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どうぞ
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「これどうぞ」
差し出されたものを反射的に受け取ったが、何か分からず首を傾げる。
「これは?」
「肉と魚です。たくさんもらってしまったので。今回手に入った醤油で漬けてあるのでよかったら隊長さんにでもお土産にどうぞ。焼いて食べるだけでも美味しいですよ」
「………ありがとうございます」
にこにこと差し出された瓶をよく見てみれば、確かに黒く色付く液体の中には途中手に入れた肉たちが浮かんでいた。
まさか隊長にまでお土産を渡されるとは思っておらず驚いたが、エニシの気遣いに有り難く受け取っておく。
「あとお握りと酢漬けにした野菜も、あとは……」
「え?いや、そんなもらうわけにはーー」
次々と渡されるが依頼をした自分たちがそんなに受け取るわけにはいかないと慌てて止める。
「上手く出来ているか分かりませんが食べてもらえたら嬉しいです。また誘って下さいね」
まるで遊びに行ってきたかのような言葉だが、もう行きたくないと泣かれるより全然嬉しい。
頻繁にあるものではないが、実際フレックも楽しかったと思っていたため次回の訓練が早くも楽しみになってきた。
「是非またお願いします。これらも隊長には勿体無いですがきちんと渡しておきます」
「フレックさんも一緒に食べて今度味の感想を教えてくれたら嬉しいです」
この子の気遣いには頭が上がらない。
必ず教えると約束するとたくさんのお土産を抱え城に戻るのであった。
「おっせぇよ!ってか訓練帰りのくせして何でそんな機嫌いいんだよ」
やっと帰ってきた部下に対する言葉ではなかったが、実際機嫌は良かったので否定はしない。
「とても充実した訓練でした。エニシさんに頼んで良かったです」
「お前……俺は宰相に毎日のようにドヤされてたってのに」
恨みがましく睨んでくるが、彼の場合自業自得なので気にしないことにする。
「そんな貴方にエニシさんがお土産を持たせてくれましたよ。ーー勿論、仕事を終えた後にお渡しするので頑張って下さいね」
「お前は鬼だな」
ふふふ、なんとも面白いことを言う。
もう自分だけで食べてしまおうかと考えていれば、まるでその考えを読んだかのようにぶつくさ文句を言いながらも仕事を始めた隊長にフレックも手伝おうと手を動かすのであった。
「うまっ!なんだこれ!?」
「美味しいですねぇ。流石エニシさんです」
その晩、仕事を終え宿舎に戻るとエニシからのお土産を肴に酒盛りをしていた。
「この魚うめぇな。これがショウユってやつか?」
普段肉ばかり食す隊長に、これならばと魚を与えてみればかなり気に入ったようでもりもり食べている。
肉も焼けと言われたが、明日の楽しみにしておきなさいと言えば大人しく引き下がっていた。
「私も話しを聞くまで知りませんでしたけど味が染みてて本当に美味しいですね。エニシさんがあれほど欲しがっていた理由がよく分かります。肉にも魚にも野菜にも合うなんて素晴らしい」
これは一緒に連れていって正解だったと心から思う。
途中途中の食事もとても美味しく、それほど難しい作業でもなかったため勉強にもなった。
いつもなら疲れて帰ってくる訓練を疲れなくこれほど楽しめたのは初めてだろう。
「こんなことなら俺が行けばよかったぜ」
「隊長がいなくなるのは問題でしょう?次回も私が行きますのでどうぞお気遣いなく」
これほど美味しい訓練譲ってなるものか。
「お前は日に日に性格が歪んでいくな」
酷い言いようだ。
これほど上司を気遣える部下を持って感謝してほしいぐらいなのに。
こうして一緒に飲み食いしながら愚痴を言い合えるのもいつぶりか。
まだ下っ端時代だった頃は毎日のようにそうしていたが、お互い隊長副隊長となってからはそれも難しくなっていった。
書類仕事もそうだが、会議に隊員の訓練、世話などやることが多すぎて疲れて帰ることが殆どだったのだ。
だがエニシと出会いお互い協力し合うことを学び、少しずつだが隊員たちも変わってきた。
全ての負担がなくなったわけではないが、こうして飲み合うことも出来、美味しい食事もとることが出来る。
「エニシさんを連れてきてくれた王子には感謝しなければいけませんね。あれほどの人がよくこの国に来てくれたものです」
エニシの才能を知れば他国もきっと放ってはおかないだろう。
魔剣の作成、実力を知らしめる軍事練習など誰も思いつかなかった。
「ほんとにな。今は王子の教育係になってるみたいだが勿体ねぇな」
どうせならもっと身近に置いておきたいというのが本音だろう。
それはフレックも賛成だが。
「あのいけ好かないクソガキだった王子をあそこまで変えてくれましたからね」
「お前は……あいつが聞いてたら怒られんぞ」
エニシの前では気をつけているので問題はない。
あの子にこんな汚い言葉聞かせられないという無意識の行動でもあったが。
「隊長はもう手遅れでしょうね。せいぜい嫌われないように頑張って下さい」
「ほんと性格悪いなお前!」
余計なお世話ですね!!
