240 / 475
すっご
しおりを挟む
のんびりリルと話し合っていれば、ふとこちらへ駆けてくる真の姿が見えた。
小さな身体で両手で大きな魚を抱えており、転ばないかハラハラと見ていれば案の定転び魚が宙を舞った。
空飛ぶ魚だと変に感心していれば、魚は勢いを殺すことなく飛んでいきーーー
ビタン!
見事(?)縁の顔面に直撃し、あまりの勢いに少々首がグネった。
「「「「「……………」」」」」
その瞬間を見ていた全員が固まり無言になる。
まだ息がある魚だけが逃げようと必死にヒレを振っていた。
「……うぇーーーん」
静まり返る中転んだ膝が痛かったのか、はたまた怒られるかと思ったのか大声で泣き出した真に我に返ったジークたちが慌てて助け起こしていた。
繋とリルも突如縁の顔面に張り付いてきた魚に驚き口を開けていたが、慌てて魚を剥がしてくれた。
「マ、ママ?」
「エ、エニシ痛むところはないか?」
まさかのフェンリルに心配され気を使われた。
「…………ぷ、ふ、ふふ、はははははは」
まるで漫画やアニメかのような出来事に笑いが止まらない。
こんなこと本当にあるんだなと腹を抱えて笑えば、つられたようにそれまで心配していた皆も笑い出した。
「ははははっ、魚って、顔に魚って」
「マジなんなの?やめてよね、面白すぎ」
「魚が空飛んだぞ、ふふふ」
「どんだけ命中率いいだよ真」
笑うジークに抱えられながらやってきた真を受け取ると、未だ泣き続ける頭を撫でてやる。
「すごいですね真。魚が飛んでくるとは私も流石に予想外でした」
面白い面白いと笑って大丈夫だと言ってやるが、いたいしてごめんなさいと更に泣いてしまう。
つられたように愛依まで泣いてしまい抱きついてきた。
「大丈夫ですよ。ちょっとお魚さんに驚いただけです。見せにきてくれたんでしょう?」
「し、しんとった、の、お、おさか、なさん、ママにって、だ、だから、しん……」
獲れたことが嬉しくて見せにこようとしてくれたと言われれば怒ることなどできない。
「大きいお魚さんが獲れましたね。これで美味しいご飯が作れますよ。ありがとう真、愛依」
「「うぇーーん」」
落ち着くまで2人の背を撫でてやり、真の怪我した膝は繋が治してあげていた。
双子に代わり張り切って魚を獲っているジークたちに、またやりたそうな顔をしていた双子を任せる。
「其方の家族とやらは本当に面白いな」
「すごいですよね。魚が飛んでくるとは思ってもみませんでした」
結構大きかったなとリルと笑い合っていれば、回収を忘れていた魚を繋が抱えて持ってきてくれた。
「おなべできる?」
「えぇ。真が頑張ってくれたので美味しいのが出来ますよ」
「おみそ!」
やった!と喜ぶ繋から魚を受け取ると鞄にしまっておく。
この調子ならかなりの量を期待出来るだろう。
「さて、では頑張ってくれている皆のご飯を私も用意しましょうかね。繋、手伝ってくれますか?」
「する!」
ある程度準備はしてきたのでそれほど時間はかからない。
握ってきたお握りに繋には味噌を塗ってもらい、縁はスープの準備をする。
と言っても出来ているものを温めるだけなのだが。
「あとは皆が獲ってきてくれた魚を焼いてーー」
「ママ、とってきた!」
両手一杯に貝を抱えて戻ってきたアズとエルにどれだけ凄いのだと驚いた。
「アズライトがさ、水魔法使って砂の中の貝を掘り起こしたんだよ。すごいでしょ」
「アズすごいじゃないですか!今度私にも教えて下さいね」
「うん!」
ならばと獲れたてのものをスープの中にも入れてやり温めていく。
繋が味噌を塗ってくれたお握りも網がないため串に刺して炙っていく。
薫ってくる味噌の香ばしい匂いに繋が目をキラキラさせていた。
「たべる?」
「まだですよ。パパたちが戻ってきたら皆で一緒に食べましょうね」
待ちきれないようだが頑張ってくれているジークたちのためにも待ってあげてほしいとお願いする。
「パパごはーーんっ」
待ちきれずに呼びに行ったようだ。
早く早くと繋にせがまれ沢山の魚を抱えて戻ってきた。
「大漁ですね」
これなら暫くは魚に困ることはないだろう。
魚が焼けるまではお握りとスープを食べていてくれと言った瞬間繋がお握りにかぶり付いていた。
「熱いから気をつけて。ちゃんとふーふーして下さい」
熱かったのだろう、すぐに口を離したお握りを冷ましてやると半分にして渡してやる。
「おいしいですか?」
聞けば頬をパンパンにしながらもコクコクと頷いていた。
ならば良かったと双子やアズたちにも渡してやり、焼けた大きめな魚をリルに差し出してみる。
魔力が餌と言っていたがもしかしたらと思ったのだ。
「食べれそうであればどうぞ」
「………ふむ」
最初は驚いていたリルだが、ジッと魚を見つめたかと思えば何も言わず美味しそうに頬張っていた。
「とても美味しいですね。みんな頑張ってくれてありがとう」
獲ってきてくれたジークたちに礼を言い、皆と一緒に食べるご飯はとても美味しいのだった。
因みにルーとスノーは残念ながらお留守番なのです。
早く帰ってきてと泣いている姿が目に浮かぶ。
小さな身体で両手で大きな魚を抱えており、転ばないかハラハラと見ていれば案の定転び魚が宙を舞った。
空飛ぶ魚だと変に感心していれば、魚は勢いを殺すことなく飛んでいきーーー
ビタン!
