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不思議な人
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突如隠れた視界に何事かと驚いた。
「足が辛いでしよ?靴は脱いでいいですよ」
く、くつを脱ぐ?それでは歩けないと言う前に靴を脱がされたかと思えば、温かい手で優しく足を揉まれた。
今までなかったことにどうしたらいいか分からず視線を彷徨わせていればーー
「さっ、行きましょうか。イリスさんはもう少し頑張ってくれますか?」
腕に抱え上げられ近付いたその綺麗な顔に更に驚く。
自分が今どうなっていのか理解が追いつかず、そのせいで下ろしてくれと言うのが間に合わなかった。
「サウルは肉より魚が好きですか?」
「うーん、どっちも」
「それは良いことです。サウルは野菜もきちんと食べてくれますからね。身体作りにはいいですよ………たぶん」
たぶん?
「あのオッサン肉しか食ってなかったけどでかかった」
「でも子どもっぽかったでしょ?身体も大事ですが頭を育てるには魚も野菜も一緒に食べた方がいいんですよ」
言い方はぼやかしているが何となく頭が良くないと言っている気がするのは気のせいだろうか?
あれからずっと抱えられながら歩いているが彼は私を下ろすつもりはないらしく、時々何が好きかなど聞きながら買い物を続けている。
なぜ自分は抱っこされているのだろうか?
確かに足は悪いとは言ったし、周りの人間たちの視線も怖く俯いてしまってはいたが、だからと言って足が痛いとも抱えてほしいとも言ってはいない。
歩みが遅過ぎたからかとも思ったが、そうだとしてもっと早く歩けと命令すれば済むことだ。
態々奴隷である自分を抱える必要はなく、手を煩わせるなと殴り飛ばされてもおかしくないのに。
なぜ?どうして?と混乱する頭で考えてはみるが答えは出ず、助けを求めるように後ろを見れば姉のイリスも戸惑ったような顔をしていた。
きっと彼女も混乱しているのだろう。
いくら幼いとは言え奴隷として買ったのだから自分たちが生きるも死ぬも彼次第だ。
正しくはその隣りを並んで歩く少年ではあるのだが。
「さっ、着きました。今日からここが2人のお家ですよ」
結局あれから一歩も自分の足で歩くことなく案内された。
まずは自己紹介からと自分とそう歳が変わらないだろう子どもたちを紹介される。
どうせ冷たくあしらわれるだけだと覚悟していたが笑ってよろしくと口々に言われ動けなくなった。
「まぁまぁ可愛らしい女の子たちね。今日からよろしくね」
「2人に頼みたかったお婆さんです。けど今日は色々あって疲れたでしょ?ご飯の用意はしておくので先にみんなと一緒にお風呂で汗を流してきたらいいですよ」
「お、おふろ?」
彼は何を言っているのだろう?奴隷の自分に風呂などまさかそんなと慌てたが、数人の女の子たちと共に浴場らしき場所まで連れていかれる。
「着替えはこれね。急がなくていいですからきちんとあったまってくるんですよ。ではユナちゃん、メイちゃんお願いします。可愛くしてあげて下さいね」
「りょうかいしました!」
「はーい!」
あははと笑い手を振る少女たちに手を引かれていく。
「ここがおふろだよ。エニシおにぃちゃんがつくってくれたの。すっごくきもちいいんだから!」
さぁ入ろうと服まで脱がされたが決して乱暴ではなく早く遊ぼうと誘われているようで、彼女たちが自分たち獣人に嫌悪感を抱いてないことが不思議で嬉しく、よく分からない感情に戸惑う。
「お、おねぇちゃん、いこ?」
「う、うん」
落ち着かない感情に、同じく戸惑っている姉に手を伸ばす。
いつも強気の姉もこの状況にまだ馴染めておらず、笑って手を伸ばしてくれる自分より年下だろう彼女たちにかなり戸惑っているようだ。
だが彼の話しが本当なら奴隷だが自分たちも身を清めることが出来るかもしれないと彼女たちに誘われるまま入っていく。
まずは身体をとゴシゴシと身体を洗われ、目いたいからとじててねと頭を洗われ、いい匂いと共に全身ピカピカにされた。
水を頭から被らされていた最近までと違い、優しくかけられる温かいお湯が身体をほぐしてくれるようだ。
「おふろいいでしょ!」
「エニシおにぃちゃんはおんな心がわかってるのよ」
「あいつ男だったわよね?」
「う、うん」
とても綺麗な顔立ちではあったが自分を抱えてくれた腕の力強さは確実に男性であった。
「このまえはカミかわいくしてくれた」
「わたしはお花のわっかおしえてもらった」
「……………本当に男よね?」
「う、うん?」
少し自信がなくなった。
「あっ、あかちゃんもつれてきてるからシャイアちゃんたちも後で見せてもらったらいいよ。2人みたいにかわいいミミあるから」
「ミミ?は?耳ってこの耳のこと?」
「うん!レイちゃんオオカミさんなんだって」
「「……………」」
もう訳が分からない。
話す度に信じられないことばかり聞かされ、しかし彼女たちが嘘を言っているような気配もない。
たった1日でこれほど混乱したのは初めてと言えるかもしれないと温かいお風呂の中考えるのだった。
「足が辛いでしよ?靴は脱いでいいですよ」
く、くつを脱ぐ?それでは歩けないと言う前に靴を脱がされたかと思えば、温かい手で優しく足を揉まれた。
今までなかったことにどうしたらいいか分からず視線を彷徨わせていればーー
「さっ、行きましょうか。イリスさんはもう少し頑張ってくれますか?」
腕に抱え上げられ近付いたその綺麗な顔に更に驚く。
自分が今どうなっていのか理解が追いつかず、そのせいで下ろしてくれと言うのが間に合わなかった。
「サウルは肉より魚が好きですか?」
「うーん、どっちも」
「それは良いことです。サウルは野菜もきちんと食べてくれますからね。身体作りにはいいですよ………たぶん」
たぶん?
