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寝耳に水
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「それに隊長だけ戦ってどうするんですか。隊の強さを競うのであれば全隊員でなければ意味がないでしょう?模擬戦とは実戦訓練を兼ねたものであり日々みなさんがどれだけ鍛え協力出来ているか上に知らしめる行為でもあるんですから」
驚いた。
しかし納得出来てしまい、そう言われれば何故自分たちは今までそうしなかったのだろうと不思議になってくる。
「……そう、ですね。隊長が勝ったからと言って私たちが強くなるわけではないんですよね」
いくは隊長が勝ったと喜ぼうが、結局自分たちの強さは自分たちで示すしかないのだ。
上は結果しか見ない。
以前も言われたにもかかわらず全く考えられていなかった。
「私たちも参加するべきだったんですね」
「模擬戦と言うのであればですね。ただ隊長たちの練習試合とかであるならばそれでいいと思いますけど」
これは自分たちの力を示す場だったのだと今更ながら気がついた。
「今からでも間に合いますかね?」
「宰相に聞いてみるか。ダメならダメで次回から出来るように頼んでみようぜ」
隊長も賛成だと頷いてくれる。
「試合の規模が変わりますからね。難しいかもしれませんがそれならそれでそれだけの意味を見出せばいいんです」
「意味ですか?」
どういうことだろうか?
「剣を作るお金足りないんですよね?ならばその試合で稼げばいいんじゃないですか?」
「どういうこった?」
「私は見たことないので何とも言えませんが貴族でも平民でも呼んでみなさんの勇姿を見てもらうとか。少しでも見物料なり入場料なりもらえれば足しになりませんか?」
「「………」」
この子の頭の中はどうなっているのか。
隊長も驚いたように見つめている。
「娯楽にもなり、自国の戦力を確認することもでき、お金も稼げる。その剣の良さを知ればもしかしたら援助してくれる方も現れるかもしれません」
次々に上げられる可能性に理解が追いつかない。
立ち尽くしていた隊長も気が抜けたようにその場に座り込んだ。
見る側からすれば確かに娯楽にもなり、その強さから安心して日々暮らせるかもしれない。
出る側もその勇姿を大勢に見せられ、戦いの勉強にもなり、隊の資金源になるかもしれないのだ。
戦で戦うだけが全てではない。
「もしかしたら憧れから隊に入りたいという人が現れるかもしれませんよ。私は嫌ですけど」
マジか。
「いや、もう入れよ」
フレックも頷くが断固として断られる。
「子どもに嫌われたくないので嫌です」
「お前ガキいたのかよ!」
「お子さんいたんですか!」
勝手に未婚だとばかり思っていた。
自分より華奢で可愛らしい姿に子どもだとばかり。
「いますよ。4人」
「「っ!?」」
しかも4人!聞いてない!
「1人は血が繋がってませんが。そんなに驚くことですか?お2人だって結婚されてますよね?」
「してねぇ」
「してません」
「………あれ?」
隊長は年齢的にも確かに結婚してないのはマズいが、その性格から難しいのは分かりきっていた。
フレックにしても仕事の忙しさから結婚とは程遠い生活を送っていた。
別に彼が悪いわけではないのだが明らかに仲間だと思っていた上、歳下に先越されたと分かり何とも複雑である。
「お前さん……綺麗な顔してヤルことヤーー痛って!」
「何てこと言うんですか!」
子どもの前で!と言おうとしたが子どもではなかったのだと混乱するばかりである。
「まぁこればかりは出会いですからね。お2人共素敵なのですぐ見つかりますよ」
頑張って見つけようと決心するのであった。
しかしこれで子持ちとは凄いなぁと見つめていると、何を思ったのか今度連れてくると言われた。
「いや何か疑われているみたいだったので。それに私の子も多少魔法が使えるのでーー」
「よし、連れてこい!」
隊長が食い気味に返事していた。
よもや子どもにまであれこれやれと無茶振りしないことを祈るばかりである。
「ってか何で入ったら嫌われんだよ。カッコイイとか言われるかもしれねぇだろ」
「そうですねぇ。私もそう言われたくはあるんですけど……」
何を思ったか隊長に向かって手を差し出したかと思えば、先程まで隊長が振り回していた剣を構え心持ちキラキラした目でこちらを見てくる。
「似合います?」
「「…………」」
こりゃ無理だわ。
今まで色んな人間を見てきてはいたが、これほど似合わない人間もいまい。
そもそも剣の大きさと彼の身体の大きさが合っておらずかなり重そうである。
逆に危なく見え味方にまで被害が出そうだ。
どうするんだと隊長を小突けば、あの隊長でさえどうしたものかと視線を彷徨わせている。
「あー、なんだ、お前さんはこう……あれだ、作戦とか考えんのなら向いて……」
「それここに入る意味あります?」
「「………」」
負けを認めた。
ならば時々でいいから見学しにきて意見があれば言って欲しいと頼めば漸く頷いてくれるのであった。
そうしてエニシを見送ると模擬戦の新たな提案書を提出するため隊長と2人相談するのであった。
驚いた。
しかし納得出来てしまい、そう言われれば何故自分たちは今までそうしなかったのだろうと不思議になってくる。
「……そう、ですね。隊長が勝ったからと言って私たちが強くなるわけではないんですよね」
いくは隊長が勝ったと喜ぼうが、結局自分たちの強さは自分たちで示すしかないのだ。
上は結果しか見ない。
以前も言われたにもかかわらず全く考えられていなかった。
「私たちも参加するべきだったんですね」
「模擬戦と言うのであればですね。ただ隊長たちの練習試合とかであるならばそれでいいと思いますけど」
これは自分たちの力を示す場だったのだと今更ながら気がついた。
「今からでも間に合いますかね?」
「宰相に聞いてみるか。ダメならダメで次回から出来るように頼んでみようぜ」
隊長も賛成だと頷いてくれる。
「試合の規模が変わりますからね。難しいかもしれませんがそれならそれでそれだけの意味を見出せばいいんです」
「意味ですか?」
どういうことだろうか?
