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時には大事
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「………コリンさん」
「え、えっと、その………ごめんなさい」
素直に頭を下げ謝る彼女に苦笑いする。
彼女だけを責めるつもりはないが、明らかに自分に否があると分かっているのか言い訳もしなかった。
あれからヨナを寝かせ調理場に戻った縁だったが、やはりと言うか案の定と言ったらいいのか見事にから揚げは完売していた。
それだけならば縁も喜んでもらえて良かったと頷くのだが、その隣りでは自分の分がないと嘆く数人の大人たちの姿に全てを悟った。
コリンたちが彼らの分まで食べてしまったのだと。
「すまない」
「わ、わりぃ」
「ついね。ごめんなさい」
コリンと並び床に正座し謝るAランク冒険者たち。
未だFランクである縁に、しかし彼らは怒ることなく素直に頭を下げている。
「まぁ、食べてしまったものは仕方ありませんね。けどまだ食べられなくて悲しんでいる方もいるので何か他に作りましょうか」
「「「「っ!!」」」」
縁の言葉にそれまで床で嘆き悲しんでいた大人たちが瞬時に立ち上げる。
ありがとうと涙を流し握手を求められ、流石の縁も引いた。
ぎこちないながらも笑い返し、もう少し待っていて欲しいと頼めば物凄い勢いで頷き仕事に戻っていくのだった。
「……アンタいつの間にアイツらを手懐けたんだい?」
「いや、そんな犬猫みたいな。………でも本当に何ででしょうかね?」
彼らとは以前も一緒に食事をとったことはあったが、まさかそれだけでああなるとは思えない。
「みなさんお疲れなんですかね?」
最早疲れからくる異常事態としか考えられない縁であった。
「さぁさぁ、そうと決まれば私も手伝うわ。あ、貴方は呼ばれるまでそこで待機よ」
「はい」
「ククルさん……」
こちらはこちらで上下関係が激しい夫婦である。
自分たち夫婦も外から見ればこんか感じなのかと少々心配になってくるのであった。
「では揚げ物ついでに豚カツにしましょうか」
ここまできて肉ではなく魚と言えば皆残念がるだろうと豚カツを提案すれば、これまた顔を輝かせた奥様にククルが叩かれていた。
とっととメモしろということらしい。
愛情が激しい。
大体の作り方を教えながら一緒に作っていけば、やはり普段からしているだけあり手際がいい彼女はあっさりと完成させていた。
「では後はこちらに挟んでもらって……」
「はさむ?」
事前に切っておいたキャベツの千切りに、出来立てのカツを挟みソースをかける。
他にもトマトを挟んだものや、チーズを挟んだものなど数種類作りつつ数もあるため皆に手伝ってもらう。
「後はこれをーー」
「ぐすぐす」
ふと鼻を啜るような音が聞こえた気がし振り向く。
「あっ、起きちゃいましたか」
見れば人形片手にトボトボ歩いてくるヨナの姿があった。
意外に時間が経っていたようで、起きても誰もいなかったことに不安になったのか少し涙目である。
「おはよう、ヨナちゃん」
調理中で手が離せないため声だけかけてみれば、足早に近寄って来て縁の足に張り付いてきた。
「ヨナちゃん、もう少しで出来るのであっちで座って待っててくれませんか?」
この状態では抱き抱えてやるのこともできないため待っていて欲しいと頼むが、イヤだとばかりに首を振り頭を擦り付けてくる。
どうしようかと困っていれば、先に作業を終えたらしいククルの奥様がにっこりと笑いヨナの頭を撫でていた。
「ヨナちゃん、おはよう。おばさんのこと覚えてるかしら?おばさん暇だから、エニシくんが終わるまで一緒にお茶でもしてくれたら嬉しいんだけどダメかしら?」
「いいですね。ヨナちゃんが作ってくれたジュースもあるので味見してくれたらとても助かります」
手伝ってくれたら嬉しいなとお願いすれば、少し悩みながらも素直に椅子に腰かけてくれたのだった。
「ククルさんのところは確か息子さんがお2人でしたっけ?」
「そうです。もう成人しているんですが、どうにも妻に似たらしく何でも自分たちでしてしまう子たちでして、あまり父親らしいことをしてやれませんでした」
手がかからないのは嬉しいが、親として可愛い我が子に何かしてやりたいというのが親心だろう。
「あっ、そういえばその息子たちなんですが1度エニシくんに会いたいと。会ってもらえますか?」
「それは構いませんが…」
会ってどうするというのだろうか?
もしや、よくもうちの両親をこき使いやがってと文句の一つでも言いたいということか?
