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危ないでしょ?
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見てくれと買ったばかりだという髪飾りをエニシに見せるコリンを横目に見るとサヴァスたちに目配せし外に出る。
コリンには何も言ってはなかったが彼女のことだ、自分たちが今から何をするつもりか気が付いているだろう。
むしろそのためにエニシの気を引いてくれている。
「そこのアンタたち。ちょっと私たちとお話ししようじゃない」
「あ?誰だお前ら」
目が合った瞬間分かった。
こいつらは自分たちより下だと。
Aランクになりたてなのか、それとも何か手を使いAランクになったのか。
後者だとは思うが、それで全てを騙せると思うのはバカとしか言いようがない。
「そんなことどうでもいいでしょ。それよりこんな所で何をしてるのかしら?今中にいる人でアンタたちなんかとお友達の人なんていないでしょ。一体誰を待っているのかしら?」
「お前らにゃ関係ないな。それに今は、まだ友達じゃないってだけだ。出てきたらそれはもう仲良くさせてもらうさ」
やはり予感は的中していた。
狙ったのがギルマスたちかエニシかは分かってなかったが、今の言い方からしてエニシ狙いだったのだろう。
どうやって仲良くするかは知らないが、これ以上あの子にこんな奴らを近づけさせるどころか視界にすら入れさせたくない。
「あらあら面白い冗談だこと。アンタたちなんかたとえ土下座して頼み込んだってあの子に相手になんてされないわよ。まぁその前に姉である私が許しはしないけど」
「いや、お前いつの間に姉になったんだ。というかなれるとしても兄貴だろ。お前男なーーいって!」
「お黙りワンコロ。アンタなんかあの子に餌付けされてるじゃない」
エニシに会う度飯はないかと聞き、人が良いため求められるまま渡すエニシはまるで飼い主のようだった。
叩かれた頭を撫でつつも本人も自覚があるのか言い返してこないことから今後も治す気はないのだろう。
自分もコリンも毎回それに便乗しているため治されても困るのだが。
「確かにエニシの飯は美味いからな。今日もいっぱい貰ってしまってどちらが歳上か分からないな」
うんうんと頷くサヴァスも自分から主張することはないが、エニシに薦められれば一緒に食べていることからかなり気に入っているのだろう。
むしろ素直に言えない彼にエニシが気を遣って声をかけているというのが正しい。
「そうね。いつも助けてもらっているんですもの。こういう時こそ歳上として助けてあげないとね」
エニシならなんだかんだで自分で何とかしてしまいそうだが、今はギースたちがいるのだから態々エニシが手を下す必要はない。
「さぁアンタたち。あの子が出て来てしまう前に決めてしまいましょう?今すぐここを離れて2度とあの子の前に姿を見せないと誓えるなら見逃してあげる。けどそれが誓えないなら私たちが相手をーーどうやら交渉決裂のようね」
ニヤニヤと下品な笑みを浮かべこちらを見下すような男達の態度に立ち去る気はないのだと悟った。
ならばやることは決まっている。
「ねぇ、まだ相手があの子じゃなくギルマスたちなら私も許してたかも。…………いえ、やっぱダメね。あの人たちに何かあったらあの子が悲しむもの」
ギースたちとて現役の冒険者だ。
ギルマスたちの実力も、自分たちが敵わないことも分かっている。
だからこそ狙われたとしても自分たちで対処するだろうが、それをエニシが知った時悲しむ姿を見たくなかった。
「あの子は私をちゃんと見てくれた子なの。だからアンタたちなんかに渡さないわ。姉として守ってみせる。さぁ!かかってこいやぁ!」
「………地が出てるぞ」
バースが何か言っていたか知ったことではない。
以前エニシに聞いたことがある。
何故自分に何も聞いてこないかと。
男である自分が話し方も服装も女性らしいものを身につけていることに何故何も言ってこないのだと。
「?、ギースさんがそれを好んでそうしているのに私が何か言う必要がありますか?それにとても似合っていますし」
そう、これはギースが好んでしているものだ。
昔から女性に憧れがあり彼女たちのようになりたいと話し方や服装を普通の男ならしないことをしている。
中傷を受けたことは1度や2度ではない。
実の親にすら酷い悪態をつかれ家の恥晒しと追い出された。
だがそれでもやめなかったのは意地と憧れが捨てられなかったからだ。
そのおかげか今の仲間たちに出会うことが出来たが、それでもやはり最初は変な奴だと警戒されたものだ。
だがエニシは初めて会った時こそ少し不思議そうな顔をしていたが何を言うでもなく普通に接してくれた。
それがどれだけ貴重か誰にも分からないだろう。
似合うとまで言ってくれたのには嬉しさしかない。
「自分をそこまで磨けることはとても素晴らしいことだと思います。もちろんそれを貫き通すことも。もし普通ということを気にしているのであればそんな心配いりませんよ。だって生きてれば一人一人違うことなんて当たり前なんですから」
散々普通ではないと言われてきた。
だが彼は当たり前だと言う。
「大丈夫。ギースさんはとても綺麗ですよ」
そう言い微笑む彼に涙が止まらず無言で彼を抱きしめるのだった。
あんな子の周りをこんなバカ共が歩き回っているなど姉として許してなるものか!
