アオソラ診察室

No.26

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episode3 それはきっと依存症

03

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「……………何これ」
「エプロンドレス」
 白いフリフリのエプロンがついた淡い紫色のワンピースを見て、顔をしかめる宙に、俺はそう言った。
 夕方、俺の家。ドレスを持ったまま固まってる宙に、俺は土下座した。
「頼む、着てくれ! 宙に料理をしてもらうときは絶対にこれを着てもらおうと決めてたんだ!!」
「やだよ!! 蒼、まだそういう趣味あるの?! 前はオレも高校生だったからこういうのノリで着てあげたりしてたけどさ、流石に今はもう成人だよ?! 絶対着ないから!!!」
 宙はそう言って、ドレスを俺に放った。
 俺はドレスを受け取って、膝を抱える。
「なんだよ、絶対似合うのに。さっき兄貴にはあんなに……」
 思わずそう呟いて、ハッと我に返った。
 顔を上げると、宙と目が合った。
 ……しまった。
 宙は、俺におずおずと聞いた。
「ねえ、やっぱり、嫉妬してたの?」
「………………」
 墓穴を掘ってしまったことに気付いて、膝に顔を押し付けた。
「……いいよ、気にしなくて。自分でも面倒くさいってわかってる」
 ちょっと他の男と仲良くしていただけでナイーブになるなんて、我ながら面倒くさすぎる。
 でも、宙は笑って、
「オレは嫉妬してもらえるの、結構嬉しいよ?」
「………………」
 宙は俺の隣に座って、膝を抱える。
「正直に言ってよ。蒼、どの程度まで許せる?」
「……宙が他の人のこと褒めたり、他の人に褒められたりするの、嫌だなって思う。少なくとも俺の前では」
「わかった。ごめんね?」
「いや、謝って欲しいわけじゃなくて……俺が寂しいだけって言うかさ……」
 そう答えると、宙に頭を撫でられる。
 いろんな感情が混ざって、もう我慢できずに、宙を抱きしめた。
「っ、あおい」
「好きだよ、宙。お前が世界で一番可愛いよ」
「え、な、何、急に、照れるんだけど」
 宙は照れたように、視線を泳がせる。
 その仕草が、あまりにも可愛くて。
 だから、思わず溢してしまったんだ。
「本当は、俺以外の人と話して欲しくない」
 本音を。
「え」
 宙は目を丸くして、俺を見つめた。
 ……とんでもないことを言ったことに気付いて、慌てて首を左右に振った。
「あ、いや、今のは……」
 けれど、その宙の顔が真っ赤になってることに気付いて、俺は口を閉ざした。
「ご、ごめん、なんか、えっと、ゾクゾクしちゃって」
 宙は口を押さえながら、動揺した様子で俺に言葉を続けた。
「オレ、束縛されるの、そんなに嫌じゃないっていうか、むしろ好きっていうか……」
 ………………。
「宙って、やっぱマゾっ気あるよな」
「なっ、ない! そんなことない!!」
「本当に?」
 俺は笑って、宙を床に押し倒した。
「じゃあさ、ここで無理やりされたら、どう思う?」
「……無理やり、にならないよ?」
 宙は目を逸らし、小さな声で言った。
「だって……オレも、蒼とシたいって、思ってるし」
「……嬉しい」
 俺は笑って、宙の額にキスを落とした。
 宙は、もどかしそうに俺を見上げる。
「……口にしないの?」
「んー?」
 そう言いながら宙を膝の上に抱き起こして、今度は首元にキスをした。
「……ね、あおい、」
 それを続けていると、宙は我慢できないと言った様子で、腰の硬くなったソレを俺の足に押し付けてきた。
 それでも、核心的な場所には触れずに、俺はニヤッと笑った。
「気づいたんだけど、俺、宙がむらむらしてるの見るの好きだな」
「は……?!」
 宙は今、俺のことしか見てない。俺のことしか考えてない。
 それが、ゾクゾクするほど嬉しい。
 宙はついに我慢できないといった様子で、俺の首の後ろに手を回して、顔を近づけてこう言った。
「っ、ねえ、キスしたい」
「んー?どうしよっかな」
「な、なんで? オレ、えっちしたいのずっと我慢しててっ……」
 宙は熱の籠もった目で、俺に縋り付く。
 でも俺は、まだ手を出さずにこう言った。
「でも宙は、俺のお願い聞いてくれないじゃん」
「………………」
 宙はため息をついて、一度俺から離れて、床のエプロンドレスを拾った。
「これ着てご飯作ったら、キスしてくれる?」
「うん。宙の好きなこと、なんでもしてあげる」
 そう俺が笑うと、宙は「似合わなくても笑うなよ」と言って、服を着替え始めた。


 結論から言うと、宙のエプロンドレス姿があまりにも可愛すぎて、夕飯より宙を先に食べた。
「下着、びちゃびちゃじゃん」
「だ、だって、蒼が散々じらすからぁっ」
 宙は真っ赤な顔でそう反論した。
 ベッドの上でお望み通り散々ディープキスしたあと、スカートの中に手を伸ばすと、宙の下着は先走りでぐしょぐしょになっていた。
「えー? キスしてほしいって言ったから、キスしたのに」
「っ、なんで急に頭悪いフリするの?」
 宙のボクサーパンツを脱がす。中心のそれは反る程にはっきりと芯を持って、透明な液を溢れさせていた。
 それを指でなぞってから、後ろに指を挿れようとすると、宙は慌てて俺の手を止めた。
「や、待って、スカートよごれちゃう、」
「汚すために買ってきたんだから、大丈夫だよ」
「そ、そういう問題じゃ、なっ、あ」
 けれど指を入れると、宙は喘ぎ始めた。


「ご馳走様でした」
「写真撮るな」
 最後に(いろんな液体で汚れた)エプロンドレス姿の宙を写真に収めると、宙は怒りの声を上げた。
 宙は呆れた、けれどどこかすっきりした顔で、ため息をついた。
「蒼って、かっこいいけど、性癖相当やばいと思う」
「………………」
 はっきり言われて、反論の余地がなく思わず黙り込む。
 自分だってわかっている、けどどうしても可愛い男にしか欲情することができないんだ。
 けれど次に宙は、俺をチラチラ見ながらこう言った。
「許してあげるから、ご飯食べたあと、この服脱いでもう一回したい」
「…………宙って、可愛いけど、性欲相当やばいと思う」
「………………」
 今度は、宙が黙り込んだ。

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