ククル自身は嬉々としてやってくれているが、子から見れば見知らぬ男が父親をこき使っているようにしか見えないのかもしれない。
「ぜひ会ってやって下さい。長男はエニシくんが考案した調理器具に興味があるようで、次男は醤油がかなり気に入ったらしく他にも珍しい調味料があれば教えてほしいと」
菓子折りでも持って謝罪に行かねばと考えていたのだが、まさかの教えを乞いたいという言葉に何故と首を傾げるしかないのであった。
「え、えっと、その………ごめんなさい」
素直に頭を下げ謝る彼女に苦笑いする。
彼女だけを責めるつもりはないが、明らかに自分に否があると分かっているのか言い訳もしなかった。
あれからヨナを寝かせ調理場に戻った縁だったが、やはりと言うか案の定と言ったらいいのか見事にから揚げは完売していた。
それだけならば縁も喜んでもらえて良かったと頷くのだが、その隣りでは自分の分がないと嘆く数人の大人たちの姿に全てを悟った。
コリンたちが彼らの分まで食べてしまったのだと。
「すまない」
「わ、わりぃ」
「ついね。ごめんなさい」
コリンと並び床に正座し謝るAランク冒険者たち。
未だFランクである縁に、しかし彼らは怒ることなく素直に頭を下げている。
「まぁ、食べてしまったものは仕方ありませんね。けどまだ食べられなくて悲しんでいる方もいるので何か他に作りましょうか」
「「「「っ!!」」」」
縁の言葉にそれまで床で嘆き悲しんでいた大人たちが瞬時に立ち上げる。
ありがとうと涙を流し握手を求められ、流石の縁も引いた。
ぎこちないながらも笑い返し、もう少し待っていて欲しいと頼めば物凄い勢いで頷き仕事に戻っていくのだった。
「……アンタいつの間にアイツらを手懐けたんだい?」
「いや、そんな犬猫みたいな。………でも本当に何ででしょうかね?」
彼らとは以前も一緒に食事をとったことはあったが、まさかそれだけでああなるとは思えない。
「みなさんお疲れなんですかね?」
最早疲れからくる異常事態としか考えられない縁であった。
「さぁさぁ、そうと決まれば私も手伝うわ。あ、貴方は呼ばれるまでそこで待機よ」
「はい」
「ククルさん……」
こちらはこちらで上下関係が激しい夫婦である。
自分たち夫婦も外から見ればこんか感じなのかと少々心配になってくるのであった。
「では揚げ物ついでに豚カツにしましょうか」
ここまできて肉ではなく魚と言えば皆残念がるだろうと豚カツを提案すれば、これまた顔を輝かせた奥様にククルが叩かれていた。
とっととメモしろということらしい。
愛情が激しい。
大体の作り方を教えながら一緒に作っていけば、やはり普段からしているだけあり手際がいい彼女はあっさりと完成させていた。
「では後はこちらに挟んでもらって……」
「はさむ?」
事前に切っておいたキャベツの千切りに、出来立てのカツを挟みソースをかける。
他にもトマトを挟んだものや、チーズを挟んだものなど数種類作りつつ数もあるため皆に手伝ってもらう。
「後はこれをーー」
「ぐすぐす」
ふと鼻を啜るような音が聞こえた気がし振り向く。
「あっ、起きちゃいましたか」
見れば人形片手にトボトボ歩いてくるヨナの姿があった。
意外に時間が経っていたようで、起きても誰もいなかったことに不安になったのか少し涙目である。
「おはよう、ヨナちゃん」
調理中で手が離せないため声だけかけてみれば、足早に近寄って来て縁の足に張り付いてきた。
「ヨナちゃん、もう少しで出来るのであっちで座って待っててくれませんか?」
この状態では抱き抱えてやるのこともできないため待っていて欲しいと頼むが、イヤだとばかりに首を振り頭を擦り付けてくる。
どうしようかと困っていれば、先に作業を終えたらしいククルの奥様がにっこりと笑いヨナの頭を撫でていた。
「ヨナちゃん、おはよう。おばさんのこと覚えてるかしら?おばさん暇だから、エニシくんが終わるまで一緒にお茶でもしてくれたら嬉しいんだけどダメかしら?」
「いいですね。ヨナちゃんが作ってくれたジュースもあるので味見してくれたらとても助かります」
手伝ってくれたら嬉しいなとお願いすれば、少し悩みながらも素直に椅子に腰かけてくれたのだった。
「ククルさんのところは確か息子さんがお2人でしたっけ?」
「そうです。もう成人しているんですが、どうにも妻に似たらしく何でも自分たちでしてしまう子たちでして、あまり父親らしいことをしてやれませんでした」
手がかからないのは嬉しいが、親として可愛い我が子に何かしてやりたいというのが親心だろう。
「あっ、そういえばその息子たちなんですが1度エニシくんに会いたいと。会ってもらえますか?」
「それは構いませんが…」
会ってどうするというのだろうか?
もしや、よくもうちの両親をこき使いやがってと文句の一つでも言いたいということか?
ククル自身は嬉々としてやってくれているが、子から見れば見知らぬ男が父親をこき使っているようにしか見えないのかもしれない。
「ぜひ会ってやって下さい。長男はエニシくんが考案した調理器具に興味があるようで、次男は醤油がかなり気に入ったらしく他にも珍しい調味料があれば教えてほしいと」
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