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お母さん
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色々あったがあれからみんなで美味しいねと言い合いながらも夕食を食べ終え、はしゃぐ子どもたちを順に風呂に入れると遊び疲れたのか意外にも皆すんなりと眠りについた。
良かった良かったと縁たちも疲れていたため早めに就寝したのだがーー
「………暑い」
早朝あまりの暑さに我慢出来ず体を起こせば、隣に寝ていたはずの双子が縁のお腹と腰に抱き付き眠っており暑さの原因はこれかと息をついた。
「2人も暑いだろうに」
縁でさえ暑いと感じるのだから獣人の2人ならもっと暑さを感じていそうものだが、離さないとばかりに回された腕に苦笑いする。
普段どちらかというと繋が甘えてくることが多いため2人はそこまでではないが、今はそれもないため存分に甘えているのだろう。
離れない腕にどうしようかと迷ったが、二度寝出来る気もしなかったため2人を抱えて部屋を出た。
「随分重くなりましたねぇ。抱っこ出来なくなるのも時間の問題かな」
1人ずつならばまだいけそうではあるが、それだと次は自分だとケンカになってしまうためこうして2人一緒に抱っこして歩けるのも残り僅かだろう。
「今はもう繋より大きいですからね。お姉ちゃんなのにって繋がいじけてたなぁ」
人間と獣人の差はそう時間がかからず現れ、追い越される身体的差に繋が嘆いていた。
繋が遅いというわけではない。
獣人である2人が早いだけであり、繋は繋で順調に成長している。
「ここは木々が多くて涼しいですねぇ」
元々隠れるように建てられていた家は木々に囲まれており、早朝でも暑い日差しを木が遮ってくれる。
そのまま庭に出ると近くにある木陰に2人を抱えたまま腰を下ろした。
「……………貴方も暑くて眠れませんでしたか?」
ボーっと流れる風を身体に感じていれば、小さな靴音と共に昨日見たばかりの顔が現れた。
何と声をかけていいか迷っているのだろう。
一定の距離を開けながら、躊躇うかのようにそこから動かず近付いて来ない。
まるで母親に叱られた子どものような彼の顔に笑ってしまう。
「貴方なりの、答えは出ましたか?」
宿題を出していたわけではないが、ここへ来たということは彼も彼なりに考え縁に伝えに来たのだろう。
お客様を地べたに座らせるのはどうかと思ったが、2人を抱えて歩くのも疲れていたためそのまま立ち上がることもせず、どうぞと自身の隣を薦める。
「申し訳ありませんけど子どもがいるので必要であればあちらから椅子を自分で運んできてもらえますか?」
「いえ。こちらこそ早朝からお邪魔してすいません」
文句を言うでもなく素直に隣に腰を下ろしたフレックはよく見ればいつも見る戦闘装備ではなく、白シャツに紺のズボンとなんとも軽やかな格好だった。
「今日はお仕事はお休みですか?」
「はい。あ、いえ、本当は違うんですが、隊長がその……気を利かせてくれたというか…見てられないと追い出されたというか……」
普段はどちらが隊長だと言うほど容赦なく隊長の尻を叩き仕事をさせるフレックが、今日は逆に情けなくて見てられないと追い出されたと聞きおかしくなる。
「普段はあれですがやはり流石は隊長さんですね。大切な部下が思い悩んでいる時背を叩くとは」
良い上司ですねと言えば、少し照れながらもフレックも頷いていた。
「それで?」
話しの内容は大体察せられたが、中々話し出さないフレックに縁から声をかける。
「あの……昨日貴方に言われた言葉を考えていました」
「そうですか」
「けれど自分だけでは考えがまとまらず隊長と宰相様にも相談してみたんですが………」
答えが出なかったのだろう。
再び黙り込むフレックに、しかし今度は縁から助け舟は出さなかった。
それからどれだけしただろう、静かに流れる風を感じながら待っていればフレックがずっと俯いていた顔を漸く上げた。
「何故彼らなんですか?何故獣人でなければいけなかったんですか?貴方なら他にも相応しい人がいたはずだ。獣人なんかでなくともいくらでもーー」
「それが貴方の答えですか?」
「……………」
正直彼にはがっかりした。
無理強いする気は全くなかったが、受け入れられずとも彼なら否定はしないだろうと心のどこかで思っていたのだ。
「私のためのような言い方をしていますが、結局は貴方が彼ら獣人を認められないだけでしょう?それに私は子どもではありません。自分の相手ぐらい自分で見つけられますし、貴方の許可も必要としていない」
認められないと言うならばそれでもいい。
全ての人が縁のように理解し受け入れられないとも勿論分かっている。
だがそれならばそれで素直にそうだと言えばいいのに、まるで縁のことを心配し相応しくないからとアレンたちを否定するのが気に食わなかった。
「この際はっきり言わせていただきますが、貴方が獣人である彼らに優っているのはどこですか?」
「え?」
「彼らと生活する中で、私はどれほど自分が無力かを知りました。私が苦労することも彼らは片腕で軽々こなす。人より遠くを見、人より強い身体を持ち、人より長い時を生きる。それ以上の何かを貴方は持っているんですか?」
