進め!健太郎

クライングフリーマン

文字の大きさ
28 / 75

28.『心の姉妹』

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 久保田あつこ・・・健太郎の母。
 久保田誠・・・健太郎の父。

 藤堂所縁(ゆかり)・・・早乙女愛の長女。次女が12年前、轢き逃げされる。健太郎達の小学校の先生。ミラクル9顧問(監督)。
 鈴木栄太・・・小学校校長。
 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今は「お友達」?
 春田純一・・・春田病院院長。

 ==============================
 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 午後2時。春田病院。
 ミラクル9は、継男が聞き出した、健太郎の病室を訪ねた。
 そこには、健太郎の母、あつこが側にいた。
 健太郎は、『自転車通行可』の歩道を自転車で走っている途中、後方注意の自動車の側面に激突、空を飛んだ。後から来た、おさむが救急車を呼んだ。
「お揃いだね、ミラクル9。それと、片山君。悦子のカレシなんだって?」
「いえ、まだ・・・。」「まだ?へえ。」
「母ちゃん、揶揄うなよ。」と健太郎はベッドの中から文句を言った。
「スーパーマンの気分は、どうだったのかな?」
 そこに、春田院長がやって来た。
「CTもレントゲンも異常なし。まあ、かすり傷はあったが。多分、着地した時に無意識に受け身を取ったんだろう。柔道やってるんですか?お母さん。」
「いえ。剣道を半年やってたけど、顧問の先生が、がんでお亡くなりになって廃部に。」
「先生。ブーメラン、やってます。」「ブーメランは武道じゃ無いな、スポーツとも言いがたい。でも、成長にはいい。」
「ところで、相手方のドライバーは?怪我は無かったのかな?ここには来なかったようだが。」と、院長があつこに尋ねた。
「後方不注意ですね。けしからん!」「母ちゃん、僕も考え事してたから。」
「でも、自動車側の責任よ。交通ルール教えただろ?」
「うん。先生、点滴終ったら帰っていいんだよね。」「いいよ。」
「あつこおばちゃん、裁判になるの?自転車ドラレコに健太郎が暴走していないのは映ってるよ、多分。」と、おさむが言った。
「うん。警察で調べてるから大丈夫。そうだ、今日、みんなでウチに来る?」
「おー!!」ミラクル9と継男は歓喜した。
「静かに。」と、皆は通り過ぎた看護師に注意された。
 午後4時。久保田邸。地下トレーニング場。
 執事が、銅鑼焼きとジュースを置いて行った。
「凄いなあ、健太郎の家。あ、沢山ブーメランがある。」と、悦司が指さした。
「おばちゃんの武器だったからね。おねえさま程上手くなれなかったけど、結構いけたんだよ。」
「あつこおばさん。何で、あつこおばさんやウチのおかあさんは『おねえさま』って呼ぶの?おさむのお母さんのこと。」と悦司が尋ねた。
「あれ?聞いて無い?『心の姉妹』なのよ。苦労をともにしてきたから。ああ。この間来たケイトリン、ケイティのお母さんも、そう呼ぶのよ。」
「じゃ、ケイティのお母さんも、おさむ君のお母さんと『心の姉妹』?」
 満百合が、屈託無く尋ねた。
「そう。伝子シスターズ。」胸を張って言う、あつこに「何かロックバンドみたい。かっこいいな。」と、みどりが言った。
「ありがとう。その頃は、『お笑いさんですか?』って言われたこともある。でもね、みんな仲良く助け合って闘ったの。今もみちる達は闘っているけどね。」
「あ。自転車!」と健太郎は言った。
「今頃かよ。修理に出したよ。使える部品はまだあるらしいし。健太郎がお小遣い貯めて買った自転車だからな。」そう言って、健太郎の父・誠が顔を出した。
「じゃ、お見舞いは、『自転車磨きセット』にするか。」
 そう言った藤堂ゆかりが、鈴木校長と、顔を出した。
「恐れ入ります。」健太郎の丁寧な挨拶に笑わない者はいなかった。
 ―完―


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

トウシューズにはキャラメルひとつぶ

白妙スイ@1/9新刊発売
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。 小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。 あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。 隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。 莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。 バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。

黒地蔵

紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。 ※表紙イラスト=ミカスケ様

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

【完結】キスの練習相手は幼馴染で好きな人【連載版】

猫都299
児童書・童話
沼田海里(17)は幼馴染でクラスメイトの一井柚佳に恋心を抱いていた。しかしある時、彼女は同じクラスの桜場篤の事が好きなのだと知る。桜場篤は学年一モテる文武両道で性格もいいイケメンだ。告白する予定だと言う柚佳に焦り、失言を重ねる海里。納得できないながらも彼女を応援しようと決めた。しかし自信のなさそうな柚佳に色々と間違ったアドバイスをしてしまう。己の経験のなさも棚に上げて。 「キス、練習すりゃいいだろ? 篤をイチコロにするやつ」 秘密や嘘で隠されたそれぞれの思惑。ずっと好きだった幼馴染に翻弄されながらも、その本心に近付いていく。 ※現在完結しています。ほかの小説が落ち着いた時等に何か書き足す事もあるかもしれません。(2024.12.2追記) ※「キスの練習相手は〜」「幼馴染に裏切られたので〜」「ダブルラヴァーズ〜」「やり直しの人生では〜」等は同じ地方都市が舞台です。(2024.12.2追記) ※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、Nolaノベル、ツギクルに投稿しています。 ※【応募版】を2025年11月4日からNolaノベルに投稿しています。現在修正中です。元の小説は各話の文字数がバラバラだったので、【応募版】は各話3500~4500文字程になるよう調節しました。67話(番外編を含む)→23話(番外編を含まない)になりました。

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

はるのものがたり

柏木みのり
児童書・童話
春樹(はるき)が突然逝ってしまって一ヶ月。いつも自分を守ってくれていた最愛の兄を亡くした中学二年生の春花(はるか)と親友を亡くした中学三年生の俊(しゅん)は、隣の世界から春樹に来た招待状を受け取る。頼り切っていた兄がいなくなり少しずつ変わっていく春花とそれを見守る俊。学校の日常と『お隣』での様々な出来事の中、二人は気持ちを寄せ合い、春樹を失った悲しみを乗り越えようとする。 「9日間」「春の音が聴こえる」「魔法使いたちへ」と関連してくる物語。 (also @ なろう)

おっとりドンの童歌

花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。 意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。 「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。 なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。 「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。 その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。 道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。 その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。 みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。 ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。 ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。 ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?

処理中です...