大文字伝子が行く

クライングフリーマン

文字の大きさ
354 / 356

353.台風の目

しおりを挟む
 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。
 久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
 愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。
 橋爪警部補・・・『片づけ隊』を手伝っている。
 西部警部補・・・『片づけ隊』を手伝っている。

 斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
 夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。

 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
 渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。
 中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。
 馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
 高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。
 高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
 伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
 仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
 七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
 大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。
 青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。
 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
 井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁警部。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。
 柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。
 新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。

 河野事務官・・・警視庁からのEITO出向。
 原田正三・・・元新宿署刑事。警視庁警部。警視庁からEITO出向。
 原田伊登子・・・原田の妻。風俗嬢をしていたが、原田と恋愛関係にあった。原田がEITO隊員になり、縁結びをした筒井と伝子の推奨で正式に結婚。子供の『美和子』は、伝子が名付け親。

 藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣に住む。元料理教室経営者。
 大文字綾子・・・伝子の母。介護士。
 山並郁夫・・・闇サイトハンターと名乗っている。EITO協力者。


 =================================================
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==

 午前0時。恒例の、Base Bookにパラ・リヴァイアサンからの挑戦状が届いた。
『乗る間、食いたい日』
 画面の下の方に、次の英文が見えた。
 "If you win this time, we'll move on to the final battle."

 午後1時。EITO東京本部。会議室。
「銅鑼焼きでも食いたいのか?食欲の秋。」と、つい原田が言った。
「原田は、私のおっぱいを吸いたいのか?伊都子のオッパイは、今は美和子のものだからな。でも、私のは学のものだ。」
 伝子の冗談に原田が首を竦めると。草薙、渡、河野がクスクスと笑った。
「大文字。やっぱり芝居は福本に習えよ。英文の方は俺でも何とか解る。今度EITOに負けたら、『最終決戦』という意味だ。」と、筒井が言った。
「そろそろ、か。ダークレインボウにも『ノルマ』があるのかな?」と夏目警視正が言った。
「それですよ、夏目さん、学が言うには、『お題』の文は『ダブルミーニング』だそうです。詰まり、『期限一杯』だと。それで、アナグラムの方ですが、置き換えると、『ひのまるたいいく』だそうです。」
 伝子の言葉に、理事官が「じゃ、スポーツの日がバトルの日か。草薙。スポーツの日のイベントを調べろ。」と草薙に言った。
「『スポーツフェスタ2025 in 東京体育館』というイベントがあります。午前10時開催予定です。」
「よし、河野君。午後から開催予定に変更依頼してくれ。」
「了解しました。」
「おねえさま。気になることが・・・。」
「なんだ、あつこ。」
「台風が来ます。」

 10月13日。午前10時15分前。渋谷区千駄ヶ谷。東京体育館。メインアリーナ。
 東京体育館は、国立競技場の近くにあり、色んなイベントが開催されている。
 東京2020オリンピック、パラリンピックの会場の1つでもあった。
 台風接近の為、時間変更どころか、その日のイベントは中止になった。
 ドームになっているが、観客が来られない状況だったからだ。

