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ずっと一緒に
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腕の中で力尽きたように眠る縁の姿に愛しさが募る。
泣いたせいで赤く腫れた目蓋も自分のためにだと思えばセインたちには悪いが、嬉しくて堪らず可愛く見えてしまう。
縁が自分の前で泣いたのはいつぶりだろうか?
大抵のことは笑って流せる縁は、当たり前だが人前で泣くことは殆どない。
まぁ、あの時は別だけど。
気持ちいい、気持ち良すぎてこわいと泣く縁に腰が止まらず気絶するまで求めてしまうのはオスとして正常なことだと思う。
「不安になることなんてないのにな」
ごめんなさいと泣いて謝り続ける縁に大丈夫だとずっと言い聞かせた。
落胆がなかったわけではない。
だがそれはあくまで可能性であると聞き、出来ることは何でもするからと言われて頑張ろうと思った。
何より縁に一緒にいて欲しいと希う声を聞き離すものかと改めて決心した。
「ルーの子が出来たかもしれません」
そう言われたのは今から数時間前。
一瞬頭が真っ白になり、良かったなと言ってやらなければと思いつつもその一言が言えなかった。
何でルーなんだ?何で俺じゃないんだ?何で何で何でと頭を駆け巡る。
次こそは自分だろうと期待していたのにその希望も呆気なく砕かれた。
「本当に出来ているかはまだ分かりません。けど可能性は高いかと………アレン?」
「ああ。そうか………そうか」
誰が悪いというわけではない。
わけではないが自分だけ置いていかれたような、他の番たちが恨めしいような複雑な気持ちだった。
「…………失望、しましたか?私に」
「あ?」
今にも泣きそうな縁に声に我に返った。
「確かに初めは産めなくても構わないと言ってくれましたけど真と愛依が出来て、なら次は自分の番だとアレンも思ったでしょう?それが叶わなくて……叶えてあげられなくて私に失望しましたよね?」
何かを恐れるように両手を握りしめる縁に、彼も悲しんでくれているのだ分かり嬉しかった。
失望はした。それは嘘じゃない。
けどそれはーー
「子が出来なかったことにな。縁にじゃない」
彼は頑張ってくれている。
男の身で自分たち番のために辛い思いを何度もしながらも子どもたちを産んでくれた。
確かに繋たちはアレンの子ではないが、アーパパと縁似の顔で呼んでくれる彼らが可愛くて仕方ない。
「それにこれは欲しいって言って出来るもんでもないだろ?それで出来るなら誰も困んねぇよ」
その時の体調やタイミングもあるはずだ。
「それにもう絶対出来ないって決まったわけでもないだろ?ルーの後でもいいんだ。時間がかかってもいいから俺の子も産んでくれ。な?」
これからずっと、それこそ死ぬまで一緒にいるのだからその中で一人でも自分の子を産んでくれればそれでいい。
「……セインが…」
「ん?」
「………セインが言っていたんです。もしかしたらアレンには私以外の番が…運命の番がいるんじゃないかって」
あいつは……余計なことを言ってくれたものだ。
「で?そうだとして何?今からでも探しに行けって?」
行くわけないだろと呆れつつ縁を見れば肩を震わせながら俯いている。
「アレンがそれを望むなら」
「………」
まさか頷かれるとは思っておらず、子が出来ないかもと言われた時よりショックだった。
これだけ愛してもまだ縁に伝わっていなかったのかと悲しんでいれば、ふと顔を上げた縁にごめんなさいと謝られた。
「何が?」
「アレンの、幸せ……の、ためって…………分かってるんです。アレンのためにも、我慢しなくちゃって。でもーー」
流れ落ちる涙に先程の言葉が彼の本心ではないとすぐに分かった。
ごめんなさいごめんなさいと謝りつつ伸ばされた手を握りしめてやる。
「ーーいかないで。そばにいて」
その言葉が縁の本当の言葉なのだろう。
優しい縁のことだ。アレンのためにと自分は身を引かなければと思ったのだろうが、アレンからすればそんな気遣い無用だ。
今更縁以外の人間に惹かれることなど有り得ない。
たとえそれが運命の番だろうが、今の自分にとって縁が番あり最初で最後の運命の人なのだ。
「ごめんなさい。アレンの幸せを願ってあげられなくてごめんなさい」
「ちがう。縁それはちがう。縁のそばが俺の幸せなんだ」
これは縁の我儘でも何でもない。
アレン自身が望み縁の側に、番になった。
それでも涙を流し続け謝る縁に大丈夫だと言い抱きしめてやる。
余計なことを言ってくれたセインは後で絶対に殴ってやる。
「アレンがいい。アレンがいいんです。行かないで」
「俺もだ。俺も縁がいいんだ。行かない、絶対に縁をおいて行かないから泣きやんでくれ」
まるで子どものように泣きながら行かないでと言う縁に困りつつもそこまで求めてもらえるのが嬉しい。
「頑張るから。アレンの子産むから」
「分かった、分かったから。子どもがいるかもしれないんだろ?腹に響くと悪いからもう泣きやんでくれ」
流石にこれ以上泣き続ければ腹の子にも悪い。
イヤイヤと首を振るのを膝に抱き抱え、繋たちにするように優しく背を撫でてやる。
いつもと立場が逆転していたが、偶には甘える縁を見れるのもいいかと落ち着くまで撫で続けてやるのだった。
泣いたせいで赤く腫れた目蓋も自分のためにだと思えばセインたちには悪いが、嬉しくて堪らず可愛く見えてしまう。
縁が自分の前で泣いたのはいつぶりだろうか?