さぁ覚悟しろよバカ共!
コリンには何も言ってはなかったが彼女のことだ、自分たちが今から何をするつもりか気が付いているだろう。
むしろそのためにエニシの気を引いてくれている。
「そこのアンタたち。ちょっと私たちとお話ししようじゃない」
「あ?誰だお前ら」
目が合った瞬間分かった。
こいつらは自分たちより下だと。
Aランクになりたてなのか、それとも何か手を使いAランクになったのか。
後者だとは思うが、それで全てを騙せると思うのはバカとしか言いようがない。
「そんなことどうでもいいでしょ。それよりこんな所で何をしてるのかしら?今中にいる人でアンタたちなんかとお友達の人なんていないでしょ。一体誰を待っているのかしら?」
「お前らにゃ関係ないな。それに今は、まだ友達じゃないってだけだ。出てきたらそれはもう仲良くさせてもらうさ」
やはり予感は的中していた。
狙ったのがギルマスたちかエニシかは分かってなかったが、今の言い方からしてエニシ狙いだったのだろう。
どうやって仲良くするかは知らないが、これ以上あの子にこんな奴らを近づけさせるどころか視界にすら入れさせたくない。
「あらあら面白い冗談だこと。アンタたちなんかたとえ土下座して頼み込んだってあの子に相手になんてされないわよ。まぁその前に姉である私が許しはしないけど」
「いや、お前いつの間に姉になったんだ。というかなれるとしても兄貴だろ。お前男なーーいって!」
「お黙りワンコロ。アンタなんかあの子に餌付けされてるじゃない」
エニシに会う度飯はないかと聞き、人が良いため求められるまま渡すエニシはまるで飼い主のようだった。
叩かれた頭を撫でつつも本人も自覚があるのか言い返してこないことから今後も治す気はないのだろう。
自分もコリンも毎回それに便乗しているため治されても困るのだが。
「確かにエニシの飯は美味いからな。今日もいっぱい貰ってしまってどちらが歳上か分からないな」
うんうんと頷くサヴァスも自分から主張することはないが、エニシに薦められれば一緒に食べていることからかなり気に入っているのだろう。
むしろ素直に言えない彼にエニシが気を遣って声をかけているというのが正しい。
「そうね。いつも助けてもらっているんですもの。こういう時こそ歳上として助けてあげないとね」
エニシならなんだかんだで自分で何とかしてしまいそうだが、今はギースたちがいるのだから態々エニシが手を下す必要はない。
「さぁアンタたち。あの子が出て来てしまう前に決めてしまいましょう?今すぐここを離れて2度とあの子の前に姿を見せないと誓えるなら見逃してあげる。けどそれが誓えないなら私たちが相手をーーどうやら交渉決裂のようね」
ニヤニヤと下品な笑みを浮かべこちらを見下すような男達の態度に立ち去る気はないのだと悟った。
ならばやることは決まっている。
「ねぇ、まだ相手があの子じゃなくギルマスたちなら私も許してたかも。…………いえ、やっぱダメね。あの人たちに何かあったらあの子が悲しむもの」
ギースたちとて現役の冒険者だ。
ギルマスたちの実力も、自分たちが敵わないことも分かっている。
だからこそ狙われたとしても自分たちで対処するだろうが、それをエニシが知った時悲しむ姿を見たくなかった。
「あの子は私をちゃんと見てくれた子なの。だからアンタたちなんかに渡さないわ。姉として守ってみせる。さぁ!かかってこいやぁ!」
「………地が出てるぞ」
バースが何か言っていたか知ったことではない。
以前エニシに聞いたことがある。
何故自分に何も聞いてこないかと。
男である自分が話し方も服装も女性らしいものを身につけていることに何故何も言ってこないのだと。
「?、ギースさんがそれを好んでそうしているのに私が何か言う必要がありますか?それにとても似合っていますし」
そう、これはギースが好んでしているものだ。
昔から女性に憧れがあり彼女たちのようになりたいと話し方や服装を普通の男ならしないことをしている。
中傷を受けたことは1度や2度ではない。
実の親にすら酷い悪態をつかれ家の恥晒しと追い出された。
だがそれでもやめなかったのは意地と憧れが捨てられなかったからだ。
そのおかげか今の仲間たちに出会うことが出来たが、それでもやはり最初は変な奴だと警戒されたものだ。
だがエニシは初めて会った時こそ少し不思議そうな顔をしていたが何を言うでもなく普通に接してくれた。
それがどれだけ貴重か誰にも分からないだろう。
似合うとまで言ってくれたのには嬉しさしかない。
「自分をそこまで磨けることはとても素晴らしいことだと思います。もちろんそれを貫き通すことも。もし普通ということを気にしているのであればそんな心配いりませんよ。だって生きてれば一人一人違うことなんて当たり前なんですから」
散々普通ではないと言われてきた。
だが彼は当たり前だと言う。
「大丈夫。ギースさんはとても綺麗ですよ」
そう言い微笑む彼に涙が止まらず無言で彼を抱きしめるのだった。
あんな子の周りをこんなバカ共が歩き回っているなど姉として許してなるものか!
さぁ覚悟しろよバカ共!
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