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不器用なりに
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「がうがう~」
「ははははっ、可愛い可愛い」
今は人型なのにも関わらずドラゴンの時のように鳴く息子に笑いが込み上げる。
自分の幼い頃など覚えてはいないが、両親もこんな気持ちだったのだろかと考えてしまう。
「翔おいで」
「がう~」
名を呼べば笑って抱きついてくるのを喜び受け止める。
「歩くの上手くなってきたね。今度ママと外にお散歩に行ってみようか?」
「がう?」
まだまだあの夢で見た姿には追いつきはしないが、こうして可愛い今の姿を見られるのは嬉しい限りだ。
ずっとずっと求めていた自分の家族。自分の子。
欲しい欲しいと言いながらも出来たと言われた時は戸惑い怖気付いたものだ。
上手く父親を出来るのかと不安のあまり縁を混乱させてしまったが、やはりその姿を見、抱きしめれば嬉しさで胸がいっぱいになる。
これはオレの子だ。
縁はよく子どもたちを宝だと言っているがその気持ちが今ならすごく分かる。
大切な大切な番である縁との子である翔は正しく自分にとっても宝物だった。
「大好きだよ翔」
「?、がう!」
未だ言葉の理解が遅くはあるが、どこか自信ありげに鳴いて頷く翔に笑ってしまった。
「こんな所にいたのか。そろそろオヤツの時間だろ?エニシが呼んでたぞ」
「もうそんな時間か。行く行く~」
自身が子どもの時にはなかった習慣ではあるが、縁が作るオヤツはいつも美味しく子どもたちに混ざってルーも一緒に食べることが多かった。
「今日はなにかな~?」
「がうがう」
「ん?兄貴がいいの?」
ロンに向かって手を伸ばす翔にならばと差し出せば、楽しそうにロンに抱きつき何故かペチペチと頬を叩いていた。
痛いから止めろと言いながらも下ろすことをしないのはロンも翔が可愛くて仕方がないからだ。
「翔、結構兄貴のこと好きだよね」
「そ、そうか?」
人見知りする性格ではないが、ジークたちに比べロンにはかなり懐いているように見える。
素直に嬉しいと言えないが照れたように赤く染まる頬でロンが喜んでいるのが分かる。
「まぁ1番は縁だけどね」
「なら2番目は繋だな。お前は3番目か?」
「うっさいなぁ。パパなんだから2番に決まってんじゃん」
ね?翔?と問いかけるが、聞かれた本人は何が楽しいのか今度はロンの胸に向かって頭突きをしていた。
我が子ながら謎である。
「お前は何がしたいんだ?落ち着きないところはルイにそっくりだな」
「えー?オレのせい?子どもだからでしょ?」
ジークたちに比べ落ち着きはないかもしれないが、いくらルーでも無意味に人に向かって頭突きはしなーー
「………昔庭にあった木に向かってお前が頭突きしていたのを見た時は気が触れたのかと俺は思ったぞ」
「そんなことあったっけ?」
まさかの前科があったらしい。
自身は覚えていなかったが、まだ幼かった頃のルーは今の翔よろしく楽しそうにベチベチと太い幹を叩いたかと思えば、次にはその幹に向かって笑って頭突きをしていたらしい。
あまりの奇行にロンは引き、ついで血塗れになっていた額に悲鳴を上げたらしい。
何とも恐ろしい幼児だが、その本人には全く記憶になかった。
「頼むから頭はエニシに似てくれよ」
「がう?」
だがそんな切実なロンの願いに翔は唯々首を傾げていた。
「エニシもまぁあれではあるけどな。アイツは色々抜けてるだけでバカじゃない」
「ねぇそれ、オレのことバカって言ってる?」
いくら兄弟とはいえ言い過ぎではないだろうか?