見事(?)縁の顔面に直撃し、あまりの勢いに少々首がグネった。
「「「「「……………」」」」」
その瞬間を見ていた全員が固まり無言になる。
まだ息がある魚だけが逃げようと必死にヒレを振っていた。
「……うぇーーーん」
静まり返る中転んだ膝が痛かったのか、はたまた怒られるかと思ったのか大声で泣き出した真に我に返ったジークたちが慌てて助け起こしていた。
繋とリルも突如縁の顔面に張り付いてきた魚に驚き口を開けていたが、慌てて魚を剥がしてくれた。
「マ、ママ?」
「エ、エニシ痛むところはないか?」
まさかのフェンリルに心配され気を使われた。
「…………ぷ、ふ、ふふ、はははははは」
まるで漫画やアニメかのような出来事に笑いが止まらない。
こんなこと本当にあるんだなと腹を抱えて笑えば、つられたようにそれまで心配していた皆も笑い出した。
「ははははっ、魚って、顔に魚って」
「マジなんなの?やめてよね、面白すぎ」
「魚が空飛んだぞ、ふふふ」
「どんだけ命中率いいだよ真」
笑うジークに抱えられながらやってきた真を受け取ると、未だ泣き続ける頭を撫でてやる。
「すごいですね真。魚が飛んでくるとは私も流石に予想外でした」
面白い面白いと笑って大丈夫だと言ってやるが、いたいしてごめんなさいと更に泣いてしまう。
つられたように愛依まで泣いてしまい抱きついてきた。
「大丈夫ですよ。ちょっとお魚さんに驚いただけです。見せにきてくれたんでしょう?」
「し、しんとった、の、お、おさか、なさん、ママにって、だ、だから、しん……」
獲れたことが嬉しくて見せにこようとしてくれたと言われれば怒ることなどできない。
「大きいお魚さんが獲れましたね。これで美味しいご飯が作れますよ。ありがとう真、愛依」
「「うぇーーん」」
落ち着くまで2人の背を撫でてやり、真の怪我した膝は繋が治してあげていた。
双子に代わり張り切って魚を獲っているジークたちに、またやりたそうな顔をしていた双子を任せる。
「其方の家族とやらは本当に面白いな」
「すごいですよね。魚が飛んでくるとは思ってもみませんでした」
結構大きかったなとリルと笑い合っていれば、回収を忘れていた魚を繋が抱えて持ってきてくれた。
「おなべできる?」
「えぇ。真が頑張ってくれたので美味しいのが出来ますよ」
「おみそ!」
やった!と喜ぶ繋から魚を受け取ると鞄にしまっておく。
この調子ならかなりの量を期待出来るだろう。
「さて、では頑張ってくれている皆のご飯を私も用意しましょうかね。繋、手伝ってくれますか?」
「する!」
ある程度準備はしてきたのでそれほど時間はかからない。
握ってきたお握りに繋には味噌を塗ってもらい、縁はスープの準備をする。
と言っても出来ているものを温めるだけなのだが。
「あとは皆が獲ってきてくれた魚を焼いてーー」
「ママ、とってきた!」
両手一杯に貝を抱えて戻ってきたアズとエルにどれだけ凄いのだと驚いた。
「アズライトがさ、水魔法使って砂の中の貝を掘り起こしたんだよ。すごいでしょ」
「アズすごいじゃないですか!今度私にも教えて下さいね」
「うん!」
ならばと獲れたてのものをスープの中にも入れてやり温めていく。
繋が味噌を塗ってくれたお握りも網がないため串に刺して炙っていく。
薫ってくる味噌の香ばしい匂いに繋が目をキラキラさせていた。
「たべる?」
「まだですよ。パパたちが戻ってきたら皆で一緒に食べましょうね」
待ちきれないようだが頑張ってくれているジークたちのためにも待ってあげてほしいとお願いする。
「パパごはーーんっ」
待ちきれずに呼びに行ったようだ。
早く早くと繋にせがまれ沢山の魚を抱えて戻ってきた。
「大漁ですね」
これなら暫くは魚に困ることはないだろう。
魚が焼けるまではお握りとスープを食べていてくれと言った瞬間繋がお握りにかぶり付いていた。
「熱いから気をつけて。ちゃんとふーふーして下さい」
熱かったのだろう、すぐに口を離したお握りを冷ましてやると半分にして渡してやる。
「おいしいですか?」
聞けば頬をパンパンにしながらもコクコクと頷いていた。
ならば良かったと双子やアズたちにも渡してやり、焼けた大きめな魚をリルに差し出してみる。
魔力が餌と言っていたがもしかしたらと思ったのだ。
「食べれそうであればどうぞ」
「………ふむ」
最初は驚いていたリルだが、ジッと魚を見つめたかと思えば何も言わず美味しそうに頬張っていた。
「とても美味しいですね。みんな頑張ってくれてありがとう」
獲ってきてくれたジークたちに礼を言い、皆と一緒に食べるご飯はとても美味しいのだった。
因みにルーとスノーは残念ながらお留守番なのです。
早く帰ってきてと泣いている姿が目に浮かぶ。
42
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる