二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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おはようこざいます

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 エニシを隣室で寝かせている間、ジンにより嬉々として繋たちは世話をされていた。

 「ーーところで、アンタ誰だい?」

 常に縁と一緒に来るエルは分かるが、その隣でせっせと双子を抱っこしあやしている男は見たことがなかった。
 縁に聞いた方が早いとは思うのだが、あれほど疲れていたエニシを早く寝かせることを優先させたのだ。
 彼が連れている時点で害がないことは分かるが、それでもエニシを孫と呼ぶマーガレットには確認しておく必要があったのだ。

 「ん?オレ?ルイス。この前エニシの番にしてもらったんだ~」

 「「………」」

 隣に腰掛けるジンを見ればマーガレットと同じく眉間に皺が寄っていた。
 こんな軽薄そうな男が?また番が増えた?言いたいことは多々あれど、エルが何も言わないことから事実ではあるのだろう。

 「……そうかい。で?アンタちゃんとエニシを守れんだろうね?」

 「えー、オレそんな弱そうに見えんの?これでもドラゴンだよ~」

 言い方!喋り方!
 そんなだから不安なのだと言おうとしーー

 「……あ?ドラゴンだって?」

 「ハァァァ。お前さぁ、何でそう簡単に正体言っちゃうわけ?」

 「言っちゃダメなの?」

 「逆に何でいいと思ったんだよ。相手人間だぞ。散々仲間殺されてるくせに何でいいと思ったんだよ」

 「だってエニシが、大切な人たちだからシツレイのないようにって」

 「「「………」」」

 それで正直に名乗ったというのか?
 呆れるエルだが、マーガレットは逆に心配になってくる。
 こんなバカがエニシの番で本当に大丈夫なのかと。

 「ま、まぁ、エニシくんをそこまで信用しているってことはいいこと……だね。たぶん」

 いいことではあるが、不安になるのは何故だろう。

 「この通りバカだけどエニシに嫌われることは絶対しないから安心して」

 「うん、しないしない」

 いや、バカと言われたことはいいのだろうか?

 「それよりシン愛依アイお願い。コイツじゃすぐ起きちゃう」

 見れば抱き方が悪いのかまだ起きてはいないようだが、ぐずるように腕の中で暴れていた。
 慌てて受け取り抱き抱えれば、またスヤスヤと眠りについた。

 「なんでオレじゃダメなんだろ?」

 「落ち着きないからじゃねぇの」

 「えー、オレ落ち着いてるよ?パパだよ、パパ」

 「ぜってぇ呼ばねぇ」

 「アズくんも呼んでくれないんだよねぇ。なんでだろ?」

 「認められてないんだろ」

 「だからなんで?」

 「うるさい。2人が起きる」

 普段あまりマーガレットたちの前で話さないエルの態度に驚いたが、確かにコレをパパと呼ぶには無理がある。

 「あ、あの~………」

 ふと声をした方を見ればランが扉からちょこんと顔を出していた。

 「あ」

 完全に忘れていた。
 エニシに会わせてやろうとジンが誘ったらしいが、それをエニシに伝えるのを忘れていた。
 案の定、意識朦朧としていたエニシは部屋で待っていたランに気付かず眠ってしまったらしい。

 「悪かったね。ついでだ、起きるまでアンタも一緒にこの子たちを見ておくれ」

 手招きし、抱えていた愛依を渡せば緊張からかプルプルと手が震えていた。

 「ち、ちちち、ちっちゃいっ!こ、こわ、怖いです!」

 「繋を抱っこしたこともあるだろ?」

 「で、でで、でも、繋ちゃんよりちっちゃい!」

 怖い怖いと訴え続けるため、愛依は預かり繋を抱っこさせれば「大っきくなってる!」と叫んでいた。

 「そりゃ縮むわけないだろ」

 「す、すごい、喋ってる」

 何を言っているのかは分からないが、キャッキャキャッキャと楽しそうにペチペチとランの頰を叩いていた。
 赤子の力なので痛くはないだろうが、何故そうなったのかはマーガレットにも分からない。
 ただ楽しそうではあるので大丈夫だろう。

 「ねぇオレの時より喜んでる」

 「ざまぁ」

 もうケンカしかしないだろう2人は放っておくことにした。
 ふと今日は随分静かだなと隣を見ればーー

 「アンタは何を……」

 「帽子をね。私たちはいいけど外に出るならやっぱり耳は隠した方がいいかなって思って。大丈夫、後で手袋も作るから」

 何が大丈夫で、何を心配しているのか。
 えらく器用に編み物をするジンは放っておく。
 そんな特技があったとは初めて知った。
 こんなに人がいるのに誰として協調性というか、協力しようという精神がないのはどうなのだろう?
 それぞれがそれぞれでやれることをやってはいるので問題は起きていないようではあるが。

 「エニシの様子を見てくるからアンタたちはちゃんと子どもたちを見ておくんだよ」

 少々不安ではあるが、ジンもいるため大丈夫だろうと部屋を出て隣室に向かう。
 ノックすることなく部屋に入れば、予想通りベッドに力尽きたように倒れているエニシの姿が。
 このままでは風邪を引くと、そっと布団をかけてやれば気がついたのかエニシが目を開けた。

 「……マーガレット、さん?」

 「ああ、起こしちまったかい?大丈夫だよ、まだ寝てな」

 起こして悪いと寝かしつけるように優しく頭を撫でてやる。

 「…ごめん、なさい……迷、惑…かけ…て……」

 そう言い残し再び目を閉じたエニシに溜め息をつく。
 
 「バカだねぇ。これくらい迷惑だなんて誰も思っちゃいないよ。もっと甘えてほしいってくらいさ」

 聞こえてはいないだろうがそう言い布団を首元までかけてやるとそっと部屋を後にするのであった。
 

 
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