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どうしよっかな?
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「翔おいで」
「きゃー」
その声は悲鳴にしか聞こえなかったが、顔はとても楽しそうに笑って駆けているため幼児虐待と勘違いされることはきっとないだろう。
歩く練習にと玲を抱えながらも翔と追いかけっこをしていたのだが、思いの外楽しんでくれているようでよかった。
初めは縁が翔を追いかけようと思ったのだが、楽しそうに張り付いて離れない翔にこれはダメだと諦めると縁が適度に距離をおきながらも逃げている。
「こっちですよ~」
「きゃー」
待て待てと勢いはいいのだが、まだ慣れない人間の姿のため歩みが遅くヨチヨチと可愛らしい歩き方で捕まる気はしない。
「翔、パパはこっちだよ~」
「?」
楽しそうな縁たちの様子にルーが混ざろうと声をかけるが、キョトンとするだけでパパを追いかけることはせず固まってしまった。
「なんで~?なんでパパはダメなの~?」
「きゃー」
どうしてなのと近寄っていったルーに翔が逃げ回る。
本来の追いかけっこの姿に選手交代することにした。
「疲れたんじゃないか?少し休憩したらどうだ?」
そう言い水を差し出してきたロンに礼を言うと、近くにあった椅子に腰を下ろした。
それほど動いていたわけではなかったが、やはりまだ身体は本調子ではなかったようで一息付くと思いの外疲れを感じた。
「待て待て~」
「きゃー」
楽しそうに逃げ回る翔の姿に微笑む。
ルーもちゃんとパパらしくなってきたのかもしれない。
「ロン」
「なんだ?」
「交、代」
ずっと抱えていた玲をお願いすれば嫌がることなく代わってくれた。
むしろどこか嬉しそうな表情に、彼も玲の誕生を喜んでくれているのだと分かり嬉しくなる。
エルほどではないがロンも恥ずかしがり屋なところがあるので自分から抱っこしたいなどと言うことが中々出来ず、時々チラチラと見てくるのが面白かったりするのだ。
「……大人しい子だな」
「ね。私はその方が楽で助かりますけど」
時々ピクピクと動くアレン譲りの可愛い狼の耳は見ているだけで癒される。
「翔とどっちが可愛いですか?」
「…………」
黙り込んでしまったロンに声を上げて笑う。
どちらと選ぶことなど出来るはずもなく、しかし真面目なのか真剣に考え込んでしまっている。
やはり弟の子である翔が可愛くもあるが、ピクピクと耳を揺らし眠る女の子の玲も可愛いくて仕方ないのだ。
「これからお願いしますね、叔父さん」
それは子育てのこともそうだが、将来縁がいなくなった後の子どもたちのことも含まれていた。
「頑張り過ぎだろ。俺にどれだけの子どもたちを見させる気だ?」
そう口では言いながら喜んでくれていることを縁は知っている。
ルーと一緒でロンも本当は自分の家族を求めていたのだと以前ルーが教えてくれた。
「自分は兄貴だからって強がって言わないだけ。本当は家族が出来て一番喜んでんのは兄貴なんだよ」
両親を亡くし、仲間を失い、弟の前で弱音など吐けるはずもなく不安を抱え家族を求めていたのはロンも同じなのだ。
縁はロンの番になり得はしないが、家族として彼が求めていたものを埋めてやることは出来る。
「ロンがいてくれて本当に良かった。ルーも心配ですけど何より翔のことが心配だったんです」
頼りにしてますねと笑えば、照れたのか顔を背けながらも仕方ないなと頷いてくれるのだった。
「待て待て待て~」
未だ楽しそうに走り回るルーたちに微笑んで見ていたのだが……
「待て待、て、あ…」
まだ足元が覚束ない翔はパパが来ると後ろを振り返った瞬間足を絡ませ転んでしまった。
決定的瞬間をロンも見ていたようで、静まり返るその場に次の瞬間ーー
「ああーーーーー、みゃんま、ああーーっ」
前方不注意。それに尽きる。
大声で泣き叫ぶ翔にルーがオロオロと抱き抱えるが泣き止まず困り果てている。
「元気ですねぇ」
「暢気過ぎるだろ!翔ケガは?顔をぶつけてないか?」
縁に突っ込むと泣き続ける翔に大丈夫かと駆け寄っていくロンに頼りになるなと見守る。
しかし彼は慌てるあまり大事なことを忘れていた。
「翔痛いところはーー」
「おぎゃー!」
「れ、玲!?あ、す、すまない。ちょっ、ちょっと待て今ーー」
「あー!みゃんまー」
そう。彼は腕に玲を抱えたままであり、翔の大きな泣き声とロンの声に目を覚まし泣き出してしまった。
ついでと言っては何だが、そのあまりの大合唱に家にいたみんながどうしたのかと駆けつけてきた。
「ちょっと何泣かしてんの?」
「俺か!?俺じゃなーー」
「そんなことより玲を離せ」
泣き止まない玲はアレンに取り上げられ、エルからは何をしたんだと責められるロンに報われないなぁと眺める。
頑張り屋ではあるのだがどこか空回りしてしまうロンが面白くも可哀想になってくるのだった。
「翔~、大丈夫だよ。どこも痛くなーー」
「あーーーーっ」
こちらはこちらで泣き止まない息子に手間取っているようで、暴れる翔にベチベチと顔面を叩かれていた。
「不器用なところが似ているなんて面白い兄弟ですよね」
