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お約束
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「ママ………」
「わっ!……あ、愛依ですか、びっくりした」
突如音もなく近付いてくると足に抱き付いてきた愛依に驚き危うく蹴り飛ばしてしまうところだった。
煩く鳴り続ける心臓を押さえつつ抱き上げてやれば、小さな手で抱き付いてくる。
「どうしました?昨日はよく眠れなかった?」
パタリと垂れた耳はいつも元気いっばい走り回っている愛依には珍しい。
どうしたのかと俯く頭を撫でてやれば、小さな声でママ元気になった?と聞かれた。
「?、ええ、元気ですよ」
「いっしょにおそといってくれる?」
不安そうに見上げてくる瞳に、これは随分心配させてしまったようだと苦笑いする。
「約束してましたね。いいですよ。今日はパパと真と一緒にお外に行きましょうか」
今度こそ狩りを成功させようと約束していたのを思い出し、待たせてしまって申し訳ないと謝った。
「エルにぃがママやすませてあげてって。だからアイまってたの」
「ありがとう。愛依のおかげで休めました。なので今日は愛依が頑張ってる姿をいっぱい見ますね」
「うん!」
漸く元気も出てきたようで、笑う愛依をそのまま抱えジークを探すことに。
「パパあっちだよ」
流石獣人だけあって的確にジークの居場所を探し当てると、狩りに行きたいと言う縁にジークも頷いてくれた。
「じゃあ真も呼んーー」
「シンここ」
「っ」
これまたいつの間にか足下にいた真に驚き腕に抱えていた愛依を落としそうになってしまったが、咄嗟にジークが支えてくれた。
元々物静かな真は現れるのも突然だ。
普段ならば愛依と元気に駆け寄ってくるためかなり驚いた。
「こら驚かすんじゃねぇよ」
「?、シンおいてかないで」
本人は特に意識してやったわけではないため首を傾げると、一緒に行くんだと足に抱き付いてきた。
「じゃあみんなで手を繋いで行きましょうか。さっ、お出かけの準備して下さい」
「「はーい」」
子どもたちが支度するのを待つ間軽くだが弁当を作り、繋たちのためにもご飯も用意しておくことに。
人間だが嗅覚がいいらしい繋が駆けつけ手伝ってくれたためそう時間もかからなかった。
「…………………で、なんで私が真ん中なんですか?」
「ママや?」
「いやではないんですけど………」
約束通り手を繋ぎ狩りに向かおうとする縁たちであったが、どうしてそうなったのか縁を真ん中に双子と手を繋ぎ歩くことになっていた。
普通こういう時は両親が端で子どもたちの手を繋ぐものではないだろうか?
ジークにいたっては手を繋ぐことすらせず、縁たちの前方を危険がないか確認しつつ歩いている。
「ほら、愛依ここならいいぞ」
「うん!」
なんだかなぁと呟く縁はそっちのけで罠を張り始めた愛依を見守る。
ついでと言ってはなんだが真には簡単に近くにある薬草を教えておいた。
罠を張り待つこと数十分………
今か今かと待つ子どもたちをよそに、若干飽きつつあった縁は眠たさに頭がフラつくのをジークが呆れながらも支えてくれていた。
のんびりすることは好きなのだがジッと待つだけというのは縁には向いていないようだ。
「………………よし。いくぞ」
「「うん」」
どうやら捕まったようなので縁も罠近くまで寄っていけば、真剣な顔でジークに教わる愛依の姿に微笑んだ。
こうして今日もまた彼女たちは成長しているのだろう。
何が正しいかは分からないが、元気に育ってくれているようならそれでいい。
町まで行けば学校もあるのだろうが、獣人である彼女たちが通えるはずもない。
出来るだけ縁の頭の中にある知識で教えてはいるが、はっきり言って自分が小学校、中学校で何をどの順番に教えてもらったかなど記憶の遠く彼方であり手こずってばかりである。
そもそも日本で受けた授業の中に狩りの方法を教えるものなどなかった。
子どもたちには何の知識が必要で、何を教えていくべきか今も手探りの状態だ。
「ママっ!とれた!」
見て見てと今日の戦利品片手に駆け寄ってきた愛依の頭を撫でてやる。
「大っきいのがとれましたね。流石は愛依です」
「へへっ。アイがんばったの!」
「じゃあ今日はみんなで愛依がとってくれたお肉を食べましょう。きっとみんな喜んでくれますよ」
やったぁと喜ぶ愛依に、それを見た真が自分がとったのも食べてと渡してくるのであった。
「パパは教えるのが上手かったみたいですね」
「うん!アイ、パパだいすき!」
