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「どういうことなの?私は貴方に出ていくよう言ったはずなのだけれど?」
「言われましたね。けれど皆さんにご厚意により残ることになりました。王太子殿下におかれましても是非にと仰っていただきまして」
「まったく、なんて厚かましいのかしら。お兄様がお優しいからと調子にのーー」
「いい加減にしろっ!私が頼んだんだ。お前の意見などどうでもいい」
再び始まる兄妹喧嘩にマーガレットたちには申し訳ないが早々に面倒くさくなってきた。
この際落ち着くまで待っていようと鞄からあるものを取り出すと、呆れたように喧嘩を見守るマーガレットたちに渡していく。
「クッキーというものです。まだ試作段階ですがよければどうぞ」
初めて見るものに首を傾げていたが縁を信用しているのか特に警戒することなくマーガレットたちは手に取っていく。
「これは…なんだい?サクサクしているね」
「初めて食べる食感だね。美味しいよ」
「美味いのぅ。ほんのり甘いのがまたいいわい」
エルも美味しいと頬張りながら時々縁の口にも運んでくれる。
「………それは君が作ったのか?」
まだ試作段階の上、まさか手作りを宰相様にまで出すのは不味かろうとマーガレットたちの分しか出していなかったのだが、美味しそうに食べるマーガレットたちに気になったようだ。
「そうですが…………よければ食べてみますか?」
「君がよければ頼む」
ジッとこちらを見る宰相に、見た目に反して甘いものが好きなのかもしれないとクッキーを差し出す。
お城で食べるような綺麗で彩り豊かな料理とはかなり差があるが、それでも抵抗なく口をつける宰相によかったと微笑む。
「美味いな」
それだけ呟くと無言で頬張る宰相に足りないかな?と思い追加のクッキーも渡せば、これまた嬉しそうに食べていた。
「貴方たち!何を暢気にお茶をしているのですか!私の話を聞きなさい!」
のんびりお茶する縁たちに気付いたのか王女様が怒りながら近寄ってくる。
「お忙しいようでしたので……それで、私は何故牢に入れられたか理由をお聞きしてよろしいですか?」
「貴方がのこのこ城にやってくるからでしょう?出ていけと言った私に逆らったのだから当たり前じゃない」
ほぅ?
リックを見れば今まで見たことないほど鋭い目付きで王女を睨みつけていた。
かなり頭に血が上っているようでこれは不味かろうと失礼だとは思ったが名を呼び隣の席をポンポンと叩く。
それだけでワンコのように笑顔で駆け寄ってくるのだから王子としてこれでいいのかと心配になってしまうが。
「王女様はもしやお優しい王太子殿下を差し置いて王座につかれるおつもりで?」
縁の爆弾発言に皆が吹き出した。
宰相など喉を詰まらせたのかかなり咳き込んでいる。
「はぁ!?そんなわけないでしょう!次期国王はお兄様です!」
「ですが残って欲しいという王太子殿下の言葉を捨て置き私を国外追放にしようとした挙句、牢へ入れるとは王女様の発言力が王太子殿下より上ということになりますよね?」
「それはっ!」
「お優しい王太子殿下がこのようにお怒りになられても尚駄目だと言い、出ていけと言うということはそういうことではないのですか?」
「ちがっ!私はそんなことーー」
慌てたように王女様はリックを見るが、そんな気持ち知ってか知らずかリックはクッキーを咥えながらもそんな妹を睨みつけている。
王子としてそれはいいのだろうか?
「王女様は私の存在が王太子殿下に悪影響だと仰っていましたが、何が問題だったのでしょうか?これでも昔より随分と良い方へ変わったのではないかと思っていたのですが」
ねぇ?とリックを見ればにっこりと嬉しそうに頷いてくれる。
王女にしてもここまでブラコンになったのは昔のリックではなく、最近の変わってきたリックのはずだ。
ならば縁たちの出会いも、こうして仲良く一緒に過ごすのも悪いことだとも思えない。
「だとしても貴方は庶民で、お兄様は王子なのよ!貴方如きが一緒にいるなど問題しかないわ!」
だから言葉を選んだ方がいいですよ?
王女が話す度にリックの目に鋭さが増していく。
「その庶民たちが働いてくれているからこそ国が成り立っているのではありませんか?庶民如きというのも王族としてもあまりいい言葉とは思えませんが?」
「うるさいわね!庶民が私たちに尽くすのは当たり前でしょ!私たちのおかげで暮らせているんだから」
怒りのためか口調が崩れてきている。
あまりの言葉に宰相どころか皆も呆れて言葉がないようだ。
「では王女様はその庶民のために何をしたのですか?」
「え?な、なにを……」
「王女様のおかげで庶民は暮らせているのですよね?ならば貴方様は庶民たちのために何をしたのでしょうか?王様でも王太子殿下でもなく、貴方様が庶民如きの暮らしのために何をしてくれたのでしょう?」
「………」
この王女の言い方からして何かしていたとは思えない。
してもらって当たり前、欲しいものは何でも手に入れる、そんな当たり前の中で町に住む彼らのために王女がしたことは?