「正反対に見えて意外に似てるよな」
何とか泣き止んだ玲片手にアレンが頷くのだった。
「きゃー」
その声は悲鳴にしか聞こえなかったが、顔はとても楽しそうに笑って駆けているため幼児虐待と勘違いされることはきっとないだろう。
歩く練習にと玲を抱えながらも翔と追いかけっこをしていたのだが、思いの外楽しんでくれているようでよかった。
初めは縁が翔を追いかけようと思ったのだが、楽しそうに張り付いて離れない翔にこれはダメだと諦めると縁が適度に距離をおきながらも逃げている。
「こっちですよ~」
「きゃー」
待て待てと勢いはいいのだが、まだ慣れない人間の姿のため歩みが遅くヨチヨチと可愛らしい歩き方で捕まる気はしない。
「翔、パパはこっちだよ~」
「?」
楽しそうな縁たちの様子にルーが混ざろうと声をかけるが、キョトンとするだけでパパを追いかけることはせず固まってしまった。
「なんで~?なんでパパはダメなの~?」
「きゃー」
どうしてなのと近寄っていったルーに翔が逃げ回る。
本来の追いかけっこの姿に選手交代することにした。
「疲れたんじゃないか?少し休憩したらどうだ?」
そう言い水を差し出してきたロンに礼を言うと、近くにあった椅子に腰を下ろした。
それほど動いていたわけではなかったが、やはりまだ身体は本調子ではなかったようで一息付くと思いの外疲れを感じた。
「待て待て~」
「きゃー」
楽しそうに逃げ回る翔の姿に微笑む。
ルーもちゃんとパパらしくなってきたのかもしれない。
「ロン」
「なんだ?」
「交、代」
ずっと抱えていた玲をお願いすれば嫌がることなく代わってくれた。
むしろどこか嬉しそうな表情に、彼も玲の誕生を喜んでくれているのだと分かり嬉しくなる。
エルほどではないがロンも恥ずかしがり屋なところがあるので自分から抱っこしたいなどと言うことが中々出来ず、時々チラチラと見てくるのが面白かったりするのだ。
「……大人しい子だな」
「ね。私はその方が楽で助かりますけど」
時々ピクピクと動くアレン譲りの可愛い狼の耳は見ているだけで癒される。
「翔とどっちが可愛いですか?」
「…………」
黙り込んでしまったロンに声を上げて笑う。
どちらと選ぶことなど出来るはずもなく、しかし真面目なのか真剣に考え込んでしまっている。
やはり弟の子である翔が可愛くもあるが、ピクピクと耳を揺らし眠る女の子の玲も可愛いくて仕方ないのだ。
「これからお願いしますね、叔父さん」
それは子育てのこともそうだが、将来縁がいなくなった後の子どもたちのことも含まれていた。
「頑張り過ぎだろ。俺にどれだけの子どもたちを見させる気だ?」
そう口では言いながら喜んでくれていることを縁は知っている。
ルーと一緒でロンも本当は自分の家族を求めていたのだと以前ルーが教えてくれた。
「自分は兄貴だからって強がって言わないだけ。本当は家族が出来て一番喜んでんのは兄貴なんだよ」
両親を亡くし、仲間を失い、弟の前で弱音など吐けるはずもなく不安を抱え家族を求めていたのはロンも同じなのだ。
縁はロンの番になり得はしないが、家族として彼が求めていたものを埋めてやることは出来る。
「ロンがいてくれて本当に良かった。ルーも心配ですけど何より翔のことが心配だったんです」
頼りにしてますねと笑えば、照れたのか顔を背けながらも仕方ないなと頷いてくれるのだった。
「待て待て待て~」
未だ楽しそうに走り回るルーたちに微笑んで見ていたのだが……
「待て待、て、あ…」
まだ足元が覚束ない翔はパパが来ると後ろを振り返った瞬間足を絡ませ転んでしまった。
決定的瞬間をロンも見ていたようで、静まり返るその場に次の瞬間ーー
「ああーーーーー、みゃんま、ああーーっ」
前方不注意。それに尽きる。
大声で泣き叫ぶ翔にルーがオロオロと抱き抱えるが泣き止まず困り果てている。
「元気ですねぇ」
「暢気過ぎるだろ!翔ケガは?顔をぶつけてないか?」
縁に突っ込むと泣き続ける翔に大丈夫かと駆け寄っていくロンに頼りになるなと見守る。
しかし彼は慌てるあまり大事なことを忘れていた。
「翔痛いところはーー」
「おぎゃー!」
「れ、玲!?あ、す、すまない。ちょっ、ちょっと待て今ーー」
「あー!みゃんまー」
そう。彼は腕に玲を抱えたままであり、翔の大きな泣き声とロンの声に目を覚まし泣き出してしまった。
ついでと言っては何だが、そのあまりの大合唱に家にいたみんながどうしたのかと駆けつけてきた。
「ちょっと何泣かしてんの?」
「俺か!?俺じゃなーー」
「そんなことより玲を離せ」
泣き止まない玲はアレンに取り上げられ、エルからは何をしたんだと責められるロンに報われないなぁと眺める。
頑張り屋ではあるのだがどこか空回りしてしまうロンが面白くも可哀想になってくるのだった。
「翔~、大丈夫だよ。どこも痛くなーー」
「あーーーーっ」
こちらはこちらで泣き止まない息子に手間取っているようで、暴れる翔にベチベチと顔面を叩かれていた。
「不器用なところが似ているなんて面白い兄弟ですよね」
「正反対に見えて意外に似てるよな」
何とか泣き止んだ玲片手にアレンが頷くのだった。
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