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成長の証
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「ゆっくり、ゆっくりですよ」
「あー、あ、あー」
縁の言葉を理解出来ているとは思わないが、焦らないようにと声をかけつつ頑張れと応援する。
最近になって漸く掴まり立ちするようになった玲に、アレンも嬉しいのか後ろを付いて回っている。
転ばないようにと腰を支えているのだが、それでは練習にならないと早々に控えるように注意した。
「心配なのは分かりますけど、きっとすぐに歩けるようになりますよ」
「いや、でもな……」
可愛い娘が心配で仕方がないのだろう。
繋や愛依たちの時にも見た光景に苦笑いする。
「歩けるようになったら手を繋いで散歩に行きましょうね」
「そりゃいいな」
笑って頷くアレンに、ならば応援して上げてと言えば手を出すことはしなかったが時々頑張れと声をかけていた。
「……………本当は玲じゃなくて、レンという響きの名前にしたかったんです。けど私の頭じゃ、それに当てはまる文字が分からなかった」
どうせならアレンに似た響きの名前が良かったのだと言えば、そんなことないと首を振られた。
「玲でも十分だ。それに縁がそうやって考えてくれたことが一番嬉しい」
愛しい人に似た愛しい子。
出来れば少しでも似せたかった。
「それに女の子なんだから玲の方がいいだろ。けど玲ってどんな意味があるんだ?」
「綺麗な、澄んだ美しさとかだったはずです」
あまり自信はなかったが、確かそのような意味だったはず。
「そりゃいいな。けど俺の子がそうなるか?」
「容姿ならすでに心配ないでしょう?アレンに似て綺麗な子です」
すっと伸びた鼻筋に、愛嬌のある大きな瞳、父親譲りの可愛らしい狼の耳がピクピクと動く姿はとても可愛らしい。
見た目だけでいえば縁に似たところがないが、少量とはいえ魔力持ちなのは縁譲りだろう。
「でも何より心がそうであって欲しいと思ったんです。人を嫌うなとか恨むなとかいうことではなく、何があっても自分を見失わない、人として大事なそれを持って欲しかった」
生きていれば時には怒ることも泣くことも多々あるだろう。
だがその中でも人に流されず、惑わされず、澄んだ心で自分という存在を持って欲しかった。
「そっか……そうだな」
手を伸ばせば、躊躇いなく握られた手に微笑む。
「悩むことなく、迷うことなく手をとり、誰より私のことを愛してくれるアレンみたいに素敵な子になってほしいんです」
アレンたち縁には他の人間を選ぶ選択肢もあったと何度も謝られたが、逆だ。
人間たちだけの世界でいれば、縁は未だ独り身であった可能性の方が高い。
だが彼らが見つけ、縁を選んでくれた。
これだけ子を愛してくれている彼が、しかし子は出来ないかもしれないと知っても尚、縁を選んでくれた。
行かないで子どもみたいな我儘を言う自分に、アレンは何度も何度も大丈夫だからと背を撫でてくれた。
これほどの相手を得られたことは縁の宝だ。
番が多いことで我慢させていることも多々あるだろうに、彼らが縁に対してその不満をぶつけてくることはない。
当人たちは多少ぶつかりあっていることはあるようだが。
「アレンがいたから玲と出会うことが出来た。そんな幸せを玲にも見つけて欲しい」
ただ望むのは我が子の幸せ。
「俺も縁に会えて幸せだ。縁だから幸せだ」
そう言い抱き寄せらせた腕の中幸せを噛み締める。
あの時アレンが縁から離れず愛を伝え続けてくれたからこそ今がある。
「俺は絶対に縁から離れない。ずっとずっと一緒だ」
その言葉は何よりも縁が望んでいる言葉。
何があっても側にいてくれるという約束は縁に力をくれる。
「そうですね、ずっといっーー」
「あーーーっ!」
縁も頷き返そうとし、しかし突如上がった泣き声に振り向けば床に尻もちつく玲の姿があった。
「ああ、手を離しちまったのか。ほら、もう大丈夫だから泣きやめ~」
泣く玲の背をポンポンと叩き宥める姿はすっかりお父さんだ。
「3人で散歩はもう少し先みたいですね」
「いや、もしかしたら明日にはひょいひょい歩いてーー」
「あーーーーつ」
「……るわけないな。ほらほら玲大丈夫だぞ~」
