大文字伝子が行く

クライングフリーマン

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123.テレビ局の『はじめて』

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 ========== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
 大文字(高遠)学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」と呼ばれている。
 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。
 愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。
 物部一朗太・・・伝子の大学翻訳部同輩。当時、副部長。
 依田俊介・・・伝子の翻訳部後輩。元は宅配便配達員だったが、今はホテル支配人になっている。
 福本英二・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。大学は中退して演劇の道に進むが、今は建設会社非正規社員。演劇は趣味として続けている。
 福本祥子・・・福本の妻。昔、福本と同じ劇団にいた。福本の劇団の看板女優。
 みゆき出版社編集長山村・・・伝子と高遠が原稿を収めている、出版社の編集長。
 藤井康子・・・伝子マンションの隣に住む。料理教室経営者。
 大文字綾子・・・伝子の母。ずっと、犬猿の仲だったが、仲直り?した。だが、伝子には相変わらず「くそババア」と呼ばれている。
 金森和子二曹・・・空自からのEITO出向。
 増田はるか三等海尉・・・海自からのEITO出向。
 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。
 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。
 飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
 工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向。
 江南(えなみ)美由紀警部補・・・元警視庁警察犬チーム班長。EITOに就職。
 夏目警視正・・・警視庁副総監の直属。斉藤理事官(司令官)の代理。
 なる。EITO準隊員。
 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
 渡伸也一曹・・・EITOの自衛官チーム。GPSほか自衛隊のシステム担当。
 河野事務官・・・EITOの警視庁担当事務官。EITOに就職。
 伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向
 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。
 村越警視正・・・副総監付きの警察官幹部。久保田管理官との連絡役を行っている。
 ジョーンズ・・・オスプレイ操縦士。米軍からのEITO出向。
 ロバート・・・オスプレイ操縦士。米軍からのEITO出向。
 愛宕寛治・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。みちるの夫。
 橋爪警部補・・・丸髷署の生活安全課刑事。愛宕相棒。
 青山たかし・・・EITO準隊員。エレガントボーイ。
 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。元警視庁副総監直属の警部。EITO準隊員。エレガントボーイ。
 中津敬一・・・警視庁副総監直属の警部。