「シンも」
それはいい事だと頷けば、それを聞いていたジークも嬉しそうに2人を抱き上げてやるのだった。
「パパも大好きだ!」
ジークには珍しい言葉ではあったが、キャッキャっと2人も楽しそうにジークに抱き付いていた。
「わっ!……あ、愛依ですか、びっくりした」
突如音もなく近付いてくると足に抱き付いてきた愛依に驚き危うく蹴り飛ばしてしまうところだった。
煩く鳴り続ける心臓を押さえつつ抱き上げてやれば、小さな手で抱き付いてくる。
「どうしました?昨日はよく眠れなかった?」
パタリと垂れた耳はいつも元気いっばい走り回っている愛依には珍しい。
どうしたのかと俯く頭を撫でてやれば、小さな声でママ元気になった?と聞かれた。
「?、ええ、元気ですよ」
「いっしょにおそといってくれる?」
不安そうに見上げてくる瞳に、これは随分心配させてしまったようだと苦笑いする。
「約束してましたね。いいですよ。今日はパパと真と一緒にお外に行きましょうか」
今度こそ狩りを成功させようと約束していたのを思い出し、待たせてしまって申し訳ないと謝った。
「エルにぃがママやすませてあげてって。だからアイまってたの」
「ありがとう。愛依のおかげで休めました。なので今日は愛依が頑張ってる姿をいっぱい見ますね」
「うん!」
漸く元気も出てきたようで、笑う愛依をそのまま抱えジークを探すことに。
「パパあっちだよ」
流石獣人だけあって的確にジークの居場所を探し当てると、狩りに行きたいと言う縁にジークも頷いてくれた。
「じゃあ真も呼んーー」
「シンここ」
「っ」
これまたいつの間にか足下にいた真に驚き腕に抱えていた愛依を落としそうになってしまったが、咄嗟にジークが支えてくれた。
元々物静かな真は現れるのも突然だ。
普段ならば愛依と元気に駆け寄ってくるためかなり驚いた。
「こら驚かすんじゃねぇよ」
「?、シンおいてかないで」
本人は特に意識してやったわけではないため首を傾げると、一緒に行くんだと足に抱き付いてきた。
「じゃあみんなで手を繋いで行きましょうか。さっ、お出かけの準備して下さい」
「「はーい」」
子どもたちが支度するのを待つ間軽くだが弁当を作り、繋たちのためにもご飯も用意しておくことに。
人間だが嗅覚がいいらしい繋が駆けつけ手伝ってくれたためそう時間もかからなかった。
「…………………で、なんで私が真ん中なんですか?」
「ママや?」
「いやではないんですけど………」
約束通り手を繋ぎ狩りに向かおうとする縁たちであったが、どうしてそうなったのか縁を真ん中に双子と手を繋ぎ歩くことになっていた。
普通こういう時は両親が端で子どもたちの手を繋ぐものではないだろうか?
ジークにいたっては手を繋ぐことすらせず、縁たちの前方を危険がないか確認しつつ歩いている。
「ほら、愛依ここならいいぞ」
「うん!」
なんだかなぁと呟く縁はそっちのけで罠を張り始めた愛依を見守る。
ついでと言ってはなんだが真には簡単に近くにある薬草を教えておいた。
罠を張り待つこと数十分………
今か今かと待つ子どもたちをよそに、若干飽きつつあった縁は眠たさに頭がフラつくのをジークが呆れながらも支えてくれていた。
のんびりすることは好きなのだがジッと待つだけというのは縁には向いていないようだ。
「………………よし。いくぞ」
「「うん」」
どうやら捕まったようなので縁も罠近くまで寄っていけば、真剣な顔でジークに教わる愛依の姿に微笑んだ。
こうして今日もまた彼女たちは成長しているのだろう。
何が正しいかは分からないが、元気に育ってくれているようならそれでいい。
町まで行けば学校もあるのだろうが、獣人である彼女たちが通えるはずもない。
出来るだけ縁の頭の中にある知識で教えてはいるが、はっきり言って自分が小学校、中学校で何をどの順番に教えてもらったかなど記憶の遠く彼方であり手こずってばかりである。
そもそも日本で受けた授業の中に狩りの方法を教えるものなどなかった。
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「じゃあ今日はみんなで愛依がとってくれたお肉を食べましょう。きっとみんな喜んでくれますよ」
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それはいい事だと頷けば、それを聞いていたジークも嬉しそうに2人を抱き上げてやるのだった。
「パパも大好きだ!」
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