遙かな星が故郷だ

クライングフリーマン

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2.エイリアン・スキーム(宇宙人の奸計)

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 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 星野弾・・・かつての地球防衛軍ユニバース警備隊隊員、地球防衛組織ドナルド隊長。
 星野えいじ・・・弾の、双子の息子。GIT隊員。
 星野はじめ・・・弾の、双子の息子。
 星野マリア・・・弾の妻。
 坂本幸太・・・暫定臨時自治組織GIT首相。
 相田みずほ・・・GIT隊長。
 井下透・・・GIT隊員。
 畝山金蔵・・・GIT隊員。
 越後ひかる・・・GIT女性隊員。
 越智裕太・・・GIT隊員。
 美作あゆみ・・・GIT女性隊員。

 ==================================

 2040年3月30日。地球。日本。
 関東で『相模トラフ地震』が発生する前日。
 真鍮国斥候省。週近辺国家主席は、日本占領宣言をした。
 日本の『民族』人口は、真鍮国が開発した薬やビールスによって、加速度的に減少していた。30年にも及ぶ『少子化推進計画』が実ったからだ。
 真鍮国は、クーンと呼ばれる先鋭女性兵士により、日本の政治家達を『竜宮城』に招待しては洗脳した。
 国家反逆罪に相当する人物を『人海戦術』でネットワーク監視をする、お国柄だ。
 政府、マスコミには、洗脳した人物や虚産主義思想の人間が8割占めていた。
 首相や政治家達は、9割以上がスパイの、寒僚と呼ばれるスタッフの言いなりに次々と真鍮国に有利な法案を作らせ、緊急性の高いものは『閣議決定』という『伝家の宝刀』を抜かせた。農民から農地を奪い、安価で土地を売らせ、真鍮国の米穀を輸入させ、観光ビザで行く真鍮国人の健康保険料・生活保護費・年金まで自治体を通じて日本政府の負担とさせ、日本民族からだけ『養費税』を徴収、税金は無税という優遇処置を執り続けた。流行病を持ち込み、景気を冷え込みさせ、倒産した企業はどんどん買収されて行った。
 マスコミは、政治家同様、真鍮国の竜宮城』で遊興した後の『玉手箱』で真鍮国の言いなりになった。マスコミの社員も、準国営放送の社員も日本民族は2割未満になった。全民放も右に習えだった。日本の民主主義は、『蟻の一穴』から食い潰されていた。
 クーデターが起こらぬようにSNSの監視、『秘密交番』の設置で日本民族の隷従化計画は着々と進んで行った。
 以前から狙っていた海洋資源が豊富な『遠隔諸島』も、領海侵犯を続けていたにも関わらず、日本政府は『共働管理』の名の下に、簡単に手放した。
 時の首相芝茂雄は、国民から嫌われても『裸の王様』の行進を止めなかった。
 そして、首相の座を降りなかった。
 そして、今日、日本政府は、真鍮国の『合併国』への調印を済ませた。
 遂に、真鍮国は日本を占領下、植民地化に成功したのだ。
 週近辺国家主席も部下達も気づかなかった。
 息をひそめてその時を待っている者が、者達がいることを。
 そこに、『相模トラフ地震』が起きた。移民や不応滞在者は、急いで母国に帰国した。
 真鍮国は、折角手に入れた『遠隔諸島』を諦めるしか無かった。怪獣が住みだしたからである。
 A国は、日本人の引き取りを拒否した。国連、国家安全連絡組合の加盟国は、ネットで緊急会議を開き、移民は、当人次第でどの国でも受け入れることを決議、A国は、『国連出資額』の大きい順に、『日本難民』の受け入れ割合を決めることを条件に『元日本民族難民受け入れ』を承諾した。
 真鍮国が一番の出資国だった。真鍮国は、仕方無く、手に入れた植民地日本と海洋資源を手放すことなった。だが、宇宙人が日本を中心に襲撃して来た歴史や、闘いのノウハウがあることで、日本に『戦争責任』を取らせることにした国連は、真鍮国内に、日本の臨時自治組織GITを置かせた。地球防衛組織アースガードは解散、宇宙人との和平交渉は国連事務総長イーヨン・マスクマンが行うことになった。
 日本は、元『日本』になった。
 3日間の猶予を与えられた、旧アースガード日本支部は、臨時政府のGITの地下に、新しい地球防衛組織GITを組織した。
 同じ名前なので、ややこしいが、臨時政府の方は、ガバメント・イン・テンポラリー(Government In Temporary)、防衛組織の方はゴウ・オン・デフェンド・アゲインスト・インベイダーズ・チーム(Go On!! Defend against Invaders Team)を意味する。
 かなり強引な英語略語だが、坂本臨時政府代表(首相)の命名である。
 2つの組織が真鍮国斥候省に建設された頃、雲海省の地下に、宇宙人ウルカラセブンの一家が住み着いた。
 GIT隊長の相田の要請で、隣の省に住み着いたのだ。
 彼らが体勢を整えている、その時、旧日本の青森県に、幾つもの十字架が立った。
『ゴルゴダの丘』として知られている場所の近くだ。
 その十字架に、旧政府の首相以下閣僚が、まるでイ〇ス・キリストのように磔にされていた。
 避難期限の3日が過ぎた時、シラス星人は言った。
「これから、日本を苦しめた。言わば戦犯の処刑を行うけど、いいよね?」
 世界中に放送された閣僚達は残酷な殺され方をされようとしていた。
 真鍮国政府は知らぬ顔をした。
 かつての同盟国A国大統領も知らぬ顔をした。
 世界各地に避難した、旧日本国民も知らぬ顔をした。

 真鍮国雲海省。
 星野家。
「父さん。見殺しにするんですか。今こそ緊急事態じゃないですか。」と、はじめが言い、「俺、行きます。」と、えいじが言った。
「あの十字架に磔にされているのが、日本人、いや、人間に見えるのか?」
 弾は、2人にウルカラアイを渡した。
 ウルカラアイとは、2人が地球でウルカラセブンジュニアとして闘う為に、元の姿に戻る道具である。
「あっ!!
 ウルカラアイを目に着け、声を上げた息子2人に、マリアは、そっと微笑んだ。
 ―完―



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