二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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 1、鍋を用意
 2、材料を投入
 3、火にかけ暫く放置

 「ーーーです」

 「「「「「それだけ?」」」」」

 簡単に言えばそれだけ。
 手間をかければもっと色々出来るのだろうが、縁にはそこまでの技術も知識もない。
 なので簡単なものを集まった奥様方に教えた。
 お料理教室みたいになっているが縁が自分から開いたわけではなく、魚をとって帰ってきた日に何かきっと美味しいものを作るに違いない是非教えてくれと毎日の献立に悩む奥様方に囲まれたからだ。
 そんな大層なものではないと言ったが、それでもいいと言うのでならば夕食を作るついでにと一緒に作ることにしたのだ。

 「そこまで細かく決まっているわけではありません。味付けも入れる具材も煮込む時間もみなさんの好みにしてもらって構いません」

 あとは火にかける状態まで作ると奥様方はそのまま鍋を抱えて帰っていくのだった。

 「「ママ」」

 「あれ?どうしたました?パパたちとお風呂入らなかったんですか?」

 散々海で遊んだためパサつく髪や身体にジークたちと風呂に入るよう言ったのだが、何故か双子がここにいる。

 「「ママいっしょ」」

 「エニシが一緒じゃないといやなんだって」

 濡れた頭を拭きながらやってきたエルがそう言えば、一緒がいいと2人が足に抱きついてくる。

 「パパじゃダメでしたか?」

 「たぶんアレンがイヤだったんじゃない?前に一緒に入った時顔に水かけられて泣いてたから」

 ああ……
 そういえばそんなことあったなぁ。 
 わざとではないと思うが、目が痛いとかなりの間泣いていたのを思い出した。
 あれからジークと入るようになったため忘れていた。

 「ならママと入りましょう」

 「「はいる!」」

 足に張り付く2人をくっつけたまま何とか風呂場に向かうと身体を洗ってやり、ゆったりと風呂につかる。
 縁は海に入っていなかったのだが、洗ってみればやはり髪がベタベタとしていた。

 「私たちが最後なので面白いことしてみましょうか」

 「「?」」

 湯船につかったまま石鹸を泡立てていく。
 思ったより泡立たなかったが、普段とはちがう風呂に2人は楽しそうだった。
 モコモコした泡を頭に乗せたり、尻尾や耳を泡で覆ったり縁も年甲斐なくはしゃいでしまった。

 「楽しいですか?」

 「「うん!」」

 「なら今度またしましょうね」

 のぼせる前に上がると2人を着替えさせる。
 ご機嫌なため着替えも自分ですると頑張っていた。
 
 「よく出来ました。じゃあご飯食べましょうね」

 「「はーい」」

 みんなを呼んできてくれるよう頼むと出来上がった鍋を持ち部屋に運ぶ。
 途中セインが手伝ってくれたため楽だった。

 「こちらが愛依が食べたがっていたお肉入りで、こちらが真が食べたがったお魚さん入りです。味は同じなので好きな方をとって食べて下さいね」

 取り皿を配りながら双子にはそれぞれ冷ましたものを渡した。
 ふーふーと冷ましながらも凄い勢いで食べていくみんなに足りなかったかなと思い、最後に念のため用意しておいたご飯も投入すれば残すことなく全て綺麗に完食してくれた。

 「美味かった!」

 「野菜も味が染み込んでて美味かった」

 「最後の飯もいいな」

 「「おいしかったー」」

 どうやら満足してもらえたようで何より。
 繋は……名残り惜しそうに最後の一口を食べていた。

 「またみんなで食べましょうね」

 「あした?」

 明日は早過ぎる。
 
 「また今度、ね。じーじとばーばにも教えてあげないと。繋の好きなものを知りたいって言ってましたから」

 それまでは我慢してほしいと言えば、なら仕方ないとばかりに頷くのであった。
 本当によく懐いたなぁ。
 
 「リルはどうしでした?」

 「初めて食したが中々美味かった」

 それは良かった。
 後片付けを済ませると目蓋が落ちそうになっている双子を抱える。
 よく遊び、よく食べ、よく寝る。
 元気に育ってくれて何より。

 「繋とアズもおいで」

 眠そうに目を擦る繋はアズが手を繋いでつれて来てくれた。
 少し前まで縁に甘え抱っこされていたアズが、最近はお兄ちゃんらしく妹たちの面倒をよく見てくれる。
 子の成長とは早いものだなと感慨深い。

 「ありがとうアズ」

 3人をベッドにそっと寝かせてやると、アズをギュッと抱きしめてやる。

 「おにいちゃんだもん」

 「そうですね。頼りになるお兄ちゃんを持って繋たちも幸せです。アズがいてくれてよかった。ありがとう、私の子になってくれてありがとうアズ」

 こうして日々成長していく姿を見られるのは嬉しい反面寂しくもある。
 いつかこの手を離れていくのかと実感する。

 「アズもママがいてうれしい」

 その日も幸せを噛みしめながら目を閉じるのであった。

 

 
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