二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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兄弟喧嘩

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 「ア、アンタあの時の!」

 「そんなことどうでもいいですからこの人どっかにやって下さい。ウチの子が怯えているので」

 「は?」

 見れば腕に抱えている子どもが小刻みに震えている。
 寒いのか?と思ったが、言われて見てみれば未だ楽しそうに話しかける弟の姿に犯人はコイツか!?と慌てて引き剥がす。
 
 「す、すまん。コイツはまだ魔力調整が上手くなくてな」

 人型はとれるのだが、魔力調整が上手くいかず流れ出る魔力に子どもに威圧をかけてしまったのだろう。

 「ちょーと、兄貴なにすんの。今コウショウチュウなんだから離してよ」

 「バカ!何が交渉中だ!」

 離せと暴れるルイに、しかし離したが最後また突撃しに行くに決まっている。

 「だ~って、アイツキレイでしょ?オレのペットにしたーい」

 「絶対に嫌です。そこら辺の草でも食むか埋まってなさい」

 かなりの嫌われようだ。
 カケラも望みはないだろう。

 「やっば、オレにこんなこと言うなんてやばくない?最高じゃん!」

 それは良いのか悪いのかどっちなんだ!?
 
 「交渉決裂ですね。お帰りください」

 「え~、そんなこと言わないでさ~」

 再び近寄って行こうとするルイに後頭部を殴って止めるが、変に気が高ぶっているのか痛いとも言わず必死に腕から逃れようとしてくる。
 変わった奴だとは前から思ってはいたが、ここまで何かに執着するのも珍しい。

 「馬鹿な子ほど可愛いと言いますが、人の話を聞かないバカは私は嫌いです」

 「あー、分かる分かる。いるよねそういうやつ」

 いや、明らかにお前に向けて言っているように聞こえるのは俺だけか?
 チラリと伺えば……うん、間違ってなかったようだ。

 「貴方のことです。それすら分からない方とは分かり合える気がしません。とっとと帰りなさい」

 「えー、一緒に行こうよ~」

 弟よ。お前には無理だ。
 言葉はまだ丁寧であるが、顔がヤバかった。
 うっとしい、嫌い、うるさい、全てを物語る拒絶顔だった。

 「兄弟揃って人様に迷惑かけるのが好きなんですか?」

 矛先がこちらに向いた。

 「いや、いやいや。俺は違うからな!コイツは…その、あれだと俺も思うが……」

 「ちょっと~、ヒドくない?」

 俺にこんな想いさせているお前の方がヒドいと思う。

 「この前のことは…悪かったよ。バレたことに驚いて…しかもあのジジイつえーし、ババアなんか斧振り回して追ってきたぞ」

 あれはヤバかった。
 元の姿ならなんら問題なかっただろうが、人型をとっていたため逃げるだけで精一杯だった。

 「人の話しを聞かないからです。私は追って来ないで下さいと言ったはずですよ」

 「んなわけにいかないだろ!バレたのなんてお前が初めてだったんだから理由が分からないことには……」

 「分かったところで何なんですか。貴方が納得しようがしまいが私には関係ありません。…だから貴方は近づかないで下さいと言っているでしょう!」

 口論になっているうちに手を離してしまっていたらしい。
 数秒前には隣にいたはずのルイの姿が、いつの間にか少年の目の前まで迫っていた。

 「ねぇねぇ、このガキなに?さっきからずっとくっついててさ~、邪魔じゃない?」

 「邪魔なのは貴方です!ウチの子に何かしたら許しませんからね」

 「何やってんだバカ!やめろ!」

 邪魔だと言い抱き抱える子どもを引き離そうとする姿に慌てて止めに入る。
 それはさすがにやりすぎだ!

 「ーー離れろ」

 「っ!?」

 突如目の前に現れた刃に反射的に距離をとれば、空気を切る音が聞こえた。
 見れば双剣を構えた男がこちらを睨みつけている。

 「なにすんだよっ!」

 「あぁ?避けんじゃねぇよ。人のものに勝手に手ぇ出そうとしたんだ、手ぐらい当たり前だろ」

 「んなわけねぇだろ!しかも俺は止めようとしたじゃねぇか!」

 「弟の失敗は兄の責任と言うでしょう?」

 「言わねえよ!」

 優しく微笑みながら止めるどころか煽るようなことを言う。

 「ちょっとー、兄貴何したんだよ。怒られてんじゃん」

 お前だよ!
 全てがお前のせいだろ!!
 ヘラヘラと笑うあまりに暢気な言葉に殴りたくなる。
 いや、殴った。しかも全力で。
 力加減も出来ず全力で殴られたルイは吹っ飛び、吹っ飛び、さらに吹っ飛び、所々色んな場所に身体をぶつけながらさらに吹っ飛んでいった。

 「まぁ、自業自得ですね」

 「だな」

 「………」

 兄弟だが何も言い返せない。
 静まり返る周辺に、これは気絶しているようだと判断し、少年たちに謝ると回収に向かうのであった。

 「今度また同じことをするようなら覚悟して下さいね」

 「………だから何で俺のせいになんだよ」

 こんなことなら弟に産まれたかったとかつてないほど思うのであった。
 そしてアイツはもう許さん!
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