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「君には他にも子がいるのか?」
ふと手伝いをしている時にそう聞かれ手が止まった。
「………ええ。繋の他にあと3人…いえ、もう4人ですね」
自分から話す分には問題ないのだが、まさかレオナルドにそんなことを聞かれるとは思っておらず驚いた。
今はエルに預かってもらっているが、もうそれなり大きくなった卵は隠すには難しい大きさだ。
ただ大切なものだとしか言わない縁にレオナルドは深く突っ込むことはしなかった。
「誰に……あぁアル爺ですか」
レオナルドにその話しをするとすればそのことを知っている隊長たちか彼しかいなかった。
隊長たちと普段そこまで私的な話しをするレオナルドではないので話すとすればアルバトロスしかいない。
「頼まれていたクッキーを渡す時にどの子だと聞かれた」
「そうですか……」
レオナルドのことだ。話しはそれで終わりかと思いきや……
「君が話したくないと言うならそれで構わないが、もし私のことを気にしているのならばそんな必要はない」
「………」
どこまでアル爺に聞いたかは分からないが、縁がわざと黙っていたことを知っているのだろう。
言いたくないわけではない。
言って嫌われるのが怖いのだ。
繋のことを話す時も普段通りにしていたが、本心はかなりビクビクしていた。
「……双子が…男と女1人ずつ、ですね」
「それだけではないだろう?それだけならばあのジジイが言い渋るわけがない」
エルを見る。
好きにしていいよというように頷かれ勇気をもらった。
「私が男であるのに子を産んだことは言いましたね。けどそれは元々そういう体質であったというわけではありません。正しくは私が愛した人がそういう人だったからそうなった、というのが正しいです」
「どういうことだ?」
一つ深呼吸するとペンを置き顔を上げる。
「私の伴侶は……男であり獣人です。彼の番になったことにより私は子を産めるようになりました」
こうもはっきり話したのはマーガレットたちに話して以来かもしれない。
これは悪いことではないと分かっていても話さなかったのはレオナルドに獣人であるアレンたちを否定されるのが怖かったからだ。
「なので繋も人間にしか見えなかったかもしれませんが少なからず獣人の血が流れていますし、先程言った双子は……そのまま獣人としての耳も尾も持っています」
何も言わず静かに話しを聞くレオナルドに怖くて目が合わせられなかった。
「もう1人は魔族の子です。奴隷として売られていたのを私が買い育てました。そこにいるエルの弟です。あとは……」
大丈夫だと自分に言い聞かせるとエルを呼び卵を受け取る。
覆っていたタオルを外すとレオナルドにもそれを見せた。
「子が出来たと言ったでしょう?最近生まれた子です。獣人の他にも竜族の番もいるためその人との子です」
「卵?竜族、ということはこの子は……竜、なのか?」
「そうです」
彼なら大丈夫だと信じる。
「そうか…………そう、だったのか……」
「もし、このことで貴方が私を軽蔑してもそれは仕方ないし構いません。汚らわしい獣人がと言うのであれば私はすぐにここから出て行きましょう」
そう言われるのは辛いが縁が何より守りたいのは家族である彼らだ。
この国では受け入れられなくとも悲しいがしょうがないとも諦められる。
人間の中には恐ろしい竜の子だと、汚らわしい獣人だと未だにそう思っている人が殆どだろう。
だからこそ町へ来る時は殆どがエルと一緒だった。
双子を連れてきたのも産まれたばかりの頃だけで、それからは一度も連れてきていない。
縁が何か言われる分には何も思わないが、あの子たちは縁の宝であり獣人だからと傷つけられるなど耐えられない。
レオナルドたちを騙していたわけではない。
これほど仲良くなる以前なら縁もきっと気にせずもっと早く言えていただろう。
だが話し、一緒に食事をとり、冗談を言い合う度に言い出し難くなっていた。
聞かれないことをいいことに黙っていた。
レオナルドに家族を否定されることも、家族を否定するレオナルドを見ることもしたくなかった。
「………アルバトロスが言っていた。君は心配症だと」
「え?」
考えていた言葉とは違っており驚いた。
俯いていた顔を上げれば彼には珍しく優しい笑顔だった。
「以前にも言っただろう?君は君だと。以前と今回、戸惑わなかったと言えば嘘になるがそれでも君が君であることに変わりはない。確かにこの国での獣人の扱いを見ていれば君が何も言わず黙っていたのは仕方ないことだ。それを責めることなど出来るはずがない」
「…………」
信じて良かった。
その表情を見れば彼が縁に嫌悪感を抱いていないのも、怒っていないのも分かった。
「黙っていてごめんなさい」
「構わない。これまで見てきて君がどんな人間か私も分かっているつもりだ。その君が選んだ相手ならば間違いはないのだろう。あの子もそうだ。獣人の血が入っていようと関係ない。君に似て可愛らしく優しい子だ。何も問題ない」
良かった。本当に良かった。
泣き笑いを浮かべる縁にエルもよかったねと笑ってくれた。
「貴方が誰かに可愛いなんて言うとは思ってませんでした」
冗談まじりにそう言えば、私も初めて言ったなと2人して笑い合うのだった。
