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ちがう親子
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「あれ?人形用の服はなかったんですか?」
「ううん。つくるって」
「作る?……服を?」
え?誰が?
膝に乗り嬉しそうにそう報告してくれるヨナには申し訳ないが、自分はそんなに器用な人間ではなく、作るための知識も持ち合わせてはいない。
「ヨナちゃんにお人形とお揃いが欲しいって言われたの。大丈夫、私これでも裁縫は得意だから出来たら2人にも見せるわね」
どうしようかと悩んでいた縁に、任せなさいとばかりにアリーが笑っていた。
それは有り難い。
「楽しみですね」
「うん」
「あの、エニシさん……その子は?」
他には何を買ったのかと話していれば、恐る恐るといった様子でクアラが尋ねてきた。
その後ろでは殴られたところが痛いのか、頭を抱えて蹲るイアラの姿が。
「もしやエニシさんのーー」
「違います。わけあって一時的に預かっている子です」
「あ、そうなんですか……」
何を期待したか分からないが、我が子たちはきっと家で元気に遊んでいると思う。
翔と玲が少々心配ではあるが。
泣いていなければいいなと考えつつ、ヨナを下ろすと兄弟2人の前に立たせる。
「ヨナちゃんと言います。仲良くしてもらえると嬉しいです」
そういえば言ってなかったと簡単に説明しつつ、気軽に話しかけて上げて欲しいとお願いしすれば笑って頷いてくれた。
やはり客商売なのもあり、2人とも愛想がいい。
こんにちはにこやかに挨拶する姿に、なんでいつもそうしていられないんだとアリーが呆れていた。
「母さんに似たんです。自覚ないんですか?」
「そうそう。父さんだって母さんに怯ーー痛ったっ!」
再びくらった拳骨に兄弟は蹲るのだった。
そんなククル一家を見つつ、自分は子どもたちにも番たちにも怒って殴ったことなどなかったなと考える。
まぁ縁が全力でアレンたちに殴りかかったとしても避けられるがオチだが。
逆に自分がその反動で転ける気がする。
「ククルさんも怒る時はあんな感じなんですか?」
普段のククルからは想像出来なかったが、アリーと兄弟を見ているとこれが日常なのだと思える。
ならばククルもかと思ったが、いい笑顔で首を振られた。
「私は拳よりも言葉で勝つのが好きです」
叱る方法を聞いていたのだが、何故か好き嫌いの話しになってしまっている。
「……でもさっきはお2人に負けてましたよね?」
食べさせてもらえないと落ち込んでいたじゃないかと言えば……
「あれはエニシくんに言われたからです。あの2人だけでしたら奪いとってました」
それはそれで問題では?というかそれは言葉での勝利と言えるのだろうか?
しかしそれがこの家族なのだろう。
こんなやりとりをしながらも不仲という様子は見られないので。
「………私ももっと強く叱った方がいいんですかね?」
彼らの親子ゲンカを側で見て、自分の叱り方に自信がなくなってきた。
「うーん、多分ですがエニシくんならそのままでいいと思いますよ。あれはうちの子たちが変に捻くれているからなので」
エニシくんの子どもたちは凄く素直そうですねと言われ、言われてみればそうかもしれないと考える。
繋たちはまだ小さいというのもあるが、アズやエルにしてもそこまで頑固ということもなく、悪いことをしたらちゃんと謝れる子たちだ。
「下手に知識が付き始めたら大変ですけどね。どこで覚えたんだって言葉を使ってきますよ」
イヤだなぁ。
アズが縁をおふくろとか言い出したらどうしよう。
繋がママうぜぇとか言い出したら……泣くかも。
エルは……意外に大丈夫かな。元からあまり口は良くなかったので。
縁たちと暮らし始めてから落ち着いてはきたが。
「クアラがアリーに向かってうっせぇババアと言った時は思い切り殴って外に放り出したこともありました」
「…………」
会ったばかりだが、これまでのクアラとババアと言うクアラが結び付かず唸る。
いや、そもそも言葉の勝利はどこ行った?
「でもちゃんと謝ってきたんですよね?」
「いえ、生意気にも今度は私にうっせぇブタと言ってきたのでアリーが思い切り殴って数日再び外に放置しました」
かなり過激な家族だった。
今の親子ゲンカなどお遊び程度なのかもしれない。
「まぁアイツも意地になっていたみたいなのでイアラに迎えに行かせて、やっと帰ってきた時にはちゃんと謝ってきましたよ。それからは今のこの感じに落ち着きましたね」
想像していたより派手な親子ゲンカをしていたことに驚いたが、その結果今の関係に落ち着いたなら良かったということだろう。
……………いや、いいのか?
「ククルさんはその……お2人のこと大切に想っているんですよね?」
「なんて言うんですかね、あんなことがあってもやっぱりあの子たちは私にとって可愛い我が子に変わりないんですよ。アリーと私との大切な子たちです」
親って難しいですねと溢すククルに縁もそっと頷くのであった。
「ううん。つくるって」
「作る?……服を?」
え?誰が?