押し黙る少女に縁は優しく語りかけるのであった。
「言われましたね。けれど皆さんにご厚意により残ることになりました。王太子殿下におかれましても是非にと仰っていただきまして」
「まったく、なんて厚かましいのかしら。お兄様がお優しいからと調子にのーー」
「いい加減にしろっ!私が頼んだんだ。お前の意見などどうでもいい」
再び始まる兄妹喧嘩にマーガレットたちには申し訳ないが早々に面倒くさくなってきた。
この際落ち着くまで待っていようと鞄からあるものを取り出すと、呆れたように喧嘩を見守るマーガレットたちに渡していく。
「クッキーというものです。まだ試作段階ですがよければどうぞ」
初めて見るものに首を傾げていたが縁を信用しているのか特に警戒することなくマーガレットたちは手に取っていく。
「これは…なんだい?サクサクしているね」
「初めて食べる食感だね。美味しいよ」
「美味いのぅ。ほんのり甘いのがまたいいわい」
エルも美味しいと頬張りながら時々縁の口にも運んでくれる。
「………それは君が作ったのか?」
まだ試作段階の上、まさか手作りを宰相様にまで出すのは不味かろうとマーガレットたちの分しか出していなかったのだが、美味しそうに食べるマーガレットたちに気になったようだ。
「そうですが…………よければ食べてみますか?」
「君がよければ頼む」
ジッとこちらを見る宰相に、見た目に反して甘いものが好きなのかもしれないとクッキーを差し出す。
お城で食べるような綺麗で彩り豊かな料理とはかなり差があるが、それでも抵抗なく口をつける宰相によかったと微笑む。
「美味いな」
それだけ呟くと無言で頬張る宰相に足りないかな?と思い追加のクッキーも渡せば、これまた嬉しそうに食べていた。
「貴方たち!何を暢気にお茶をしているのですか!私の話を聞きなさい!」
のんびりお茶する縁たちに気付いたのか王女様が怒りながら近寄ってくる。
「お忙しいようでしたので……それで、私は何故牢に入れられたか理由をお聞きしてよろしいですか?」
「貴方がのこのこ城にやってくるからでしょう?出ていけと言った私に逆らったのだから当たり前じゃない」
ほぅ?
リックを見れば今まで見たことないほど鋭い目付きで王女を睨みつけていた。
かなり頭に血が上っているようでこれは不味かろうと失礼だとは思ったが名を呼び隣の席をポンポンと叩く。
それだけでワンコのように笑顔で駆け寄ってくるのだから王子としてこれでいいのかと心配になってしまうが。
「王女様はもしやお優しい王太子殿下を差し置いて王座につかれるおつもりで?」
縁の爆弾発言に皆が吹き出した。
宰相など喉を詰まらせたのかかなり咳き込んでいる。
「はぁ!?そんなわけないでしょう!次期国王はお兄様です!」
「ですが残って欲しいという王太子殿下の言葉を捨て置き私を国外追放にしようとした挙句、牢へ入れるとは王女様の発言力が王太子殿下より上ということになりますよね?」
「それはっ!」
「お優しい王太子殿下がこのようにお怒りになられても尚駄目だと言い、出ていけと言うということはそういうことではないのですか?」
「ちがっ!私はそんなことーー」
慌てたように王女様はリックを見るが、そんな気持ち知ってか知らずかリックはクッキーを咥えながらもそんな妹を睨みつけている。
王子としてそれはいいのだろうか?
「王女様は私の存在が王太子殿下に悪影響だと仰っていましたが、何が問題だったのでしょうか?これでも昔より随分と良い方へ変わったのではないかと思っていたのですが」
ねぇ?とリックを見ればにっこりと嬉しそうに頷いてくれる。
王女にしてもここまでブラコンになったのは昔のリックではなく、最近の変わってきたリックのはずだ。
ならば縁たちの出会いも、こうして仲良く一緒に過ごすのも悪いことだとも思えない。
「だとしても貴方は庶民で、お兄様は王子なのよ!貴方如きが一緒にいるなど問題しかないわ!」
だから言葉を選んだ方がいいですよ?
王女が話す度にリックの目に鋭さが増していく。
「その庶民たちが働いてくれているからこそ国が成り立っているのではありませんか?庶民如きというのも王族としてもあまりいい言葉とは思えませんが?」
「うるさいわね!庶民が私たちに尽くすのは当たり前でしょ!私たちのおかげで暮らせているんだから」
怒りのためか口調が崩れてきている。
あまりの言葉に宰相どころか皆も呆れて言葉がないようだ。
「では王女様はその庶民のために何をしたのですか?」
「え?な、なにを……」
「王女様のおかげで庶民は暮らせているのですよね?ならば貴方様は庶民たちのために何をしたのでしょうか?王様でも王太子殿下でもなく、貴方様が庶民如きの暮らしのために何をしてくれたのでしょう?」
「………」
この王女の言い方からして何かしていたとは思えない。
してもらって当たり前、欲しいものは何でも手に入れる、そんな当たり前の中で町に住む彼らのために王女がしたことは?
押し黙る少女に縁は優しく語りかけるのであった。
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