 メインアリーナの入口前に佇む、ジャージ姿の一団があった。
 入口付近にも、中にもいるようだ。
「中止にするか?早めにバトルを終らせる予定だったが、イベントは中止だ。」
 なぎさは、リーダー、即ち『枝』に話しかけた。
「1つ聞くが、エマージェンシーガールズにはノルマは無いのか?」
「ないな。」「どうやって収入を得る?ボランティアか?」
「ああ、ヒーロー・ヒロインはボランティアだ、と言いたいが、給料制だ。『闘うOL』だな。」
「命は惜しくないのか?保険とかに入っているのか?」
「面白いリーダーだ。大抵は粋がっているものだが。」
「粋がっていないか?」「ああ。元アスリートだろう。」
「察しがいいな。裕福なアスリートばかりじゃない。今回は、アスリート崩ればかりだ。1つ頼んでいいか?」
「何だ?」「殺さないで欲しい。」
「随分、ストレートだな。ダークレインボウ軍は銃器や刀剣を持っているのが当たり前だが、我々は同等のモノで闘わない。」
「それでも、連戦連勝なのか?我々は、銃器は持っていない。アスリート崩れでも反社とは違う。リスクを承知で参加したのは・・・。」
「解った。我々は、銃器は持たないが、攪乱させる為の武器はいつもは使う。だが、今回は止めよう。」
「簡単に信用していいのか?」「目だ。」「目?」
「アスリートのプライドの目だ。お前達が勝てば我々は敗北宣言をして去る。私達が勝てば、警察に引き渡す。」
「隊長の独断か。」「いや、私は副隊長だ。現場の指揮権は私にある。」
「もう時間だな。」
『枝』は、踵を返して、体育館の中に入って行く。
 なぎさとエマージェンシーガールズは、続いて『入場』した。
 敵の連絡は、どうやっているか解らないが、エマージェンシーガールズはイヤリングを通じて皆に話を聞かせている。
 念の為、なぎさは、暗号で通信を追加して呟いた。

 正午。
 500人いた、敵の一団は皆、体育館の大きな屋根を見上げていた。
 江南が、長波ホイッスルを吹いた。
 長波ホイッスルとは、犬笛に似たサイレントホイッスルで、通常だと、『作戦終了』という連絡が行く。そして、『片づけ隊』という警官隊がやってくる。
 だが、今日は違った。
 SATが入場して、警察の鑑識が入場した。
 彼らは、予め報されていた場所の爆弾の撤去・解体を始めた。
 井関五郎やあつこも、EITOガーディアンズに指揮して、撤去・解体作業に入った。
『枝』は、起き上がって、側にいるなぎさに尋ねた。
「あんたらに前金渡した連中は、あんたらの『アスリートのプライド』を見越していた。だから、密かに爆発物を仕掛けた。時限装置ではなく、リモート電波式と判断した本部は、センサーで爆発物の位置を確認すると共に『通信遮断機』を起動した。『闘うOL』は傭兵じゃない。」
「色んなバックアップグループがいる、ということか。連戦連勝する訳だ。どんなに人数がいても、あんたらの『知恵』と『組織力』には敵わない。俺は、井守だ。井戸を守る、と書く。」
「あんたらは利用されただけだ。それは考慮されるだろう。」
「副隊長。作業は終了したようです。ですが・・・。」
 要件を伝えに来た新庄に代わりに、なぎさのイヤリングに伝子から連絡が入った。
「今、その辺は、『台風の目』だ。1時間半は待機することになる。『片づけ隊』が来るまで腹は減るが待ってろ。」

 午後3時半。
『片づけ隊』がやってきた。
「お待たせ、副隊長。敵の分はないが、エマージェンシーガールズの分の、おにぎりは用意してあるみたいだよ。」と、愛宕は言い、西部や橋爪はにっこり笑った。

 午後6時。伝子のマンション。
 綾子が、伊登子が連れて来た美和子をあやしている。
「この子も、おさむちゃんの同級生になるのね。」
「伊登子は意外と『芯』が強いみたいです。人見知りしないし。」と、原田が言った。
「可哀想よね。オリンピックで金メダルとっても、日本では『名誉』だけ。」と藤井が言い、「そうですね。外国では、英雄手当みたいに好待遇なのに。政治家は、自分達の利益ばかり考える。」
「金メダル、かじっても、おなかの足しにならないしねえ。」と綾子が言った。
「一応、総理に送っておくよ。金メダル取ったら、おにぎり位は食わせてやってくれ、って。」そう言い、伝子は総理にメールを送った。

 ―完―





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

あまりさんののっぴきならない事情

菱沼あゆ
キャラ文芸
 強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。  充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。 「何故、こんなところに居る? 南条あまり」 「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」 「それ、俺だろ」  そーですね……。  カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

処理中です...