膝に乗り嬉しそうにそう報告してくれるヨナには申し訳ないが、自分はそんなに器用な人間ではなく、作るための知識も持ち合わせてはいない。
「ヨナちゃんにお人形とお揃いが欲しいって言われたの。大丈夫、私これでも裁縫は得意だから出来たら2人にも見せるわね」
どうしようかと悩んでいた縁に、任せなさいとばかりにアリーが笑っていた。
それは有り難い。
「楽しみですね」
「うん」
「あの、エニシさん……その子は?」
他には何を買ったのかと話していれば、恐る恐るといった様子でクアラが尋ねてきた。
その後ろでは殴られたところが痛いのか、頭を抱えて蹲るイアラの姿が。
「もしやエニシさんのーー」
「違います。わけあって一時的に預かっている子です」
「あ、そうなんですか……」
何を期待したか分からないが、我が子たちはきっと家で元気に遊んでいると思う。
翔と玲が少々心配ではあるが。
泣いていなければいいなと考えつつ、ヨナを下ろすと兄弟2人の前に立たせる。
「ヨナちゃんと言います。仲良くしてもらえると嬉しいです」
そういえば言ってなかったと簡単に説明しつつ、気軽に話しかけて上げて欲しいとお願いしすれば笑って頷いてくれた。
やはり客商売なのもあり、2人とも愛想がいい。
こんにちはにこやかに挨拶する姿に、なんでいつもそうしていられないんだとアリーが呆れていた。
「母さんに似たんです。自覚ないんですか?」
「そうそう。父さんだって母さんに怯ーー痛ったっ!」
再びくらった拳骨に兄弟は蹲るのだった。
そんなククル一家を見つつ、自分は子どもたちにも番たちにも怒って殴ったことなどなかったなと考える。
まぁ縁が全力でアレンたちに殴りかかったとしても避けられるがオチだが。
逆に自分がその反動で転ける気がする。
「ククルさんも怒る時はあんな感じなんですか?」
普段のククルからは想像出来なかったが、アリーと兄弟を見ているとこれが日常なのだと思える。
ならばククルもかと思ったが、いい笑顔で首を振られた。
「私は拳よりも言葉で勝つのが好きです」
叱る方法を聞いていたのだが、何故か好き嫌いの話しになってしまっている。
「……でもさっきはお2人に負けてましたよね?」
食べさせてもらえないと落ち込んでいたじゃないかと言えば……
「あれはエニシくんに言われたからです。あの2人だけでしたら奪いとってました」
それはそれで問題では?というかそれは言葉での勝利と言えるのだろうか?
しかしそれがこの家族なのだろう。
こんなやりとりをしながらも不仲という様子は見られないので。
「………私ももっと強く叱った方がいいんですかね?」
彼らの親子ゲンカを側で見て、自分の叱り方に自信がなくなってきた。
「うーん、多分ですがエニシくんならそのままでいいと思いますよ。あれはうちの子たちが変に捻くれているからなので」
エニシくんの子どもたちは凄く素直そうですねと言われ、言われてみればそうかもしれないと考える。
繋たちはまだ小さいというのもあるが、アズやエルにしてもそこまで頑固ということもなく、悪いことをしたらちゃんと謝れる子たちだ。
「下手に知識が付き始めたら大変ですけどね。どこで覚えたんだって言葉を使ってきますよ」
イヤだなぁ。
アズが縁をおふくろとか言い出したらどうしよう。
繋がママうぜぇとか言い出したら……泣くかも。
エルは……意外に大丈夫かな。元からあまり口は良くなかったので。
縁たちと暮らし始めてから落ち着いてはきたが。
「クアラがアリーに向かってうっせぇババアと言った時は思い切り殴って外に放り出したこともありました」
「…………」
会ったばかりだが、これまでのクアラとババアと言うクアラが結び付かず唸る。
いや、そもそも言葉の勝利はどこ行った?
「でもちゃんと謝ってきたんですよね?」
「いえ、生意気にも今度は私にうっせぇブタと言ってきたのでアリーが思い切り殴って数日再び外に放置しました」
かなり過激な家族だった。
今の親子ゲンカなどお遊び程度なのかもしれない。
「まぁアイツも意地になっていたみたいなのでイアラに迎えに行かせて、やっと帰ってきた時にはちゃんと謝ってきましたよ。それからは今のこの感じに落ち着きましたね」
想像していたより派手な親子ゲンカをしていたことに驚いたが、その結果今の関係に落ち着いたなら良かったということだろう。
……………いや、いいのか?
「ククルさんはその……お2人のこと大切に想っているんですよね?」
「なんて言うんですかね、あんなことがあってもやっぱりあの子たちは私にとって可愛い我が子に変わりないんですよ。アリーと私との大切な子たちです」
親って難しいですねと溢すククルに縁もそっと頷くのであった。
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