
しかも、それがまだ使える物ならまだしも日常生活では全く意味のなさない、使用方法も分からない粗悪品ばかり。
魔道具に馴染みのない人間ならば店員の推しに騙されそうになるが、魔法に長けた魔族であるエルの前ではそんなもの何も意味をなさない。
「あの…あれ、大丈夫ですかね?」
先程から店員に脅し……喧嘩腰のエルに、遠回しに止めないのか聞けばーー
「何故ですか?エルが言っていることは至極真っ当なことでしょう?」
確かに。
確かにそうなのだが。
意外なことに喧嘩を売るエルをエニシは止めることなくニコニコと眺めている。
そればかりか、どこから引っ張ってきたのか1人掛けの椅子に座り子どもと一緒に絵本を読み出してしまった。
「アズはどのお話しが好きですか?」
「うーんとね、アズ、しろいのがいい」
白?シロ?好きな話しが白とは?
エニシのあまりの落ち着きように喧嘩の中断は諦め2人の会話を聞いていたが、意味が分からず首を捻る。
「あぁ、この前読んだアリスですか。そういえばアズと同じ髪色の兎が出てると喜んでましたね」
どうやら白い兎のことだったらしい。
微笑みながら頭を優しく撫でる姿に羨ましくなったが、まさか自分から頭を撫でて下さいとは言えず黙り込む。
「だ・か・ら・死にたいわけ?奴隷だと思ってバカにしてんの?バレないように殺して隠すぐらいわけないから」
怖い。怖過ぎる。
それはもう脅迫では?と思ったが、巻き込まれても敵わないので口は出さないでおく。
かたや地獄で、かたや天国。
誰もが天国を選ぶに決まっていると、リックは話しがつくまでエニシの読み語りに耳を傾けるのであった。
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