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO精鋭部隊である。==

 午後6時。EITO本部。会議室。
 出動していた、エマージェンシーガールズが帰って来ていた。
 結城警部が、理事官と伝子の前に跪き、土下座をした。
「申し訳ありません。私が、私の監督不行き届きで・・・。」
「結城。お前の処分は、行動隊長である、アンバサダーである大文字君に任せる。」と、理事官は言った。
「今は責任問題を問う時ではない。定番のことを言えば、誘拐は48時間が勝負だ。ダークレインボーの組織の犯行か、単独犯かは分からないが、3人を保護することが先決だ。追跡発信用ガラケーを持っていないというのは、どういうことだ。」と、マルチディスプレイの中の久保田管理官が言った。
「私が装備確認の際、失念しました。」EITOには、個々人のスマホの他にガラケーも使用している。ガラケーは、緊急連絡用ガラケーと追跡発信用のガラケーがあり、前者は班分けした場合に班長が携帯する。追跡発信用ガラケーは、各班長がメンバーに携帯する必要があるかどうかを判断して指示をする。戦闘態勢に入る場合は、携帯しないことが多い。どちらのガラケーも、伝子の叔父が開発した、膨大な数のシステム、通称大文字システムを元に改良を加えたものだ。EITOが発足する前は、組織犯罪の内偵(スパイ)をする場合のみ使用されていた。
「DDバッジは、どうなんだ?渡。エリアは確定したと言ったが、誰のDDバッジだ。」「不明です。正確には、小坂巡査または下條巡査のものです。まだ未登録です。今日の会議の後、説明の予定で、前渡ししたものです。ご存じの通り、初動させるには、ストッパーの紐を引き抜かないといけません。どちらかが偶然引っ張ったものと思われます。」
「つまり、DDバッジに関しては、こうだ。新町巡査は、DDバッジを携帯していなかった。小坂巡査もしくは下條巡査はDDバッジを所持していたが、使い方が分からず尚且つ訳も分からずストッパーの紐を引いていた。残る一人は所持していたかどうかは不明。」
「その通りです。」と、渡は答えた。
 伝子は、「新町のDDバッジの行方は、愛宕から署長に依頼してロッカールームを調べさせたところ、ロッカーにありました。」と言った。
「それと、青木君から連絡がありました、こちらから依頼していないにも拘わらず。」
 伝子の報告に、「Linenのネットワーク仲間がいる高校生、いや、大学生かね。」と理事官は確認した。
「トラックの荷台の端からペイントがポタポタ落ちているのを目撃した者がいるが、何か犯罪またはテロでは?と問い合わせして来ました。渋谷道玄坂近くで見かけた、とのことです。」と、伝子は応えた。
「すぐ、捜索隊を配置しよう。」と、久保田管理官がマルチディスプレイの端から言った。
 今度は、マルチディスプレイの端から、高遠が発言した。
「やはり、陽動かも知れないね。今、ネットに速報が入った。通称テレビ1、テレビ2,テレビ3が同時に火事だ。MAITOと消防が出動した。『はじめて』は、こっちだよ。混乱に乗じて、何かやらかすかも知れない。」
「電波オークションで出来たテレビ局の『入社式』か。草薙さん、各入社式の会場を調べて下さい。多分、明日の日程だと思います。」と、伝子は言った。
 久保田管理官から、通信が入った。
「場所が特定出来た。只今から強行突入する。」管理官の画面はすぐに消えた。
「よし、3人の巡査は警察に任せて、大文字君。テレビ局に急げ!!」「了解しました。
 午後10時。伝子のマンション。
「ただいまー。」「伝子。お茶漬けでいい?」「うん。」「あかりちゃん達は?」「無事。テレビ局は予想通りボヤ。本番は、お前が言った通り、入社式だな。明日の打ち合わせをしてたら、遅くなった。ごめんなさい。あなた。」
「今日は早く寝なくちゃね。司令室での指揮官、慣れた?」「ううん。やっぱり、現場で暴れていた方がスッキリするな。」
「事件終ったらさ。新人連れて、ウーマン銭湯行ったら?」「それもいいな。お代わり。」
 翌日。午前10時。テレビ1の入社式会場のホテル1。
 パイプ椅子が並んでいて、新入社員がずらり並んでいる。
 社長が挨拶に登壇すると、「ちょっと待ったあ。」と那珂国人の一団が現れた。
「やーだよ。」と言って、エマージェンシーガールズ姿の増田が現れた。
 そして、エマージェンシーガールズが登場した。
 一団は、銃や刀を持っていたが、飯星と江南は、さっさと避難誘導した。新入社員達は、予め知らせてあったから、誰も取り乱さなかった。