大抵のことは笑って流せる縁は、当たり前だが人前で泣くことは殆どない。
まぁ、あの時は別だけど。
気持ちいい、気持ち良すぎてこわいと泣く縁に腰が止まらず気絶するまで求めてしまうのはオスとして正常なことだと思う。
「不安になることなんてないのにな」
ごめんなさいと泣いて謝り続ける縁に大丈夫だとずっと言い聞かせた。
落胆がなかったわけではない。
だがそれはあくまで可能性であると聞き、出来ることは何でもするからと言われて頑張ろうと思った。
何より縁に一緒にいて欲しいと希う声を聞き離すものかと改めて決心した。
「ルーの子が出来たかもしれません」
そう言われたのは今から数時間前。
一瞬頭が真っ白になり、良かったなと言ってやらなければと思いつつもその一言が言えなかった。
何でルーなんだ?何で俺じゃないんだ?何で何で何でと頭を駆け巡る。
次こそは自分だろうと期待していたのにその希望も呆気なく砕かれた。
「本当に出来ているかはまだ分かりません。けど可能性は高いかと………アレン?」
「ああ。そうか………そうか」
誰が悪いというわけではない。
わけではないが自分だけ置いていかれたような、他の番たちが恨めしいような複雑な気持ちだった。
「…………失望、しましたか?私に」
「あ?」
今にも泣きそうな縁に声に我に返った。
「確かに初めは産めなくても構わないと言ってくれましたけど真と愛依が出来て、なら次は自分の番だとアレンも思ったでしょう?それが叶わなくて……叶えてあげられなくて私に失望しましたよね?」
何かを恐れるように両手を握りしめる縁に、彼も悲しんでくれているのだ分かり嬉しかった。
失望はした。それは嘘じゃない。
けどそれはーー
「子が出来なかったことにな。縁にじゃない」
彼は頑張ってくれている。
男の身で自分たち番のために辛い思いを何度もしながらも子どもたちを産んでくれた。
確かに繋たちはアレンの子ではないが、アーパパと縁似の顔で呼んでくれる彼らが可愛くて仕方ない。
「それにこれは欲しいって言って出来るもんでもないだろ?それで出来るなら誰も困んねぇよ」
その時の体調やタイミングもあるはずだ。
「それにもう絶対出来ないって決まったわけでもないだろ?ルーの後でもいいんだ。時間がかかってもいいから俺の子も産んでくれ。な?」
これからずっと、それこそ死ぬまで一緒にいるのだからその中で一人でも自分の子を産んでくれればそれでいい。
「……セインが…」
「ん?」
「………セインが言っていたんです。もしかしたらアレンには私以外の番が…運命の番がいるんじゃないかって」
あいつは……余計なことを言ってくれたものだ。
「で?そうだとして何?今からでも探しに行けって?」
行くわけないだろと呆れつつ縁を見れば肩を震わせながら俯いている。
「アレンがそれを望むなら」
「………」
まさか頷かれるとは思っておらず、子が出来ないかもと言われた時よりショックだった。
これだけ愛してもまだ縁に伝わっていなかったのかと悲しんでいれば、ふと顔を上げた縁にごめんなさいと謝られた。
「何が?」
「アレンの、幸せ……の、ためって…………分かってるんです。アレンのためにも、我慢しなくちゃって。でもーー」
流れ落ちる涙に先程の言葉が彼の本心ではないとすぐに分かった。
ごめんなさいごめんなさいと謝りつつ伸ばされた手を握りしめてやる。
「ーーいかないで。そばにいて」
その言葉が縁の本当の言葉なのだろう。
優しい縁のことだ。アレンのためにと自分は身を引かなければと思ったのだろうが、アレンからすればそんな気遣い無用だ。
今更縁以外の人間に惹かれることなど有り得ない。
たとえそれが運命の番だろうが、今の自分にとって縁が番あり最初で最後の運命の人なのだ。
「ごめんなさい。アレンの幸せを願ってあげられなくてごめんなさい」
「ちがう。縁それはちがう。縁のそばが俺の幸せなんだ」
これは縁の我儘でも何でもない。
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それでも涙を流し続け謝る縁に大丈夫だと言い抱きしめてやる。
余計なことを言ってくれたセインは後で絶対に殴ってやる。
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「分かった、分かったから。子どもがいるかもしれないんだろ?腹に響くと悪いからもう泣きやんでくれ」
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