「剣を作るお金足りないんですよね?ならばその試合で稼げばいいんじゃないですか?」
「どういうこった?」
「私は見たことないので何とも言えませんが貴族でも平民でも呼んでみなさんの勇姿を見てもらうとか。少しでも見物料なり入場料なりもらえれば足しになりませんか?」
「「………」」
この子の頭の中はどうなっているのか。
隊長も驚いたように見つめている。
「娯楽にもなり、自国の戦力を確認することもでき、お金も稼げる。その剣の良さを知ればもしかしたら援助してくれる方も現れるかもしれません」
次々に上げられる可能性に理解が追いつかない。
立ち尽くしていた隊長も気が抜けたようにその場に座り込んだ。
見る側からすれば確かに娯楽にもなり、その強さから安心して日々暮らせるかもしれない。
出る側もその勇姿を大勢に見せられ、戦いの勉強にもなり、隊の資金源になるかもしれないのだ。
戦で戦うだけが全てではない。
「もしかしたら憧れから隊に入りたいという人が現れるかもしれませんよ。私は嫌ですけど」
マジか。
「いや、もう入れよ」
フレックも頷くが断固として断られる。
「子どもに嫌われたくないので嫌です」
「お前ガキいたのかよ!」
「お子さんいたんですか!」
勝手に未婚だとばかり思っていた。
自分より華奢で可愛らしい姿に子どもだとばかり。
「いますよ。4人」
「「っ!?」」
しかも4人!聞いてない!
「1人は血が繋がってませんが。そんなに驚くことですか?お2人だって結婚されてますよね?」
「してねぇ」
「してません」
「………あれ?」
隊長は年齢的にも確かに結婚してないのはマズいが、その性格から難しいのは分かりきっていた。
フレックにしても仕事の忙しさから結婚とは程遠い生活を送っていた。
別に彼が悪いわけではないのだが明らかに仲間だと思っていた上、歳下に先越されたと分かり何とも複雑である。
「お前さん……綺麗な顔してヤルことヤーー痛って!」
「何てこと言うんですか!」
子どもの前で!と言おうとしたが子どもではなかったのだと混乱するばかりである。
「まぁこればかりは出会いですからね。お2人共素敵なのですぐ見つかりますよ」
頑張って見つけようと決心するのであった。
しかしこれで子持ちとは凄いなぁと見つめていると、何を思ったのか今度連れてくると言われた。
「いや何か疑われているみたいだったので。それに私の子も多少魔法が使えるのでーー」
「よし、連れてこい!」
隊長が食い気味に返事していた。
よもや子どもにまであれこれやれと無茶振りしないことを祈るばかりである。
「ってか何で入ったら嫌われんだよ。カッコイイとか言われるかもしれねぇだろ」
「そうですねぇ。私もそう言われたくはあるんですけど……」
何を思ったか隊長に向かって手を差し出したかと思えば、先程まで隊長が振り回していた剣を構え心持ちキラキラした目でこちらを見てくる。
「似合います?」
「「…………」」
こりゃ無理だわ。
今まで色んな人間を見てきてはいたが、これほど似合わない人間もいまい。
そもそも剣の大きさと彼の身体の大きさが合っておらずかなり重そうである。
逆に危なく見え味方にまで被害が出そうだ。
どうするんだと隊長を小突けば、あの隊長でさえどうしたものかと視線を彷徨わせている。
「あー、なんだ、お前さんはこう……あれだ、作戦とか考えんのなら向いて……」
「それここに入る意味あります?」
「「………」」
負けを認めた。
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