子に振り回されるのはどこの親も同じだなと笑うと、アレンと一緒に盛大に泣く我が子を宥めるのだった。
「あー、あ、あー」
縁の言葉を理解出来ているとは思わないが、焦らないようにと声をかけつつ頑張れと応援する。
最近になって漸く掴まり立ちするようになった玲に、アレンも嬉しいのか後ろを付いて回っている。
転ばないようにと腰を支えているのだが、それでは練習にならないと早々に控えるように注意した。
「心配なのは分かりますけど、きっとすぐに歩けるようになりますよ」
「いや、でもな……」
可愛い娘が心配で仕方がないのだろう。
繋や愛依たちの時にも見た光景に苦笑いする。
「歩けるようになったら手を繋いで散歩に行きましょうね」
「そりゃいいな」
笑って頷くアレンに、ならば応援して上げてと言えば手を出すことはしなかったが時々頑張れと声をかけていた。
「……………本当は玲じゃなくて、レンという響きの名前にしたかったんです。けど私の頭じゃ、それに当てはまる文字が分からなかった」
どうせならアレンに似た響きの名前が良かったのだと言えば、そんなことないと首を振られた。
「玲でも十分だ。それに縁がそうやって考えてくれたことが一番嬉しい」
愛しい人に似た愛しい子。
出来れば少しでも似せたかった。
「それに女の子なんだから玲の方がいいだろ。けど玲ってどんな意味があるんだ?」
「綺麗な、澄んだ美しさとかだったはずです」
あまり自信はなかったが、確かそのような意味だったはず。
「そりゃいいな。けど俺の子がそうなるか?」
「容姿ならすでに心配ないでしょう?アレンに似て綺麗な子です」
すっと伸びた鼻筋に、愛嬌のある大きな瞳、父親譲りの可愛らしい狼の耳がピクピクと動く姿はとても可愛らしい。
見た目だけでいえば縁に似たところがないが、少量とはいえ魔力持ちなのは縁譲りだろう。
「でも何より心がそうであって欲しいと思ったんです。人を嫌うなとか恨むなとかいうことではなく、何があっても自分を見失わない、人として大事なそれを持って欲しかった」
生きていれば時には怒ることも泣くことも多々あるだろう。
だがその中でも人に流されず、惑わされず、澄んだ心で自分という存在を持って欲しかった。
「そっか……そうだな」
手を伸ばせば、躊躇いなく握られた手に微笑む。
「悩むことなく、迷うことなく手をとり、誰より私のことを愛してくれるアレンみたいに素敵な子になってほしいんです」
アレンたち縁には他の人間を選ぶ選択肢もあったと何度も謝られたが、逆だ。
人間たちだけの世界でいれば、縁は未だ独り身であった可能性の方が高い。
だが彼らが見つけ、縁を選んでくれた。
これだけ子を愛してくれている彼が、しかし子は出来ないかもしれないと知っても尚、縁を選んでくれた。
行かないで子どもみたいな我儘を言う自分に、アレンは何度も何度も大丈夫だからと背を撫でてくれた。
これほどの相手を得られたことは縁の宝だ。
番が多いことで我慢させていることも多々あるだろうに、彼らが縁に対してその不満をぶつけてくることはない。
当人たちは多少ぶつかりあっていることはあるようだが。
「アレンがいたから玲と出会うことが出来た。そんな幸せを玲にも見つけて欲しい」
ただ望むのは我が子の幸せ。
「俺も縁に会えて幸せだ。縁だから幸せだ」
そう言い抱き寄せらせた腕の中幸せを噛み締める。
あの時アレンが縁から離れず愛を伝え続けてくれたからこそ今がある。
「俺は絶対に縁から離れない。ずっとずっと一緒だ」
その言葉は何よりも縁が望んでいる言葉。
何があっても側にいてくれるという約束は縁に力をくれる。
「そうですね、ずっといっーー」
「あーーーっ!」
縁も頷き返そうとし、しかし突如上がった泣き声に振り向けば床に尻もちつく玲の姿があった。
「ああ、手を離しちまったのか。ほら、もう大丈夫だから泣きやめ~」
泣く玲の背をポンポンと叩き宥める姿はすっかりお父さんだ。
「3人で散歩はもう少し先みたいですね」
「いや、もしかしたら明日にはひょいひょい歩いてーー」
「あーーーーつ」
「……るわけないな。ほらほら玲大丈夫だぞ~」
子に振り回されるのはどこの親も同じだなと笑うと、アレンと一緒に盛大に泣く我が子を宥めるのだった。
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