二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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知らなかった

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 珍しく静かな我が子たちにどうしたのかと気になった。
 昨晩セインが発情期に入ったため縁もいなかった。
 そのため起きて早々ママはどこだと尋ねてきた子どもたちに縁はいないことを伝えたのだが、いつもなら泣いてグズる双子が今日に限って静かだったのだ。

 「ママおねがいって」

 「ママいないときやってって」

 コップに水を汲んだかと思えばパタパタと外に駆けていく双子の後を追っていけば、以前皆で作った花壇の花に水をやっていた。
 それは縁の両親の墓に飾る花用にと育てていた花で、なるほどこれを任されていたのかと納得した。

 「「エルにぃおわった~」」

 何度も水を汲みに戻りながらも全てに水をやり終えれば、これまた軽快に駆けていく子どもたちに興味を惹かれ付いていく。

 「ちゃんと全部にあげた?」

 「「あげた!」」

 「よし。じゃあ…真は星で、愛依はお花、ね」

 「「やった~~」」

 ???

 「何だそれ?」

 喜ぶ双子の手元を覗き込めばエルが言った通り何やら紙に星や花の絵が描いてあった。
 お絵かきでも始めるのかと思ったが、双子は喜ぶだけで自分たちが描く様子はない。

 「ご褒美帳。エニシがいない時に頼まれた仕事をしたらこの印がもらえるの。で、貯まったらご褒美がもらえる」

 「なるほどな。それで水やりか。けどアズがした方が早くないか?」

 水魔法が使えるアズなら一瞬で済むのではないかと言えば、エルも自分も最初はそう思ったと笑っていた。

 「早いかもしれないけど早いからってだけでアズに任せるのはおかしいでしょうって。時間がかかってもいいから自分の仕事だって任せることに意味があるってエニシが言ってた」

 アズが出来るからアズにやらせる。
 ではアズが出来るならアズに出来る仕事を全てやらせるのかと言われ、それもそうかと思った。
 状況にもよるかもしれないが、時間に追われているわけでもないのだからどれだけ時間がかかってもいいから他に出来る人間がやる。
 それは双子がそうして何度も水を汲みながらも花に水をやっていたことでもあり、縁が大切に育てている花を任されたことに双子も張り切っているようだ。
 身体を動かしながらも仕事をし、終わればご褒美をもらえるのだから体力が有り余っている2人には丁度いいだろう。

 「で、オレはそれの採点係。もちろんアズと繋にもいくつか仕事を任せてるみたいだよ。みんなご褒美のために頑張ってる」

 上手いこと考えたものだ。

 「やらなくてもかまわないけどやらないと何ももらえない。でも頑張ってやれば褒めてもらえてご褒美ももらえるんだから誰だってやるよね」

 いつの間にそんなものを作っていたのか。
 発情期の度に悲しむ子どもたちに縁なりに何か出来ないかと考えたのだろう。
 悲しみながら待つのも構わないが、そうではなく任された仕事をし帰った時には全力で褒めてもらう。
 ありがとう、頑張ったねと言ってもらい、その頑張りに対しても報酬がある。
 やる気も出るというものだ。

 「ちなみにお前らのご褒美は何なんだ?」

 「りんご!」
 「おさかなさん!」

 「あー、愛依はリンゴを使ったオヤツで、真は魚を使ったごはんだって」

 エルが2人の通訳をしてくれたが、我が子ながらご褒美がそんなものでいいのかと思った。
 大人からすればそんなことでも、子どもからすればそうでもないのかもしれない。
 物より食べ物にいくのはこの2人だからかもしれないが。

 「ま、それで頑張れんならいいか。エルには悪いが頼んだ」

 「全然。実はオレもみんなに印書く度に自分の分が貯まってんの」

 抜かりがない。
 エルの場合貯めるには子どもたちの協力が必要なため、やる気になってもらえるように褒めたり応援したりしているらしい。
 子どもたちより貯まりやすいため数は多く必要らしいが、お兄ちゃんとしてもやり甲斐があるらしい。

 「そういえばアズって呼ぶようになったんだな」

 以前までアズライトと呼んでいたエルだが、ここ最近は皆と同じくアズと呼んでいた。

 「確かに本当の名前はアズライトだけど、今ここにいる子はアズだから。エニシに買われて、みんなと家族になって、アズライトからアズになったんだ。オレもその……お兄ちゃんって呼んでもらえるようになったしいいかなって」

 「そうか。お前らがそれでいいってんならそれでいいんじゃねぇか」

 ぐりぐりと褒めるように頭を撫でてやるが、やめろと振り払われた。
 反抗期だろうか?

 「縁ん時はイヤがんねぇだろ」

 「エニシはいいの!」

 理由は分からないが縁ならばいいらしい。
 …………分からん。

 「ほらほら、真と愛依は次はリルを洗ってあげるんでしょ?」

 「「あらう!」」

 「そんなことまで頼んでんのかよ」

 あのフェンリル相手に凄いことを頼むものである。
 ある意味リルに双子の遊び相手を任せているような気もしないでもないが、楽しそうな我が子の様子にまぁいいかと自身もするべき仕事に向かうのだった。


 

 
 
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