ふと手伝いをしている時にそう聞かれ手が止まった。
「………ええ。繋の他にあと3人…いえ、もう4人ですね」
自分から話す分には問題ないのだが、まさかレオナルドにそんなことを聞かれるとは思っておらず驚いた。
今はエルに預かってもらっているが、もうそれなり大きくなった卵は隠すには難しい大きさだ。
ただ大切なものだとしか言わない縁にレオナルドは深く突っ込むことはしなかった。
「誰に……あぁアル爺ですか」
レオナルドにその話しをするとすればそのことを知っている隊長たちか彼しかいなかった。
隊長たちと普段そこまで私的な話しをするレオナルドではないので話すとすればアルバトロスしかいない。
「頼まれていたクッキーを渡す時にどの子だと聞かれた」
「そうですか……」
レオナルドのことだ。話しはそれで終わりかと思いきや……
「君が話したくないと言うならそれで構わないが、もし私のことを気にしているのならばそんな必要はない」
「………」
どこまでアル爺に聞いたかは分からないが、縁がわざと黙っていたことを知っているのだろう。
言いたくないわけではない。
言って嫌われるのが怖いのだ。
繋のことを話す時も普段通りにしていたが、本心はかなりビクビクしていた。
「……双子が…男と女1人ずつ、ですね」
「それだけではないだろう?それだけならばあのジジイが言い渋るわけがない」
エルを見る。
好きにしていいよというように頷かれ勇気をもらった。
「私が男であるのに子を産んだことは言いましたね。けどそれは元々そういう体質であったというわけではありません。正しくは私が愛した人がそういう人だったからそうなった、というのが正しいです」
「どういうことだ?」
一つ深呼吸するとペンを置き顔を上げる。
「私の伴侶は……男であり獣人です。彼の番になったことにより私は子を産めるようになりました」
こうもはっきり話したのはマーガレットたちに話して以来かもしれない。
これは悪いことではないと分かっていても話さなかったのはレオナルドに獣人であるアレンたちを否定されるのが怖かったからだ。
「なので繋も人間にしか見えなかったかもしれませんが少なからず獣人の血が流れていますし、先程言った双子は……そのまま獣人としての耳も尾も持っています」
何も言わず静かに話しを聞くレオナルドに怖くて目が合わせられなかった。
「もう1人は魔族の子です。奴隷として売られていたのを私が買い育てました。そこにいるエルの弟です。あとは……」
大丈夫だと自分に言い聞かせるとエルを呼び卵を受け取る。
覆っていたタオルを外すとレオナルドにもそれを見せた。
「子が出来たと言ったでしょう?最近生まれた子です。獣人の他にも竜族の番もいるためその人との子です」
「卵?竜族、ということはこの子は……竜、なのか?」
「そうです」
彼なら大丈夫だと信じる。
「そうか…………そう、だったのか……」
「もし、このことで貴方が私を軽蔑してもそれは仕方ないし構いません。汚らわしい獣人がと言うのであれば私はすぐにここから出て行きましょう」
そう言われるのは辛いが縁が何より守りたいのは家族である彼らだ。
この国では受け入れられなくとも悲しいがしょうがないとも諦められる。
人間の中には恐ろしい竜の子だと、汚らわしい獣人だと未だにそう思っている人が殆どだろう。
だからこそ町へ来る時は殆どがエルと一緒だった。
双子を連れてきたのも産まれたばかりの頃だけで、それからは一度も連れてきていない。
縁が何か言われる分には何も思わないが、あの子たちは縁の宝であり獣人だからと傷つけられるなど耐えられない。
レオナルドたちを騙していたわけではない。
これほど仲良くなる以前なら縁もきっと気にせずもっと早く言えていただろう。
だが話し、一緒に食事をとり、冗談を言い合う度に言い出し難くなっていた。
聞かれないことをいいことに黙っていた。
レオナルドに家族を否定されることも、家族を否定するレオナルドを見ることもしたくなかった。
「………アルバトロスが言っていた。君は心配症だと」
「え?」
考えていた言葉とは違っており驚いた。
俯いていた顔を上げれば彼には珍しく優しい笑顔だった。
「以前にも言っただろう?君は君だと。以前と今回、戸惑わなかったと言えば嘘になるがそれでも君が君であることに変わりはない。確かにこの国での獣人の扱いを見ていれば君が何も言わず黙っていたのは仕方ないことだ。それを責めることなど出来るはずがない」
「…………」
信じて良かった。
その表情を見れば彼が縁に嫌悪感を抱いていないのも、怒っていないのも分かった。
「黙っていてごめんなさい」
「構わない。これまで見てきて君がどんな人間か私も分かっているつもりだ。その君が選んだ相手ならば間違いはないのだろう。あの子もそうだ。獣人の血が入っていようと関係ない。君に似て可愛らしく優しい子だ。何も問題ない」
良かった。本当に良かった。
泣き笑いを浮かべる縁にエルもよかったねと笑ってくれた。
「貴方が誰かに可愛いなんて言うとは思ってませんでした」
冗談まじりにそう言えば、私も初めて言ったなと2人して笑い合うのだった。
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