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ただいま
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連絡をとり迎えにきてくれたのは約束していたルーではなく、兄であるロンだった。
「ルーはどうしたんですか?」
「あいつは……寝込んでる」
「「…………は?」」
エルと2人意味が分からず固まっていれば、戻れば分かると背に乗せられ家に帰るのだった。
「「「「ママっ!」」」」
「「「縁っ!」」」
熱い抱擁で出迎えられ嬉しさと苦しさに気絶しそうになったが、帰ってきたんだなと実感できた。
「ただいま。みんないい子で待ってられましたね」
泣きながらも抱きついてくる子どもたちを撫で抱っこしながら部屋に入る。
「こいつら縁が出ていってから1時間も経たないうちに泣き始めてな」
「ずっと泣きに泣いて夜気絶するように眠ってた」
お疲れ顔のジークやセインに申し訳なかったが、そこまで悲しんでくれるのが嬉しかった。
「みんなにお土産もらってきましたよ。一緒に食べましょうね」
「「「「たべる!」」」」
くっついて離れない子どもたちに笑いかけていれば、ふとそわそわとこちらを見ているロンに気がついた。
「ルーは部屋ですか?」
「あ、ああ。悪いが見に行ってやってくれるか?」
ロンも弟が心配なようで、子どもたちを全身に貼り付けながらもルーの部屋へ向かう。
途中、流石に重さに耐えかね手を繋ぐことで我慢してもらったが。
「ルー?入ります、よーーっ!」
ノックし症状を確認しようとしたが、突如開いた戸から出てきた手に腕をとられ中に引き摺り込まれた。
残された子どもたちがドンドンと戸を叩いていたが、大丈夫だからとやめさせると事情を知っているだろうロンを呼んでくるようお願いする。
「エニシ、エニシ、エニシ、エニシっ」
痛いくらい抱きしめられ痛みに顔を歪める。
「ルー?どうしました?すいませんが痛いので離しーー」
「やだっ!やだやだやだやだやだっ!」
どうしてこうなっているか分からないが、いつもと様子がおかしいのを感じ無理に引き剥がすのはよくないと思った。
「分かりました。でもそのままでは痛いので力を緩めてくーー」
「やだやだやだ!エニシはオレのなの!オレ、オレの番で…オレのなんだから………」
寂しくて駄々を捏ねているといった感じでもない。
どこか切羽詰まったような様子に、優しく語りかける。
「離れません。離れないから力を緩めて?このままじゃルーを抱きしめてあげることが出来ない。私もルーを抱きしめたいんです」
「………」
お願いだからと言えば、漸く力が抜け縁からもルーを抱きしめ返す。
側にいるからと優しく背を撫でてやり落ち着くのを待つ。
「…………あー、無事か?」
子どもたちが呼んできてくれたのだろう。
廊下から聞こえてきたロンの声に一瞬腕に力がこもったが痛くはなかった。
「何がありました?」
「何があったというか……これは竜族には時々あることなんだ。大人になるための過程というか、つまり成長しようとしているんだ。そのせいで不安定になっている」
ドラゴンは長寿だが、成人したと見なされるまで何度かこのように身体も心も不安定になる時期があるらしい。
普通であれば両親が側で見守り、時には暴れ回るのを抑え込むらしいのだがルーたちにはそれがない。
「俺も頑張ってはみたんだが無理だった。こいつはもうお前という番がいるからだ。お前じゃないと抑え込めない」
よく見ればかなり暴れたのだろう、部屋中物が散乱しておりその辛さを物語っている。
呼吸も荒く、耐えるように歯を食いしばるギリギリという音も聞こえる。
「俺はもう済んでいるが、そいつは初めてだ。どれだけ辛いことかも分かっているが、代わってはやれない。それに耐えられなければ大人にはなれないんだ」
時には耐えられず命を落とす者も、精神が病んでしまう者もいるらしい。
何より必要なのはそれに耐えうるだけの愛情と絆。
大切なその人ため、自分のため耐える。
ルーにはもう両親がいないが幸運なことに縁がいた。番である縁が。
側にいてやってくれと頼むロンに頷くと、何かあればすぐ呼ぶと約束する。
「ルー?ルーごめんね。代わってあげられなくてごめんなさい。辛い中側にいてあげられなくてごめんなさい」
縁が暢気にダンジョンに潜っていた時も、ルーはこうして辛い思いをしていたのかと申し訳なくなる。
「エニシ、エニシ、エニシ……」
「側にいますから。ずっと側にいますから。だから……だから頑張って」
苦しいというならばいくらでも縁にあたってくれていい。
痛いというならばいくらでも縁を傷付けてくれてもいいからどうか死なないでくれと祈る。
「約束しましたよね。また背中に乗せてくれるって、一緒に出かけようって言ってたじゃないですか。一緒に頑張っていこうって約束したでしょう?」
だから大丈夫。離れない。側にいると繰り返し伝える。
