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幻覚?
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「おはよう繋」
「……?……………っ!」
ずっと求めていた声にまさかと顔を上げれば数日ぶりのママの笑顔があった。
帰れないと連絡があったのは2日前。
予定より遅い帰りになると聞き、それまで我慢していた糸がぷっつりと切れ泣いてパパに抱きついた。
「大丈夫。ちゃんと帰ってくるからもう少し頑張ろうな」
「やーー、ママ、ママがいい」
宥めようと抱っこしあやして来るがそんなものよりママに会いたいと訴える。
背後では弟の翔もつられたのか泣いている声が聞こえたが、それを気にしている余裕も今の繋にはなかった。
「ママぁ」
「繋、繋。ごめんね。もう少ししたら帰るから」
「やぁ、いまがいい」
ごめんね、ごめんねと聞こえるママの声に早く帰ってきて言うがもう少し待っていてと言われてしまう。
「ママも寂しいです。だから帰ったら一緒に寝ましょう。繋をギュウってして一緒に寝ましょうね」
「………………ぐす……ねる」
普段はみんなと一緒だからママに抱きつくことは出来ないが、それを許され少し心が揺れた。
「…ぐす………えほん、よんで」
「いいですよ。一緒に読みましょうね。読んで欲しい絵本を選んでおいて下さい」
更に絵本も読んで欲しいとお願いすれば笑っていいよと言ってくれた。
「ごはん、たべたい………ママの」
パパたちが作ってくれるご飯が美味しくないわけではないが、やはり食べ慣れたママのご飯が食べたかった。
「じゃあ繋の好きなお味噌汁にしましょうか。あとお味噌味の野菜炒めもね。ママも繋たちと一緒に食べるご飯が大好きですから」
いつもご飯を食べる時はママの隣りだった。
大好きなママと大好きなご飯を一緒に食べたい。
「ギュウして」
「ええ。帰ったら繋をギュウさせて下さいね。ママも繋にギュウして欲しいです」
思い付く限りのお願いを全ていいよと言ってくれたため、もう少しだけと約束してママが帰ってくるのを待つことにするのだった。
それでも寂しさからパパに張り付くように毎日過ごしていれば、今朝目を覚ました瞬間聞こえた声にかなり驚いた。
「……繋?どうしました?」
「………………………うぇ~ん」
言いたいことはたくさんあったが、やっと会えたという安堵から涙が溢れた。
寝起きでまだ鈍い身体を起こしふらふらと近付いていけば、約束した通りギュッと抱きしめてくれ優しく背を撫でてくれる。
「ただいま繋。遅くなってごめんね」
「ママぁ、ママぁ」
おかえりなさいと言おうとしたが、涙のせいで言葉にならなかった。
しかし分かっていると言うかのように待っていてくれてありがとう、ただいまと告げられ更に泣いた。
そのせいで翔も起きてしまったが、弟も同じくママに気が付くと泣いて抱きついてきていた。
大人とは違いやはり子どもにとっての数日は長いものだ。
声は聞こえるのに会えず、約束した日になっても帰ってこず、泣いてしまうのも仕方がないことだろう。
「ほらもう泣かないで。約束した通り一緒にご飯を食べましょう?」
「ぐす…うん。たべる」
「ぎゃう!」
離れたくないと言えば怒ることなく抱き抱えてくれた。
「2人のおかげでママのお友達の病気も治って元気に走っていましたよ。ママの我儘を聞いて2人が待っていてくれたおかげですね。ありがとう」
それからママがいない間何をしていたか話したり、頼まれていたお仕事もしたと褒めてもらったりしながらママが作ってくれたご飯を家族みんなで一緒に食べた。
「ルーね、しょうといっしょにないてたの。ロンは……おひるね?してた」
「ん?」
時に子どもの説明とはおぼつかないものだ。
実際ルーは泣きそうではあったが泣いてはいなかったし、ロンは寝ていたのではなく気絶していた。
だが話したい繋はそんなこと気付かず、聞いて聞いてと何があったか話していく。
「アズにぃとエルにぃとね、えほんよんでね、おひるねもしたの。あとあと、ママのおはなさんにもおみずあげて……」
「いっぱい頑張ってくれたんですね。ありがとう」
「スノーとリルとあそんで、わーってしたらエルにぃおこってた」
「うん?」
正しくはリルに高い高いしてと頼み空高く放り投げられた繋を見たエルが驚き悲鳴を上げ救出した、だった。
説明が足りない部分はセインたちが補足し、大変でしたねとひと事のように頷く縁にエルはなんて遊びを教えるのだとかなりご立腹なのだった。
「ママ、ケイとおひるねしよう?」
話しが飛び過ぎて皆が困惑する中、食事を終え縁の手が開くと一緒にお昼寝してとお願いする。
「いいですね。なら繋をギュウしてもいいですか?繋をギュウして一緒に寝たいなぁ」
「いいよ!」
やった!ママと一緒だと喜びベッドに乗れば、言葉通りギュウと抱きしめてくれ思う存分甘えるのだった。
「パパは混ぜてくれないのか?」
「パパもいいよ」