「胸に手を当ててよく思い出してみろ。お前はーーバカだ」
もはや潔い。
ここまで言い切れるのもルー自身がさほど気にしていないのもあるのだろうが。
「えー。でもエニシがオレと兄貴は似てるって言ってたよ。ってことは兄貴もバカってことじゃん?」
自分だけそう言われるのはおかしいと反論すれば、言い返すことはしなかったがかなり苦々しい顔をされた。
「………そう思うなら余計にエニシに似るよう祈ってろ」
「はははははっ、だね。翔がんばれ~」
「お前も頑張るんだよ。育児放棄するな」
的確なロンの突っ込みに声を上げて笑う。
何気ない兄弟の会話も以前ほどのギスギスしたものはなくなり、純粋に楽しいと思える余裕。
家族がいないという不安。
兄に頼ってばかりはダメだという焦り。
どうすればいいのか分からない気持ちに周りに優しく出来なかった。
だが今は……
「パパと一緒に頑張ろうね、翔」
「みゃ?」
「がうがうはどこいったの?」
可愛い可愛い息子に、愛しい愛しい番。口うるさくも心配してくれる兄。
自分が手に入れたものは何ものにも変えがたい大切なもの。
「ほら、ママにも見せてあげよう?カッコいいドラゴンでしょって」
「がうがう!」
「いや、人の姿でそれをする意味はあるのか?」
「可愛いからいいの。縁だって絶対喜んでくれるもん」
彼のことだ、よく出来ましたと笑って褒めてくれるに決まってる。
早く行こうとロンの背を押せば、危ないから止めろと怒られるのであった。
「ははははっ、可愛い可愛い」
今は人型なのにも関わらずドラゴンの時のように鳴く息子に笑いが込み上げる。
自分の幼い頃など覚えてはいないが、両親もこんな気持ちだったのだろかと考えてしまう。
「翔おいで」
「がう~」
名を呼べば笑って抱きついてくるのを喜び受け止める。
「歩くの上手くなってきたね。今度ママと外にお散歩に行ってみようか?」
「がう?」
まだまだあの夢で見た姿には追いつきはしないが、こうして可愛い今の姿を見られるのは嬉しい限りだ。
ずっとずっと求めていた自分の家族。自分の子。
欲しい欲しいと言いながらも出来たと言われた時は戸惑い怖気付いたものだ。
上手く父親を出来るのかと不安のあまり縁を混乱させてしまったが、やはりその姿を見、抱きしめれば嬉しさで胸がいっぱいになる。
これはオレの子だ。
縁はよく子どもたちを宝だと言っているがその気持ちが今ならすごく分かる。
大切な大切な番である縁との子である翔は正しく自分にとっても宝物だった。
「大好きだよ翔」
「?、がう!」
未だ言葉の理解が遅くはあるが、どこか自信ありげに鳴いて頷く翔に笑ってしまった。
「こんな所にいたのか。そろそろオヤツの時間だろ?エニシが呼んでたぞ」
「もうそんな時間か。行く行く~」
自身が子どもの時にはなかった習慣ではあるが、縁が作るオヤツはいつも美味しく子どもたちに混ざってルーも一緒に食べることが多かった。
「今日はなにかな~?」
「がうがう」
「ん?兄貴がいいの?」
ロンに向かって手を伸ばす翔にならばと差し出せば、楽しそうにロンに抱きつき何故かペチペチと頬を叩いていた。
痛いから止めろと言いながらも下ろすことをしないのはロンも翔が可愛くて仕方がないからだ。
「翔、結構兄貴のこと好きだよね」
「そ、そうか?」
人見知りする性格ではないが、ジークたちに比べロンにはかなり懐いているように見える。
素直に嬉しいと言えないが照れたように赤く染まる頬でロンが喜んでいるのが分かる。
「まぁ1番は縁だけどね」
「なら2番目は繋だな。お前は3番目か?」
「うっさいなぁ。パパなんだから2番に決まってんじゃん」
ね?翔?と問いかけるが、聞かれた本人は何が楽しいのか今度はロンの胸に向かって頭突きをしていた。
我が子ながら謎である。
「お前は何がしたいんだ?落ち着きないところはルイにそっくりだな」
「えー?オレのせい?子どもだからでしょ?」
ジークたちに比べ落ち着きはないかもしれないが、いくらルーでも無意味に人に向かって頭突きはしなーー
「………昔庭にあった木に向かってお前が頭突きしていたのを見た時は気が触れたのかと俺は思ったぞ」
「そんなことあったっけ?」
まさかの前科があったらしい。
自身は覚えていなかったが、まだ幼かった頃のルーは今の翔よろしく楽しそうにベチベチと太い幹を叩いたかと思えば、次にはその幹に向かって笑って頭突きをしていたらしい。
あまりの奇行にロンは引き、ついで血塗れになっていた額に悲鳴を上げたらしい。
何とも恐ろしい幼児だが、その本人には全く記憶になかった。
「頼むから頭はエニシに似てくれよ」
「がう?」
だがそんな切実なロンの願いに翔は唯々首を傾げていた。
「エニシもまぁあれではあるけどな。アイツは色々抜けてるだけでバカじゃない」
「ねぇそれ、オレのことバカって言ってる?」
いくら兄弟とはいえ言い過ぎではないだろうか?
「胸に手を当ててよく思い出してみろ。お前はーーバカだ」
もはや潔い。
ここまで言い切れるのもルー自身がさほど気にしていないのもあるのだろうが。
「えー。でもエニシがオレと兄貴は似てるって言ってたよ。ってことは兄貴もバカってことじゃん?」
自分だけそう言われるのはおかしいと反論すれば、言い返すことはしなかったがかなり苦々しい顔をされた。
「………そう思うなら余計にエニシに似るよう祈ってろ」
「はははははっ、だね。翔がんばれ~」
「お前も頑張るんだよ。育児放棄するな」
的確なロンの突っ込みに声を上げて笑う。
何気ない兄弟の会話も以前ほどのギスギスしたものはなくなり、純粋に楽しいと思える余裕。
家族がいないという不安。
兄に頼ってばかりはダメだという焦り。
どうすればいいのか分からない気持ちに周りに優しく出来なかった。
だが今は……
「パパと一緒に頑張ろうね、翔」
「みゃ?」
「がうがうはどこいったの?」
可愛い可愛い息子に、愛しい愛しい番。口うるさくも心配してくれる兄。
自分が手に入れたものは何ものにも変えがたい大切なもの。
「ほら、ママにも見せてあげよう?カッコいいドラゴンでしょって」
「がうがう!」
「いや、人の姿でそれをする意味はあるのか?」
「可愛いからいいの。縁だって絶対喜んでくれるもん」
彼のことだ、よく出来ましたと笑って褒めてくれるに決まってる。
早く行こうとロンの背を押せば、危ないから止めろと怒られるのであった。
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