「私は貴方の番です。ずっと側にいますから」
だから頑張ってとただ祈るように繰り返すのだった。
「ルーはどうしたんですか?」
「あいつは……寝込んでる」
「「…………は?」」
エルと2人意味が分からず固まっていれば、戻れば分かると背に乗せられ家に帰るのだった。
「「「「ママっ!」」」」
「「「縁っ!」」」
熱い抱擁で出迎えられ嬉しさと苦しさに気絶しそうになったが、帰ってきたんだなと実感できた。
「ただいま。みんないい子で待ってられましたね」
泣きながらも抱きついてくる子どもたちを撫で抱っこしながら部屋に入る。
「こいつら縁が出ていってから1時間も経たないうちに泣き始めてな」
「ずっと泣きに泣いて夜気絶するように眠ってた」
お疲れ顔のジークやセインに申し訳なかったが、そこまで悲しんでくれるのが嬉しかった。
「みんなにお土産もらってきましたよ。一緒に食べましょうね」
「「「「たべる!」」」」
くっついて離れない子どもたちに笑いかけていれば、ふとそわそわとこちらを見ているロンに気がついた。
「ルーは部屋ですか?」
「あ、ああ。悪いが見に行ってやってくれるか?」
ロンも弟が心配なようで、子どもたちを全身に貼り付けながらもルーの部屋へ向かう。
途中、流石に重さに耐えかね手を繋ぐことで我慢してもらったが。
「ルー?入ります、よーーっ!」
ノックし症状を確認しようとしたが、突如開いた戸から出てきた手に腕をとられ中に引き摺り込まれた。
残された子どもたちがドンドンと戸を叩いていたが、大丈夫だからとやめさせると事情を知っているだろうロンを呼んでくるようお願いする。
「エニシ、エニシ、エニシ、エニシっ」
痛いくらい抱きしめられ痛みに顔を歪める。
「ルー?どうしました?すいませんが痛いので離しーー」
「やだっ!やだやだやだやだやだっ!」
どうしてこうなっているか分からないが、いつもと様子がおかしいのを感じ無理に引き剥がすのはよくないと思った。
「分かりました。でもそのままでは痛いので力を緩めてくーー」
「やだやだやだ!エニシはオレのなの!オレ、オレの番で…オレのなんだから………」
寂しくて駄々を捏ねているといった感じでもない。
どこか切羽詰まったような様子に、優しく語りかける。
「離れません。離れないから力を緩めて?このままじゃルーを抱きしめてあげることが出来ない。私もルーを抱きしめたいんです」
「………」
お願いだからと言えば、漸く力が抜け縁からもルーを抱きしめ返す。
側にいるからと優しく背を撫でてやり落ち着くのを待つ。
「…………あー、無事か?」
子どもたちが呼んできてくれたのだろう。
廊下から聞こえてきたロンの声に一瞬腕に力がこもったが痛くはなかった。
「何がありました?」
「何があったというか……これは竜族には時々あることなんだ。大人になるための過程というか、つまり成長しようとしているんだ。そのせいで不安定になっている」
ドラゴンは長寿だが、成人したと見なされるまで何度かこのように身体も心も不安定になる時期があるらしい。
普通であれば両親が側で見守り、時には暴れ回るのを抑え込むらしいのだがルーたちにはそれがない。
「俺も頑張ってはみたんだが無理だった。こいつはもうお前という番がいるからだ。お前じゃないと抑え込めない」
よく見ればかなり暴れたのだろう、部屋中物が散乱しておりその辛さを物語っている。
呼吸も荒く、耐えるように歯を食いしばるギリギリという音も聞こえる。
「俺はもう済んでいるが、そいつは初めてだ。どれだけ辛いことかも分かっているが、代わってはやれない。それに耐えられなければ大人にはなれないんだ」
時には耐えられず命を落とす者も、精神が病んでしまう者もいるらしい。
何より必要なのはそれに耐えうるだけの愛情と絆。
大切なその人ため、自分のため耐える。
ルーにはもう両親がいないが幸運なことに縁がいた。番である縁が。
側にいてやってくれと頼むロンに頷くと、何かあればすぐ呼ぶと約束する。
「ルー?ルーごめんね。代わってあげられなくてごめんなさい。辛い中側にいてあげられなくてごめんなさい」
縁が暢気にダンジョンに潜っていた時も、ルーはこうして辛い思いをしていたのかと申し訳なくなる。
「エニシ、エニシ、エニシ……」
「側にいますから。ずっと側にいますから。だから……だから頑張って」
苦しいというならばいくらでも縁にあたってくれていい。
痛いというならばいくらでも縁を傷付けてくれてもいいからどうか死なないでくれと祈る。
「約束しましたよね。また背中に乗せてくれるって、一緒に出かけようって言ってたじゃないですか。一緒に頑張っていこうって約束したでしょう?」
だから大丈夫。離れない。側にいると繰り返し伝える。
「私は貴方の番です。ずっと側にいますから」
だから頑張ってとただ祈るように繰り返すのだった。
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