ジッと目を見つめ問うが、結局彼からの答えはなかった。
良かった良かったと縁たちも疲れていたため早めに就寝したのだがーー
「………暑い」
早朝あまりの暑さに我慢出来ず体を起こせば、隣に寝ていたはずの双子が縁のお腹と腰に抱き付き眠っており暑さの原因はこれかと息をついた。
「2人も暑いだろうに」
縁でさえ暑いと感じるのだから獣人の2人ならもっと暑さを感じていそうものだが、離さないとばかりに回された腕に苦笑いする。
普段どちらかというと繋が甘えてくることが多いため2人はそこまでではないが、今はそれもないため存分に甘えているのだろう。
離れない腕にどうしようかと迷ったが、二度寝出来る気もしなかったため2人を抱えて部屋を出た。
「随分重くなりましたねぇ。抱っこ出来なくなるのも時間の問題かな」
1人ずつならばまだいけそうではあるが、それだと次は自分だとケンカになってしまうためこうして2人一緒に抱っこして歩けるのも残り僅かだろう。
「今はもう繋より大きいですからね。お姉ちゃんなのにって繋がいじけてたなぁ」
人間と獣人の差はそう時間がかからず現れ、追い越される身体的差に繋が嘆いていた。
繋が遅いというわけではない。
獣人である2人が早いだけであり、繋は繋で順調に成長している。
「ここは木々が多くて涼しいですねぇ」
元々隠れるように建てられていた家は木々に囲まれており、早朝でも暑い日差しを木が遮ってくれる。
そのまま庭に出ると近くにある木陰に2人を抱えたまま腰を下ろした。
「……………貴方も暑くて眠れませんでしたか?」
ボーっと流れる風を身体に感じていれば、小さな靴音と共に昨日見たばかりの顔が現れた。
何と声をかけていいか迷っているのだろう。
一定の距離を開けながら、躊躇うかのようにそこから動かず近付いて来ない。
まるで母親に叱られた子どものような彼の顔に笑ってしまう。
「貴方なりの、答えは出ましたか?」
宿題を出していたわけではないが、ここへ来たということは彼も彼なりに考え縁に伝えに来たのだろう。
お客様を地べたに座らせるのはどうかと思ったが、2人を抱えて歩くのも疲れていたためそのまま立ち上がることもせず、どうぞと自身の隣を薦める。
「申し訳ありませんけど子どもがいるので必要であればあちらから椅子を自分で運んできてもらえますか?」
「いえ。こちらこそ早朝からお邪魔してすいません」
文句を言うでもなく素直に隣に腰を下ろしたフレックはよく見ればいつも見る戦闘装備ではなく、白シャツに紺のズボンとなんとも軽やかな格好だった。
「今日はお仕事はお休みですか?」
「はい。あ、いえ、本当は違うんですが、隊長がその……気を利かせてくれたというか…見てられないと追い出されたというか……」
普段はどちらが隊長だと言うほど容赦なく隊長の尻を叩き仕事をさせるフレックが、今日は逆に情けなくて見てられないと追い出されたと聞きおかしくなる。
「普段はあれですがやはり流石は隊長さんですね。大切な部下が思い悩んでいる時背を叩くとは」
良い上司ですねと言えば、少し照れながらもフレックも頷いていた。
「それで?」
話しの内容は大体察せられたが、中々話し出さないフレックに縁から声をかける。
「あの……昨日貴方に言われた言葉を考えていました」
「そうですか」
「けれど自分だけでは考えがまとまらず隊長と宰相様にも相談してみたんですが………」
答えが出なかったのだろう。
再び黙り込むフレックに、しかし今度は縁から助け舟は出さなかった。
それからどれだけしただろう、静かに流れる風を感じながら待っていればフレックがずっと俯いていた顔を漸く上げた。
「何故彼らなんですか?何故獣人でなければいけなかったんですか?貴方なら他にも相応しい人がいたはずだ。獣人なんかでなくともいくらでもーー」
「それが貴方の答えですか?」
「……………」
正直彼にはがっかりした。
無理強いする気は全くなかったが、受け入れられずとも彼なら否定はしないだろうと心のどこかで思っていたのだ。
「私のためのような言い方をしていますが、結局は貴方が彼ら獣人を認められないだけでしょう?それに私は子どもではありません。自分の相手ぐらい自分で見つけられますし、貴方の許可も必要としていない」
認められないと言うならばそれでもいい。
全ての人が縁のように理解し受け入れられないとも勿論分かっている。
だがそれならばそれで素直にそうだと言えばいいのに、まるで縁のことを心配し相応しくないからとアレンたちを否定するのが気に食わなかった。
「この際はっきり言わせていただきますが、貴方が獣人である彼らに優っているのはどこですか?」
「え?」
「彼らと生活する中で、私はどれほど自分が無力かを知りました。私が苦労することも彼らは片腕で軽々こなす。人より遠くを見、人より強い身体を持ち、人より長い時を生きる。それ以上の何かを貴方は持っているんですか?」
ジッと目を見つめ問うが、結局彼からの答えはなかった。
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