二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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仲間入り

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 「完成です!どうですか?」

 「どうですかって……これどうすんの?」

 ???
 せっかく作ったのだから使うに決まっている。
 何か問題があるだろうかと首を傾げながらも、期待で目を輝かせている子どもたちを乗せてみる。

 「ブランコです。普通は1人乗りが多いですけどこれなら3人ぐらい余裕で乗れますよ」

 背凭れもあり危なくはないのだがゆっくり揺らしてやれば、笑顔で喜んでくれる。
 真と愛依には物足りないないかもしれないが、彼らに好きにさせると出来上がったばかりのブランコを破壊されかねない。

 「今日はここでお昼寝しましょうか」

 「「「するー!」」」

 庭に作ったブランコはただの思いつきだったのだが、子どもたちの嬉しそうな笑顔に作ってよかったと思えた。
 冷えないようブランケットなどを用意しつつ再び庭へ向かう。

 「「ルーもいこ!」」

 「うぇっ!?あ…う、うん」

 朝からずっと隠れてこちらの様子を窺っていたのには気がついてはいたが、何も言ってこないことからまぁいいかと放っておいたのだが、気がついた双子が一緒に行こうと手を引いてきていた。
 チラチラと縁を見てくるのは怒られるかと思っているからだろう。

 「ロンに頼まれていた仕事は終わりましたか?」

 「うん。あの……ごめんなさい」

 謝られる理由が分からなかった。
 
 「オレ…あの……ただ心配で、だからその…別にエニシを見張ってたとかじゃなくて……」

 「そうですか。心配してくれてありがとう。ルーも一緒にお茶にしましょう」

 こういう光景にはもう慣れたものだ。
 繋が出来たと分かった時にはセインが、真と愛依の時にはジークが心配し過ぎというくらい縁に張り付いていたものだ。
 
 「4人はホットミルクにしましょうか。エルとルーも一緒でいいですか?」

 淹れようと思えば他にも淹れられるのだが、ただ単に縁が面倒くさがっただけだ。
 しかし2人ともいいと言うのでみんな仲良くホットミルクで乾杯する。

 「おいでアズ」

 ウトウトしてきた繋たちをブランコに乗せると、もうお昼寝は必要ないらしいアズを膝に乗せる。

 「ゆっくり、優しく息を吹きかけるように」

 練習も兼ねブランコに風を送るようお願いする。
 繋たちを起こさないようゆっくり風を送り込めば、まるで揺り籠のようにブランコが揺れる。

 「アズはどんどん魔法が上手になっていきますね」

 「アズすごい?」

 「すごいですよ。みんなに自慢したいくらい」

 自慢の子だとギュッと抱きしめてやれば、これまた嬉しそうに笑ってくれるのだった。
 以前エルが言っていた通り属性が少ないアズだが、その分かなり細かく使いこなせているらしい。
 それもこれもアズが日々頑張って練習している努力の結果であり、それほど頑張れるアズが誇らしい。

 「前に繋もマーガレットさんたちにアズお兄ちゃんすごいのよって自慢してましたよ」

 「すごいじゃん。よかったね」

 エルも自身が褒められたように嬉しそうだ。
 きっかけは縁かもしれないが、その結果を出すため努力したのはアズ本人に他ならない。
 だからこそそれがどれほどすごいことか褒める。

 「今度また海に行きましょうね。約束の貝の取り方を教えてもらわないと。蟹や海老も獲れたらいいですね」

 ちらし寿司を作るため具材を揃えていかなければ。
 
 「エニシ食べたいの?オレとってくるよ」

 その気遣いは嬉しいが、せっかくアズが教えてくれるというのにとってきてもらっては意味がない。
 
 「嬉しいですがみんなで獲りに行きましょう。そういえばみんなは生の魚とか大丈夫ですか?」

 こちらに来てからというもの料理で魚介は度々出てきてはいたが、生のものは見たことがなかった。

 「生って……腹壊さない?」

 「オレもない」

 やはり生は危険だと思われているらしい。
 尚更食べてその美味しさを知ってもらわなければと燃えるのだった。
 それから暫くみんなで話していたが、子どもたちを見ていて自分まで眠くなってきたためルーに膝枕してもらいお昼寝するのだった。

 「あの…痛くない?」

 「大丈夫です。1時間ほどしたら起こしてくれますか?アズもおい、で……ってあれ?リルは?」

 今ではお昼寝の必須アイテムであるリルの姿がない。
 フェンリル相手に言う言葉ではないが、あのふわふわとポカポカした体温は気持ち良くてクセになるのだ。

 「そういえば朝から見てないね。どっか出かけてんじゃない?」

 「そう、なんですかね。いつもなら何か言ってってくれるのに……」

 言葉が通じるのが縁だけというのもあるが、リルはいつも行きたい所があればちゃんと縁に教えていってくれる。
 それは出かける度に心配する縁をリルが気遣ってくれたからなのだが、最近はちゃんと教えてくれていたのだ。
 それがないとなると不安になってしまうが、エルたちは大丈夫だよと言い特に気にしている様子はない。

 「あのフェンリルだよ?前みたいに飢えてる時ならまだしも、最近は美味いご飯にエニシの魔力までもらって元気いっぱいだったじゃん」

 美味すぎて最近太ってきたとボヤいてはいたが。
 それでも我慢して抑えようとはしていなかったのである意味自業自得である。
 気にはなるが待つしかないとアズを抱きしめてお昼寝するのであった。
 
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