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どうして?
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その日は妹の繋のお願いで一緒に本を読んでいた。
隣りには兄のエルも並んで座り、彼女が分からないところを教えて上げる。
「繋はアズと一緒で本を読むのが好きだね」
「でもアズにぃみたいにいっぱい読めないの」
確かに自分が読む魔導書などは人によって向き不向きがあるだろう。
本によっては小難しい言葉なども出てくるため、基本的に楽しむために本を読んでいる妹にはまだ早いと思う。
「あー、まぁ、アズは勉強のために読んでるみたいなもんだしね」
「そっか~。アズにぃすごいね」
ある意味もう勉強というより趣味になりつつあるのだが、繋がそれで納得しているようなので特に何も言わなかった。
「それに繋は女の子なんだから、こっちの物語りとかのほうがいいんじゃない?」
「…………うん」
女の子ならばと可愛らしい絵がのっている本を兄が渡すが、どこか元気がない様子にどうしたのかと首を傾げる。
「繋?どうしたの?」
「……………エルにぃ、アズにぃ、ケイのママはどうして女の子じゃないの?」
「え」
「……………」
突然の言葉に驚きはしたが、それは以前に自分も経験したことだった。
自分とは多少状況や立場は違うかもしれないが、彼女がそう疑問に思うことは不思議ではないだろう。
「繋は女の子じゃないママはイヤ?嫌いになった?」
どう答えていいのかと焦る兄の姿を横目に見つつ、なぜそう思ったのか聞いてみる。
「ううん。けど、お友だちのママみんな、ケイのママとちがったから」
当然と言えば当然の疑問だろう。
まだ子どもとはいえ男女の違いぐらい繋ももう理解しており、その上での疑問なのだ。
とりあえず虐められたとかではないようでホッと胸を撫で下ろす。
「そっか。そう、だね。でもみんなのママとは違うかもしれないけど、エニシも繋のこと、みんなのママと同じようにきっと大好きだよ」
「…………うん」
兄が何とか励まそうとするが、それが求めていた答えではないのだろう。
「うちは他の家とはちょっと違うかもね」
「ちがう?」
そうと頷き手を差し出せば、何の疑問も抱かずに乗せられた小さな手を握る。
「確かにママは僕たちと同じ男だけど、それだけだよ。ママは繋のことも、僕のことも、お兄ちゃんのことも大好きだって言ってくれる。他の違う家族たちみたいに」
男女の差はあれど、自分たちのことを大好きだと言ってくれる言葉に嘘も愛情の差なんてものもない。
「それにママは他のママとは違うかもしれないけど、だからすごいんだよ。ママだから出来ることがいっぱいだよ?」
意味が分からないと首を傾げる繋の手に少量魔力を流せば、魔法の練習だと思ったのか彼女も自分の魔力を返してきた。
「分かる?繋はママの子だからこうやって魔力を持ってるし、魔法を使うこともできる」
ママ譲りの魔力はとても温かく心地良い。
「繋の好きなたかいたかいも魔法が使えるからなんだよ」
「そっか。ママすごいんだ」
流石に今はもうやっていないが、幼い頃にやってもらったことを今も忘れてないのだろう。
「それに繋の好きなミソもママが作り始めたんだよ。今食べてる美味しいご飯も半分以上はママが作りだしたんだ」
ダンジョンのおかげも多少はあるが、以前は塩だけの軽い味付け程度だけだったご飯たちをママが変えた。
毎日美味しいとみんなが笑っていられるのはママのおかげなのだ。
「ブランコも、真たちの家だってママがいたから出来たんだよ」
「家作り直すほどの変わり者だからね」
うんうんと頷く兄はどことなく呆れてもいるようだった。
「こうやって僕が繋に色々教えて上げられるのもママが教えてくれたからだよ」
読み書き以前にいつ死ぬかも分からない状況の中で伸ばされた手は本当に温かく、求めた以上のものを与えてくれた。
何度不安に涙を溢しそうになっても変わらず抱きしめてくれた。
「それに……ママって言い出したのは僕なんだよ。ママって呼びたいって僕が言ったんだ」
アレンとセイン、突如始まった4人での生活でそう呼びたいと言い出したのは他ならぬ自分だった。
本当の母親とのこともあり、この優しい人なら自分のことを守ってくれるのでは思ったのだ。
本当の母親に与えられなかったもの、優しい声に温かい手、求めていた言葉、温かい美味しいご飯に帰るべき場所。
「僕のせいなんだ」
最初こそおじいちゃんなんて呼んでほしいとママは言っていたのに、自分がそう求めた。
「繋を産んだのはママに間違いないけど、パパたちもいるからママはママのままでいてくれてるんだ」
同じ男としてママと呼ばれることに何かしら思うことがあるだろうにママが止めることは1度だってなかった。
自分が望んだままママでいてくれている。
「アズにぃはママ好き?」
「好きだよ。大好き」
