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初めてのおつかい
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「こんな恥ずかしい思いしたのは生まれて初めてだよ!」
「それは貴重な体験ですね。喜んでもらえて良かったです」
「よ、喜んでなーー」
「実に素晴らしい一日だったよ!恥ずかしがって真っ赤になるマーガレットのかーー」
バキッ!!
「「「「………」」」」
ソレ、生きてます?
興奮する横っ面を殴られたジンは凄い音と共にその場に崩れ落ちた。
ピクピク動いていることから息はあるようだ。
照れ隠しには少々過激である。
隣にいるエルだけでなく遠目で様子を伺っていたランたちまで驚き、そして恐ろしさに震えていた。
いきなり縁が来て喜んでいれば、突如着飾った男女が扉を蹴破らん勢いで入って来たのだからそりゃ驚くだろう。
「余計なお節介でしたか?」
「そ、そんなこと言ってないだろ。わ、私はただ、恥ずかしかったって言ってるだけで……」
マーガレットの言う通り本当に恥ずかしかっただけなのだろう。
大方ジンが着飾ったマーガレットに喜び、大袈裟なぐらい褒めまくり周りに自慢でもして回っていたのだろう。
その姿から殆どの人が似てるなぐらいな反応だったらしいが。
まさかあの男勝りなギルマスなわけがないと考えだのだろう。
「それならば良かったです。お使いありがとうございました。このお腹ではあまり人混みには入っていけませんから」
もちろん動きづらいだけなので問題はないのだが、それとは別に男である縁が妊娠していることに驚く人がいるだろうと思ったからだ。
驚くだけならまだしも気持ちが悪いと何かされてはたまったものではない。
というのは後付けで、マーガレットたちがデートするついでに面倒くさい買い物を押し付けただけである。
「まぁ、いいさ。それで?ここまで連れてきたのはなんでだい?」
「ん?私がランに会いたかったというのが大半ではありますが、ついでに顔合わせでもと思いまして」
全てが偶然であり、ついでであった。
一番の目的はランの様子見である。
隠れるように戸から顔を覗かせるランを手招きすれば、ビクビクしながらも近寄ってきた。
よほど殴り飛ばされるジンを見て怖かったようだ。
縁の後ろに隠れるようにしながらも、きちんとマーガレットの目を見て挨拶するのは昔を思えばかなりの進歩だろう。
「大丈夫です、マーガレットさんは優しいですからそんなとって食いはしませんよ」
他の人にはどうか分からないが、縁からすればとても優しい頼れる女性である。
「実はお2人に買い物に言ってもらっている間に準備しておいたものがあるんです。お茶でもしながらお話ししましょう?」
未だ震えるランを連れテーブルへ向かえば、意外にもガンズが食器など細かいものを用意してくれていた。
ならば後は切るだけで、素早く準備すると皆に配っていく。
「これは…この前持ってきてくれたけーき?というものだね」
「えぇ。ですが今回少々手を加えてみましたので気に入っていただければ嬉しいです」
そう言う縁の前に皿はなく、まだつわりがひどいのかと心配そうなマーガレットに首を振ると食べてみれば分かると皿をすすめた。
「これは…酒かい?」
「うわ、こ、これすごい、ね。お酒を使うって言われた時は意味がわからなかったけど…すごく美味しい!」
喜んでもらえて何より。
そう、このケーキにはランが造った酒が染み込ませてあったのだ。
そのため今日はアズを連れてきていなかった。
酒が強いメンバーだからこその品だった。
「中に入っているイチジクも蜂蜜とお酒につけてたものです。もし食感などが嫌であれば遠慮せず外し……大丈夫そうですね」
あくまで縁の思いつきで作ったものなので、嫌なら食べなくて構わないと言おうとしたが、黙々と食べ続ける皆の姿にホッとした。
こちらで見る初めてのイチジクは、やはり緑色で少し残念に思ったのは内緒だ。
「そういえば私の髪にも蜂蜜を使ってたが、凄いもんだね。あんなにパサパサだったのに艶が出て綺麗で纏めやすくなったよ。手もしっとりしてた」
「蜂蜜は美容と健康にいいそうですよ。私はハゲ……髪質が気になって色々調べました。定期的に今日みたいにお手入れすればもっと綺麗なりますよ」
それはいいこと聞いたと笑うマーガレットに、いつの間に意識を取り戻したのかジンがニコニコとそんなマーガレットを見つめている。
そんなジンにも頭皮のために薦めるべきか悩む縁であった。
「ねぇ、おかわり」
お酒に強いエルはかなり気に入ったようで、差し出される皿に新しいものをのせてやれば嬉しそうに食べていた。
まだ若いので心配はないが、魔族もハゲたりするのだろうかとジッと見つめていれば気がついたようだ。
不思議そうな顔に「魔族ってハゲの人います?」とは聞けず、美味しいですか?と聞けば笑って美味しいと言ってくれた。
同じ男として頭皮の話しは繊細なのだ。
「頼んだ物も買ってきてもらえましたし、今度来た時にでも飲めるように梅酒でも作っていきましょうか」
「なにそれ?」
果実酒の一種だと教えたが、やはり知らなかったようで首を傾げるランを連れ台所へ向かえば簡単に作り方を教える。
さすがに氷砂糖はなかったので蜂蜜で代用した。
綺麗に洗った梅と蜂蜜を入れるだけの簡単な作業なのでランでも作るのに何も問題ないだろう。
「これを1カ月ほど寝かせたら完成です。出来たらまたマーガレットさんたちと一緒に飲んでみましょう」
まぁ、私は飲めないんですが。
体質的にも、お腹の子のためにも。
「それは貴重な体験ですね。喜んでもらえて良かったです」
「よ、喜んでなーー」
「実に素晴らしい一日だったよ!恥ずかしがって真っ赤になるマーガレットのかーー」
バキッ!!
