進め!健太郎

クライングフリーマン

文字の大きさ
55 / 75

55.オーナー

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。

 宝田法助・・・モールのオーナー。
 鈴木栄太・・・小学校校長。
 藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問。
 愛宕警部・・・悦司の父。丸髷署勤務だが、時々モール前交番にも出向く。

 ==============================
 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 午後3時半。モール近くの公園。
「いつも元気だね、あの子達は。部活?」
 そう言って、鈴木校長の座っているベンチの横に紳士が座った。
「いえ。仲良しグループです。ミラクル9って言います。ウチの藤堂先生が、勝手に顧問を名乗り出てますけどね、部活じゃないのに。」
「何でですか?学校の部活の顧問は?」「たまたま必要なクラブが無かったこともあるんですが、あの子達の親が、元々顔見知りで集まって、藤堂先生も、その親達と顔見知りなんです。」
「じゃあ、親御さん達は、安心していられますね。校長先生も『顔見知り』なんですか、ひょっとしたら。」
「ええ。実は、そうなんです。」
「成程。縁は異なもの味なもの、ですかね。宝田法助と言います。モールのオーナーですが、隠居です。実はね、モールの社長は友人から引き継いだんですよ。肝臓が悪くてね、早死にしました。『後を託す』なんて遺言書があったら、断りにくいじゃないですか。幸い、ご婦人も取締役もすんなり受け入れてくれました。引退後も、大事にしてくれます。今の社長は、先代の『忘れ形見』です。私が社長を引き受けた時、まだ、あの子達くらいの年齢でした。それで、頃合いを見て、会社を『お返し』したんです。」
 そこへ、自動車が到着した。
 横っ腹に病院の名前が書いてある。
 オーナーは、いやいやをしたが、自動車に乗せて連れて行かれた。
 乗り込む時、看護師が深々と礼をした。
 藤堂が、こちらに来たので、鈴木校長が、経緯を説明した。
 藤堂が不思議がっていると、物部が自動車で通りかかった。
「こんにちは。今日はなかなか来ないなと思ったら、時間を忘れてるな。」
 鈴木校長は、物部にも、紳士の話をした。
「校長先生。オーナーは女性ですよ。宝田法助は、前のオーナーの名前で、社長はオーナーの娘さんです。」
 物部の話に、鈴木校長は卒倒した。
 気が付くと、病院だった。
「校長先生、大丈夫ですか?」ミラクル9の面々は、顔をのぞき込んで、心配そうに言った。
「過労だね。点滴が済んだら、帰って貰ってもいいけど・・・入院します?」
「私が送って帰りますわ。校長先生。働き過ぎです。副校長に連絡したから、明日は学校休んでください。」
 担当医師が帰って行くと、「校長先生。小説書いてて寝不足なんですよね。」と、おさむが言った。
「ゴメンね、みんな。しかし、あれは幻だったのかなあ。白昼夢?狐に化かされたかな?」と、鈴木校長が呟くと、「あの人が病院の車に乗るのは、私、見ましたよ。」と満百合が言った。
 皆も頷いた。
「僕の父さんなら、こう言うよ、校長先生。『いいネタが出来た』って。」と、おさむが言い、「確かに言いそうだ。」と言いながら、愛宕警部が入って来た。
「あの人、新庄圭輔さんは、宝田法助氏のお友達でね。『脱走』しちゃったみたい。」
「良かった。私、お参りに行かなくちゃいけないと思ってた。」と、悦子が言った。
「どこに?」と継男が尋ねると、「伏見稲荷。」と答えたので、継男が何か言う前に悦司と良が継男の口を塞いだ。
「いいチームワークだ。」そう言って、鈴木校長は目を閉じた。
 ―完―
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「いっすん坊」てなんなんだ

こいちろう
児童書・童話
 ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。  自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・           

不幸でしあわせな子どもたち 「しあわせのふうせん」

山口かずなり
絵本
小説 不幸でしあわせな子どもたち スピンオフ作品 ・ ウルが友だちのメロウからもらったのは、 緑色のふうせん だけどウルにとっては、いらないもの いらないものは、誰かにとっては、 ほしいもの。 だけど、気づいて ふうせんの正体に‥。

ノビの大活躍――いくら丼の奇跡【トランザニヤ物語SS】

楓 隆寿
絵本
 *カクヨムさんでも掲載中です。  異世界冒険譚【トランザニヤ物語】のSS   絵本にしてみました。  いくら(丼)をフィーチャーした作品です。  この世に、神の涙と呼ばれる食材がある。その正体は、東の国「ヤマト」の古文書に記された「いくら丼」だった!  氷に覆われた王国を救うため、若き料理人ノビは、氷の姫リュミナと共に大冒険へ旅立つ。  魔導鍋を武器に海竜の守護を突破し、氷の大地で幻の穀物を収穫。そして、火山の麓で魂を込めた器を創り上げる。  はたしてノビは、すべての難題を乗り越え、絶望に閉ざされた王国に奇跡を起こせるのか?  料理の力と、小さな勇気が紡ぐ、心温まるファンタジー冒険譚。  #AIイラスト

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

黒地蔵

紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。 ※表紙イラスト=ミカスケ様

トウシューズにはキャラメルひとつぶ

白妙スイ@1/9新刊発売
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。 小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。 あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。 隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。 莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。 バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。

小さな歌姫と大きな騎士さまのねがいごと

石河 翠
児童書・童話
むかしむかしとある国で、戦いに疲れた騎士がいました。政争に敗れた彼は王都を離れ、辺境のとりでを守っています。そこで彼は、心優しい小さな歌姫に出会いました。 歌姫は彼の心を癒し、生きる意味を教えてくれました。彼らはお互いをかけがえのないものとしてみなすようになります。ところがある日、隣の国が攻めこんできたという知らせが届くのです。 大切な歌姫が傷つくことを恐れ、歌姫に急ぎ逃げるように告げる騎士。実は高貴な身分である彼は、ともに逃げることも叶わず、そのまま戦場へ向かいます。一方で、彼のことを諦められない歌姫は騎士の後を追いかけます。しかし、すでに騎士は敵に囲まれ、絶対絶命の危機に陥っていました。 愛するひとを傷つけさせたりはしない。騎士を救うべく、歌姫は命を賭けてある決断を下すのです。戦場に美しい花があふれたそのとき、騎士が目にしたものとは……。 恋した騎士にすべてを捧げた小さな歌姫と、彼女のことを最後まで待ちつづけた不器用な騎士の物語。 扉絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

処理中です...