それはあの日、彼に買われた日から変わることはない。
今も、勿論これからも………
隣りには兄のエルも並んで座り、彼女が分からないところを教えて上げる。
「繋はアズと一緒で本を読むのが好きだね」
「でもアズにぃみたいにいっぱい読めないの」
確かに自分が読む魔導書などは人によって向き不向きがあるだろう。
本によっては小難しい言葉なども出てくるため、基本的に楽しむために本を読んでいる妹にはまだ早いと思う。
「あー、まぁ、アズは勉強のために読んでるみたいなもんだしね」
「そっか~。アズにぃすごいね」
ある意味もう勉強というより趣味になりつつあるのだが、繋がそれで納得しているようなので特に何も言わなかった。
「それに繋は女の子なんだから、こっちの物語りとかのほうがいいんじゃない?」
「…………うん」
女の子ならばと可愛らしい絵がのっている本を兄が渡すが、どこか元気がない様子にどうしたのかと首を傾げる。
「繋?どうしたの?」
「……………エルにぃ、アズにぃ、ケイのママはどうして女の子じゃないの?」
「え」
「……………」
突然の言葉に驚きはしたが、それは以前に自分も経験したことだった。
自分とは多少状況や立場は違うかもしれないが、彼女がそう疑問に思うことは不思議ではないだろう。
「繋は女の子じゃないママはイヤ?嫌いになった?」
どう答えていいのかと焦る兄の姿を横目に見つつ、なぜそう思ったのか聞いてみる。
「ううん。けど、お友だちのママみんな、ケイのママとちがったから」
当然と言えば当然の疑問だろう。
まだ子どもとはいえ男女の違いぐらい繋ももう理解しており、その上での疑問なのだ。
とりあえず虐められたとかではないようでホッと胸を撫で下ろす。
「そっか。そう、だね。でもみんなのママとは違うかもしれないけど、エニシも繋のこと、みんなのママと同じようにきっと大好きだよ」
「…………うん」
兄が何とか励まそうとするが、それが求めていた答えではないのだろう。
「うちは他の家とはちょっと違うかもね」
「ちがう?」
そうと頷き手を差し出せば、何の疑問も抱かずに乗せられた小さな手を握る。
「確かにママは僕たちと同じ男だけど、それだけだよ。ママは繋のことも、僕のことも、お兄ちゃんのことも大好きだって言ってくれる。他の違う家族たちみたいに」
男女の差はあれど、自分たちのことを大好きだと言ってくれる言葉に嘘も愛情の差なんてものもない。
「それにママは他のママとは違うかもしれないけど、だからすごいんだよ。ママだから出来ることがいっぱいだよ?」
意味が分からないと首を傾げる繋の手に少量魔力を流せば、魔法の練習だと思ったのか彼女も自分の魔力を返してきた。
「分かる?繋はママの子だからこうやって魔力を持ってるし、魔法を使うこともできる」
ママ譲りの魔力はとても温かく心地良い。
「繋の好きなたかいたかいも魔法が使えるからなんだよ」
「そっか。ママすごいんだ」
流石に今はもうやっていないが、幼い頃にやってもらったことを今も忘れてないのだろう。
「それに繋の好きなミソもママが作り始めたんだよ。今食べてる美味しいご飯も半分以上はママが作りだしたんだ」
ダンジョンのおかげも多少はあるが、以前は塩だけの軽い味付け程度だけだったご飯たちをママが変えた。
毎日美味しいとみんなが笑っていられるのはママのおかげなのだ。
「ブランコも、真たちの家だってママがいたから出来たんだよ」
「家作り直すほどの変わり者だからね」
うんうんと頷く兄はどことなく呆れてもいるようだった。
「こうやって僕が繋に色々教えて上げられるのもママが教えてくれたからだよ」
読み書き以前にいつ死ぬかも分からない状況の中で伸ばされた手は本当に温かく、求めた以上のものを与えてくれた。
何度不安に涙を溢しそうになっても変わらず抱きしめてくれた。
「それに……ママって言い出したのは僕なんだよ。ママって呼びたいって僕が言ったんだ」
アレンとセイン、突如始まった4人での生活でそう呼びたいと言い出したのは他ならぬ自分だった。
本当の母親とのこともあり、この優しい人なら自分のことを守ってくれるのでは思ったのだ。
本当の母親に与えられなかったもの、優しい声に温かい手、求めていた言葉、温かい美味しいご飯に帰るべき場所。
「僕のせいなんだ」
最初こそおじいちゃんなんて呼んでほしいとママは言っていたのに、自分がそう求めた。
「繋を産んだのはママに間違いないけど、パパたちもいるからママはママのままでいてくれてるんだ」
同じ男としてママと呼ばれることに何かしら思うことがあるだろうにママが止めることは1度だってなかった。
自分が望んだままママでいてくれている。
「アズにぃはママ好き?」
「好きだよ。大好き」
それはあの日、彼に買われた日から変わることはない。
今も、勿論これからも………
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