「「「「………」」」」
ソレ、生きてます?
興奮する横っ面を殴られたジンは凄い音と共にその場に崩れ落ちた。
ピクピク動いていることから息はあるようだ。
照れ隠しには少々過激である。
隣にいるエルだけでなく遠目で様子を伺っていたランたちまで驚き、そして恐ろしさに震えていた。
いきなり縁が来て喜んでいれば、突如着飾った男女が扉を蹴破らん勢いで入って来たのだからそりゃ驚くだろう。
「余計なお節介でしたか?」
「そ、そんなこと言ってないだろ。わ、私はただ、恥ずかしかったって言ってるだけで……」
マーガレットの言う通り本当に恥ずかしかっただけなのだろう。
大方ジンが着飾ったマーガレットに喜び、大袈裟なぐらい褒めまくり周りに自慢でもして回っていたのだろう。
その姿から殆どの人が似てるなぐらいな反応だったらしいが。
まさかあの男勝りなギルマスなわけがないと考えだのだろう。
「それならば良かったです。お使いありがとうございました。このお腹ではあまり人混みには入っていけませんから」
もちろん動きづらいだけなので問題はないのだが、それとは別に男である縁が妊娠していることに驚く人がいるだろうと思ったからだ。
驚くだけならまだしも気持ちが悪いと何かされてはたまったものではない。
というのは後付けで、マーガレットたちがデートするついでに面倒くさい買い物を押し付けただけである。
「まぁ、いいさ。それで?ここまで連れてきたのはなんでだい?」
「ん?私がランに会いたかったというのが大半ではありますが、ついでに顔合わせでもと思いまして」
全てが偶然であり、ついでであった。
一番の目的はランの様子見である。
隠れるように戸から顔を覗かせるランを手招きすれば、ビクビクしながらも近寄ってきた。
よほど殴り飛ばされるジンを見て怖かったようだ。
縁の後ろに隠れるようにしながらも、きちんとマーガレットの目を見て挨拶するのは昔を思えばかなりの進歩だろう。
「大丈夫です、マーガレットさんは優しいですからそんなとって食いはしませんよ」
他の人にはどうか分からないが、縁からすればとても優しい頼れる女性である。
「実はお2人に買い物に言ってもらっている間に準備しておいたものがあるんです。お茶でもしながらお話ししましょう?」
未だ震えるランを連れテーブルへ向かえば、意外にもガンズが食器など細かいものを用意してくれていた。
ならば後は切るだけで、素早く準備すると皆に配っていく。
「これは…この前持ってきてくれたけーき?というものだね」
「えぇ。ですが今回少々手を加えてみましたので気に入っていただければ嬉しいです」
そう言う縁の前に皿はなく、まだつわりがひどいのかと心配そうなマーガレットに首を振ると食べてみれば分かると皿をすすめた。
「これは…酒かい?」
「うわ、こ、これすごい、ね。お酒を使うって言われた時は意味がわからなかったけど…すごく美味しい!」
喜んでもらえて何より。
そう、このケーキにはランが造った酒が染み込ませてあったのだ。
そのため今日はアズを連れてきていなかった。
酒が強いメンバーだからこその品だった。
「中に入っているイチジクも蜂蜜とお酒につけてたものです。もし食感などが嫌であれば遠慮せず外し……大丈夫そうですね」
あくまで縁の思いつきで作ったものなので、嫌なら食べなくて構わないと言おうとしたが、黙々と食べ続ける皆の姿にホッとした。
こちらで見る初めてのイチジクは、やはり緑色で少し残念に思ったのは内緒だ。
「そういえば私の髪にも蜂蜜を使ってたが、凄いもんだね。あんなにパサパサだったのに艶が出て綺麗で纏めやすくなったよ。手もしっとりしてた」
「蜂蜜は美容と健康にいいそうですよ。私はハゲ……髪質が気になって色々調べました。定期的に今日みたいにお手入れすればもっと綺麗なりますよ」
それはいいこと聞いたと笑うマーガレットに、いつの間に意識を取り戻したのかジンがニコニコとそんなマーガレットを見つめている。
そんなジンにも頭皮のために薦めるべきか悩む縁であった。
「ねぇ、おかわり」
お酒に強いエルはかなり気に入ったようで、差し出される皿に新しいものをのせてやれば嬉しそうに食べていた。
まだ若いので心配はないが、魔族もハゲたりするのだろうかとジッと見つめていれば気がついたようだ。
不思議そうな顔に「魔族ってハゲの人います?」とは聞けず、美味しいですか?と聞けば笑って美味しいと言ってくれた。
同じ男として頭皮の話しは繊細なのだ。
「頼んだ物も買ってきてもらえましたし、今度来た時にでも飲めるように梅酒でも作っていきましょうか」
「なにそれ?」
果実酒の一種だと教えたが、やはり知らなかったようで首を傾げるランを連れ台所へ向かえば簡単に作り方を教える。
さすがに氷砂糖はなかったので蜂蜜で代用した。
綺麗に洗った梅と蜂蜜を入れるだけの簡単な作業なのでランでも作るのに何も問題ないだろう。
「これを1カ月ほど寝かせたら完成です。出来たらまたマーガレットさんたちと一緒に飲んでみましょう」
まぁ、私は飲めないんですが。
体質的にも、お腹の子のためにも。
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