「あのオッサン肉しか食ってなかったけどでかかった」
「でも子どもっぽかったでしょ?身体も大事ですが頭を育てるには魚も野菜も一緒に食べた方がいいんですよ」
言い方はぼやかしているが何となく頭が良くないと言っている気がするのは気のせいだろうか?
あれからずっと抱えられながら歩いているが彼は私を下ろすつもりはないらしく、時々何が好きかなど聞きながら買い物を続けている。
なぜ自分は抱っこされているのだろうか?
確かに足は悪いとは言ったし、周りの人間たちの視線も怖く俯いてしまってはいたが、だからと言って足が痛いとも抱えてほしいとも言ってはいない。
歩みが遅過ぎたからかとも思ったが、そうだとしてもっと早く歩けと命令すれば済むことだ。
態々奴隷である自分を抱える必要はなく、手を煩わせるなと殴り飛ばされてもおかしくないのに。
なぜ?どうして?と混乱する頭で考えてはみるが答えは出ず、助けを求めるように後ろを見れば姉のイリスも戸惑ったような顔をしていた。
きっと彼女も混乱しているのだろう。
いくら幼いとは言え奴隷として買ったのだから自分たちが生きるも死ぬも彼次第だ。
正しくはその隣りを並んで歩く少年ではあるのだが。
「さっ、着きました。今日からここが2人のお家ですよ」
結局あれから一歩も自分の足で歩くことなく案内された。
まずは自己紹介からと自分とそう歳が変わらないだろう子どもたちを紹介される。
どうせ冷たくあしらわれるだけだと覚悟していたが笑ってよろしくと口々に言われ動けなくなった。
「まぁまぁ可愛らしい女の子たちね。今日からよろしくね」
「2人に頼みたかったお婆さんです。けど今日は色々あって疲れたでしょ?ご飯の用意はしておくので先にみんなと一緒にお風呂で汗を流してきたらいいですよ」
「お、おふろ?」
彼は何を言っているのだろう?奴隷の自分に風呂などまさかそんなと慌てたが、数人の女の子たちと共に浴場らしき場所まで連れていかれる。
「着替えはこれね。急がなくていいですからきちんとあったまってくるんですよ。ではユナちゃん、メイちゃんお願いします。可愛くしてあげて下さいね」
「りょうかいしました!」
「はーい!」
あははと笑い手を振る少女たちに手を引かれていく。
「ここがおふろだよ。エニシおにぃちゃんがつくってくれたの。すっごくきもちいいんだから!」
さぁ入ろうと服まで脱がされたが決して乱暴ではなく早く遊ぼうと誘われているようで、彼女たちが自分たち獣人に嫌悪感を抱いてないことが不思議で嬉しく、よく分からない感情に戸惑う。
「お、おねぇちゃん、いこ?」
「う、うん」
落ち着かない感情に、同じく戸惑っている姉に手を伸ばす。
いつも強気の姉もこの状況にまだ馴染めておらず、笑って手を伸ばしてくれる自分より年下だろう彼女たちにかなり戸惑っているようだ。
だが彼の話しが本当なら奴隷だが自分たちも身を清めることが出来るかもしれないと彼女たちに誘われるまま入っていく。
まずは身体をとゴシゴシと身体を洗われ、目いたいからとじててねと頭を洗われ、いい匂いと共に全身ピカピカにされた。
水を頭から被らされていた最近までと違い、優しくかけられる温かいお湯が身体をほぐしてくれるようだ。
「おふろいいでしょ!」
「エニシおにぃちゃんはおんな心がわかってるのよ」
「あいつ男だったわよね?」
「う、うん」
とても綺麗な顔立ちではあったが自分を抱えてくれた腕の力強さは確実に男性であった。
「このまえはカミかわいくしてくれた」
「わたしはお花のわっかおしえてもらった」
「……………本当に男よね?」
「う、うん?」
少し自信がなくなった。
「あっ、あかちゃんもつれてきてるからシャイアちゃんたちも後で見せてもらったらいいよ。2人みたいにかわいいミミあるから」
「ミミ?は?耳ってこの耳のこと?」
「うん!レイちゃんオオカミさんなんだって」
「「……………」」
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