エニシにバレなければ問題ないと開き直るフレックであった。
差し出されたものを反射的に受け取ったが、何か分からず首を傾げる。
「これは?」
「肉と魚です。たくさんもらってしまったので。今回手に入った醤油で漬けてあるのでよかったら隊長さんにでもお土産にどうぞ。焼いて食べるだけでも美味しいですよ」
「………ありがとうございます」
にこにこと差し出された瓶をよく見てみれば、確かに黒く色付く液体の中には途中手に入れた肉たちが浮かんでいた。
まさか隊長にまでお土産を渡されるとは思っておらず驚いたが、エニシの気遣いに有り難く受け取っておく。
「あとお握りと酢漬けにした野菜も、あとは……」
「え?いや、そんなもらうわけにはーー」
次々と渡されるが依頼をした自分たちがそんなに受け取るわけにはいかないと慌てて止める。
「上手く出来ているか分かりませんが食べてもらえたら嬉しいです。また誘って下さいね」
まるで遊びに行ってきたかのような言葉だが、もう行きたくないと泣かれるより全然嬉しい。
頻繁にあるものではないが、実際フレックも楽しかったと思っていたため次回の訓練が早くも楽しみになってきた。
「是非またお願いします。これらも隊長には勿体無いですがきちんと渡しておきます」
「フレックさんも一緒に食べて今度味の感想を教えてくれたら嬉しいです」
この子の気遣いには頭が上がらない。
必ず教えると約束するとたくさんのお土産を抱え城に戻るのであった。
「おっせぇよ!ってか訓練帰りのくせして何でそんな機嫌いいんだよ」
やっと帰ってきた部下に対する言葉ではなかったが、実際機嫌は良かったので否定はしない。
「とても充実した訓練でした。エニシさんに頼んで良かったです」
「お前……俺は宰相に毎日のようにドヤされてたってのに」
恨みがましく睨んでくるが、彼の場合自業自得なので気にしないことにする。
「そんな貴方にエニシさんがお土産を持たせてくれましたよ。ーー勿論、仕事を終えた後にお渡しするので頑張って下さいね」
「お前は鬼だな」
ふふふ、なんとも面白いことを言う。
もう自分だけで食べてしまおうかと考えていれば、まるでその考えを読んだかのようにぶつくさ文句を言いながらも仕事を始めた隊長にフレックも手伝おうと手を動かすのであった。
「うまっ!なんだこれ!?」
「美味しいですねぇ。流石エニシさんです」
その晩、仕事を終え宿舎に戻るとエニシからのお土産を肴に酒盛りをしていた。
「この魚うめぇな。これがショウユってやつか?」
普段肉ばかり食す隊長に、これならばと魚を与えてみればかなり気に入ったようでもりもり食べている。
肉も焼けと言われたが、明日の楽しみにしておきなさいと言えば大人しく引き下がっていた。
「私も話しを聞くまで知りませんでしたけど味が染みてて本当に美味しいですね。エニシさんがあれほど欲しがっていた理由がよく分かります。肉にも魚にも野菜にも合うなんて素晴らしい」
これは一緒に連れていって正解だったと心から思う。
途中途中の食事もとても美味しく、それほど難しい作業でもなかったため勉強にもなった。
いつもなら疲れて帰ってくる訓練を疲れなくこれほど楽しめたのは初めてだろう。
「こんなことなら俺が行けばよかったぜ」
「隊長がいなくなるのは問題でしょう?次回も私が行きますのでどうぞお気遣いなく」
これほど美味しい訓練譲ってなるものか。
「お前は日に日に性格が歪んでいくな」
酷い言いようだ。
これほど上司を気遣える部下を持って感謝してほしいぐらいなのに。
こうして一緒に飲み食いしながら愚痴を言い合えるのもいつぶりか。
まだ下っ端時代だった頃は毎日のようにそうしていたが、お互い隊長副隊長となってからはそれも難しくなっていった。
書類仕事もそうだが、会議に隊員の訓練、世話などやることが多すぎて疲れて帰ることが殆どだったのだ。
だがエニシと出会いお互い協力し合うことを学び、少しずつだが隊員たちも変わってきた。
全ての負担がなくなったわけではないが、こうして飲み合うことも出来、美味しい食事もとることが出来る。
「エニシさんを連れてきてくれた王子には感謝しなければいけませんね。あれほどの人がよくこの国に来てくれたものです」
エニシの才能を知れば他国もきっと放ってはおかないだろう。
魔剣の作成、実力を知らしめる軍事練習など誰も思いつかなかった。
「ほんとにな。今は王子の教育係になってるみたいだが勿体ねぇな」
どうせならもっと身近に置いておきたいというのが本音だろう。
それはフレックも賛成だが。
「あのいけ好かないクソガキだった王子をあそこまで変えてくれましたからね」
「お前は……あいつが聞いてたら怒られんぞ」
エニシの前では気をつけているので問題はない。
あの子にこんな汚い言葉聞かせられないという無意識の行動でもあったが。
「隊長はもう手遅れでしょうね。せいぜい嫌われないように頑張って下さい」
「ほんと性格悪いなお前!」
余計なお世話ですね!!
エニシにバレなければ問題ないと開き直るフレックであった。
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