二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

文字の大きさ
210 / 475

すごいなぁ

しおりを挟む
 「スノーは……どうしましょうかねぇ」

 日に日に大きくなるスノーにサッズから注意されたのだ。
 ここに隠せておけるのも時間の問題だと。
 既に同じベッドに寝ることが出来ず床で寝ているので縁も薄々感じてはいたのだが、いざ近づく別れに寂しくなる。
 膝に乗るスノーの頭を撫でていればアレンが後ろから抱きしめてきた。

 「森に帰すにもこの間みたいなことがあるとなぁ」

 そう簡単にやられるとは思わないが、やはりアレンも心配なのだろう。
 
 「会えなくなるわけではないんですけどね……」

 一生の別れではないが、それでも親として心配になる。

 「一緒に暮らせる場所があればよかったですねぇ」

 擦り寄ってくるスノーに手を離すことが出来ない。
 あの時託された子がここまで大きくなるとは感慨深いものである。

 「スノーがいなくなると真と愛依が哀しみますね。一番寂しいのは私ですが」

 「キュゥー」

 可愛い可愛い我が子。
 アズもそうだが、真と愛依もかなりスノーに懐いており先日は2人を背に乗せ部屋内をお散歩したりもしていた。
 意外にも世話好きなスノーは3人の子育てに手間取る縁を手伝ってくれていたのだ。

 「いつか私もスノーの背に乗ってみたいなぁ」

 「キュ、キュー」

 「ありがとう。その時はお願いしますね」

 「……言葉通じてんの?」

 アレンが苦笑いしていた。
 スノーならばきっと縁がおらずとも上手いこと生きていくだろう。
 結局は寂しく離れ難いのは縁なのだ。

 「私の手の平に乗るほど小さかったのに……」

 「デカくなったよなぁ」

 アレンもしみじみとスノーの成長を感じていた。
 ずっと小さかったらよかったのに。
 アズの背に隠れるほど小さかったスノーは今やアズを背に乗せるられるほど大きくなっている。

 「寂しいなぁ」

 ぎゅっと抱きしめれば、スノーも身体を伸ばし縁の頰に擦り寄ってくる。
 前世では蛇にこうして触れる機会はなかったが、相手がスノーだからなのか嫌悪感は初めからなく、むしろすべすべとして気持ちいい。
 
 「スノーもルーみたいに人型になれたら良かったのに……あ」

 「どうした?」

 確かにこれからもっと大きく育つだろうスノーをここには置いておけない。
 ならばどうするか。
 作ればいいのだ。ないなら作れ。

 「ルーたちの所に作りましょう、スノーの家」

 「は?」

 「元はドラゴンであるルーたちも身体を休める場所があったでしょ?」

 生活時はほとんどを人型でとってはいるようだが、本来はドラゴンである彼らはその巨体を休める場所もに作っていた。

 「そこを少しもらいましょう。今はドラゴンの数も減って余っている場所です。そこにスノーも住めるような家を建てればすぐ会いに行けますし、何かあってもルーたちが側にいますからすぐ駆けつけられます」

 「だな。ドラゴンが入るくらいならスノーでも大丈夫だろ」

 アレンの賛成も得られ、スノーにも確認してみれば嬉しそうに鳴き尻尾をペシンペシンしていた。

 「もしスノーが外で暮らしたいと言えばその時は我慢しますから」

 だからその時までは一緒にいてほしいと言えば、スリスリと頰に擦り寄ってくるのだった。





 「アズ………どうしました?」

 ぷっくりと頰を膨らませしゃがみこむ姿に、友達と仲良く遊んでいたとばかり思っていたため驚いた。

 「………」

 「アズ?」

 目線を合わせるように膝をつくが、フイっと顔を逸らされてしまう。
 どうしたのか聞こうにも口を聞いてくれず、子どもたちも他に遊びにいったのか話しを聞けそうな人物がいない。
 どうしたものかと思いながらも何とか部屋まで連れていれば、遊びに来ていたルーがソファーでゴロゴロしていた。

 「ほら、お水もらってきましたよ。起きて下さーー」

 「どいて!」

 バッとアズが駆けていったかと思えば寝転がるルーをソファーから引きずりおろしていた。

 「え?なになに?なんなの?」

 「そこママの!どいて!」

 「アズ?どうしました?」

 さほど仲良しとは言えずとも喧嘩するほどではなかったと思っていたがどうしたのか。

 「あっちいって!」

 アズの様子にルーも戸惑いオロオロと距離をとる。

 「アズ、ルーが何かしましたか?」

 今日は朝からスノーのためにと家づくりを手伝ってもらい先程帰ってきたばかりなのだが。
 ルーが何かしたとは思えず、理由を聞いてみるがルーを睨んではあっちに行けと叫んでいる。

 「アズ。ちゃんとわけを言わないとルーも困ってしまいますよ。何があったんですか?」

 「…………….った」

 ん?

 「アズおいてった!ママ、アズおいてった!」

 え?私?
 
 「アズがんばったもん!がんばってまほうもおぼえたもん!アズもママとがんばれるもん!」

 たぶん置いていったとはきっと今朝のことだろう。
 朝早かったというのもあるが、すぐに戻ってくる予定だったためアズには何も言わず出かけたのだ。
 帰ってきても友達と遊んでいたため特に気にしてなかったのだがアズの逆鱗に触れたらしい。

 「ごめんね、アズも一緒に行きたかったんですね。すぐ帰ってくるつもりだったので友達と遊びたいかなと思ったんです」

 「……アズも…ママにほめてもらうんだもん」

 そう零し泣きそうに顔を歪めるアズを抱きしめる。
 ずっと頑張っていてくれたのだろう。
 エルに魔法を習っているのは知っていた。
 仲良くなったなと喜んでいたのだが、それが縁のためにだとは思っていなかった。

 「ありがとう、ありがとうアズ。ごめんね」

 この小さな身体で必死に頑張ってくれていた。
 きちんと言ってから行くべきだったと反省する。

 「今度はアズにも手伝ってもらいますね。一緒にやってくれますか?」

 声はなかったが腕の中で頷いたのが分かった。
 よかった。

 「え?オレは?」

 ルーのことは八つ当たりだったらしい。
 ママを独り占めしていたということもあったらしいが。
 アズのルーに対する扱いが雑な気がする。
 
 

 

 


 
しおりを挟む
感想 121

あなたにおすすめの小説

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

処理中です...