パパも寂しいなと言われ家族仲良く並んでお昼寝するのだった。
「……?……………っ!」
ずっと求めていた声にまさかと顔を上げれば数日ぶりのママの笑顔があった。
帰れないと連絡があったのは2日前。
予定より遅い帰りになると聞き、それまで我慢していた糸がぷっつりと切れ泣いてパパに抱きついた。
「大丈夫。ちゃんと帰ってくるからもう少し頑張ろうな」
「やーー、ママ、ママがいい」
宥めようと抱っこしあやして来るがそんなものよりママに会いたいと訴える。
背後では弟の翔もつられたのか泣いている声が聞こえたが、それを気にしている余裕も今の繋にはなかった。
「ママぁ」
「繋、繋。ごめんね。もう少ししたら帰るから」
「やぁ、いまがいい」
ごめんね、ごめんねと聞こえるママの声に早く帰ってきて言うがもう少し待っていてと言われてしまう。
「ママも寂しいです。だから帰ったら一緒に寝ましょう。繋をギュウってして一緒に寝ましょうね」
「………………ぐす……ねる」
普段はみんなと一緒だからママに抱きつくことは出来ないが、それを許され少し心が揺れた。
「…ぐす………えほん、よんで」
「いいですよ。一緒に読みましょうね。読んで欲しい絵本を選んでおいて下さい」
更に絵本も読んで欲しいとお願いすれば笑っていいよと言ってくれた。
「ごはん、たべたい………ママの」
パパたちが作ってくれるご飯が美味しくないわけではないが、やはり食べ慣れたママのご飯が食べたかった。
「じゃあ繋の好きなお味噌汁にしましょうか。あとお味噌味の野菜炒めもね。ママも繋たちと一緒に食べるご飯が大好きですから」
いつもご飯を食べる時はママの隣りだった。
大好きなママと大好きなご飯を一緒に食べたい。
「ギュウして」
「ええ。帰ったら繋をギュウさせて下さいね。ママも繋にギュウして欲しいです」
思い付く限りのお願いを全ていいよと言ってくれたため、もう少しだけと約束してママが帰ってくるのを待つことにするのだった。
それでも寂しさからパパに張り付くように毎日過ごしていれば、今朝目を覚ました瞬間聞こえた声にかなり驚いた。
「……繋?どうしました?」
「………………………うぇ~ん」
言いたいことはたくさんあったが、やっと会えたという安堵から涙が溢れた。
寝起きでまだ鈍い身体を起こしふらふらと近付いていけば、約束した通りギュッと抱きしめてくれ優しく背を撫でてくれる。
「ただいま繋。遅くなってごめんね」
「ママぁ、ママぁ」
おかえりなさいと言おうとしたが、涙のせいで言葉にならなかった。
しかし分かっていると言うかのように待っていてくれてありがとう、ただいまと告げられ更に泣いた。
そのせいで翔も起きてしまったが、弟も同じくママに気が付くと泣いて抱きついてきていた。
大人とは違いやはり子どもにとっての数日は長いものだ。
声は聞こえるのに会えず、約束した日になっても帰ってこず、泣いてしまうのも仕方がないことだろう。
「ほらもう泣かないで。約束した通り一緒にご飯を食べましょう?」
「ぐす…うん。たべる」
「ぎゃう!」
離れたくないと言えば怒ることなく抱き抱えてくれた。
「2人のおかげでママのお友達の病気も治って元気に走っていましたよ。ママの我儘を聞いて2人が待っていてくれたおかげですね。ありがとう」
それからママがいない間何をしていたか話したり、頼まれていたお仕事もしたと褒めてもらったりしながらママが作ってくれたご飯を家族みんなで一緒に食べた。
「ルーね、しょうといっしょにないてたの。ロンは……おひるね?してた」
「ん?」
時に子どもの説明とはおぼつかないものだ。
実際ルーは泣きそうではあったが泣いてはいなかったし、ロンは寝ていたのではなく気絶していた。
だが話したい繋はそんなこと気付かず、聞いて聞いてと何があったか話していく。
「アズにぃとエルにぃとね、えほんよんでね、おひるねもしたの。あとあと、ママのおはなさんにもおみずあげて……」
「いっぱい頑張ってくれたんですね。ありがとう」
「スノーとリルとあそんで、わーってしたらエルにぃおこってた」
「うん?」
正しくはリルに高い高いしてと頼み空高く放り投げられた繋を見たエルが驚き悲鳴を上げ救出した、だった。
説明が足りない部分はセインたちが補足し、大変でしたねとひと事のように頷く縁にエルはなんて遊びを教えるのだとかなりご立腹なのだった。
「ママ、ケイとおひるねしよう?」
話しが飛び過ぎて皆が困惑する中、食事を終え縁の手が開くと一緒にお昼寝してとお願いする。
「いいですね。なら繋をギュウしてもいいですか?繋をギュウして一緒に寝たいなぁ」
「いいよ!」
やった!ママと一緒だと喜びベッドに乗れば、言葉通りギュウと抱きしめてくれ思う存分甘えるのだった。
「パパは混ぜてくれないのか?」
「パパもいいよ」
パパも寂しいなと言われ家族仲良く並んでお昼寝するのだった。
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