 伊知地は2つのブーメランを巧みに使い、一団を翻弄した。
 増田と大町は、ペッパーガンやシューターで一団の戦意を落した。
 ペッパーガンとは、EITOが開発した武器で、胡椒等の調味料を丸薬にしたものを撃つ銃である。シューターとは、うろこ形の手裏剣で、先に痺れ薬が塗ってある。
 一団の銃や機関銃が下に落ちるのを確認した、増田は大町に声をかけた。
「トリック・アタック!」大町は頷くと、増田と共に走り周りながら、バトルスティックを使い、敵を次々と倒して行った。伊知地は増田と大町が邪魔にならないように、巧みにブーメランを投げた。
 飯星と江南が帰って来て、合流した。
 局のカメラマンは、勝手に闘いの様子にカメラを向けた。
 約20分。エマージェンシーガールズの圧勝だった。警官隊がやって来て、即刻逮捕連行していった。
 午前10時。テレビ1。ボヤ発生現場。
 辺りの様子を伺いながら、1人の男がやって来た。
 男の両側に愛宕と橋爪警部補が立った。「何をお探しですか?お手伝いしましょうか?」
 逃げだそうとする男に愛宕が手錠をかけた。「放火だけでなく、公務執行妨害も追加だな。」「昔から言うものなあ。放火犯は現場に戻るって。後金は貰えないよ。」
 2人は笑った。
 午前10時。テレビ2の入社式会場のホテル2。
 MC役の社員がマイクの前に立つと、声が聞こえた。
「やあ、待たせたな。手を挙げろ!」黒い覆面の一団が現れた。
「断る!」そう言って、金森はペッパーガンを、リーダーらしき男に向けた。
 エマージェンシーガールズが現れ、稲森と葉月は、さっさと社員の避難誘導を始めた。
「貴様ら、やっちまえ!」と言ったリーダーらしき男に金森は突進した。
 パイプ椅子が並んでいる後方に陣取った、副島、田坂、安藤が金森を避けながら、一団の銃や機関銃を持つ手に矢を射った。一団の武器が下に落ちると、田坂と安藤は突進した。
「お待たせしました。」と言って、なぎさが現れ、副島達は退却した。
 なぎさは三節棍を持つと、一団に突進した。
 入れ替わりに、稲森と葉月が戻って来て、合流した。
 そして、エレガントボーイの姿の高木が現れ、参戦した。
 午前10時。テレビ2。ボヤ発生現場。
 1組の男女カップルが、それとなく辺りを見回す。
「誰もいないわよ。」「そんな筈は・・・。」
「そんな筈、って、どんな筈?」と、警察官姿の、あつこが言った。
「えと・・・ちょっと。待ち合わせで。」「ああ。昨日火事を依頼した人に後金貰いに来たのね。来ないわよ。欲を出さなければ、逃げるチャンスはあったのにね。まあ、防犯カメラで追いかけるから、時間の問題だけど。」あつこは笑った。
「警視。この二人ですか。若いなあ。可愛そうだけど、こっちも仕事でね。」
 やって来た中津警部と、あつこは二人に手錠かけた。警官隊がやって来た。
 あつこは、ガラケーでEITO本部に連絡を入れた。「了解した。引き上げてくれ。」と、伝子の声が聞こえた。
 午前10陣。テレビ3の入社式会場のホテル3。
 MC役の社員と、新入社員代表が打ち合わせをしていると、スーツ姿の一団が現れた。見ると、ナイフや刀を所持している。
 MC役の社員が叫んだ。「誰だ!何者だ!」
 リーダーらしき男が言う前に、声が聞こえた。「くせ者さ。皆さん、誘導しますから、逃げて!!」
 エマージェンシーガールズ姿の、さやかが叫んだ。さやかは親を説得して、戦線復帰した。そして、増田、金森と共に隊長補佐を拝命した。
 静音と越後が、新入社員達を避難誘導する中、浜田はシューターを、まるで忍者のように乱れ打ちをした。さやかと馬越はペッパーガンで敵の鼻孔を麻痺させて戦意を落した。
 そして、バトルスティックを使い、刀で向かってくる敵に対峙した。バトルスティックは、伸縮自在の棒で、棒の先にも痺れ薬が塗ってある。浜田も背中の剣を抜いて、立ち向かった。いや、剣に見せかけた木刀である。これは、天童から貰い受けた、特別な剣である。
 エレガントボーイの姿の青山が現れ、参戦した。
 午前10時。ホテル3。
 ここにも、カップルが現れ、キョロキョロしていた。
「おじいちゃん、捜し物?」と、みちるが声をかけた。
「これかな?」と、みちるが封筒を差し出すと、老人の演技をしていた男は、さっと受け取り、封を開けた。中は『アカンベエ』をした絵が入っていた。
「女性警察官だと思って、舐めんなよ、エキストラのお二人さん。ギャラ少ないからって、危ない橋渡っちゃダメでしょ。」
「あんたに何が分かるってのよ!」みちるは、女を平手打ちした。
「残念だわ。」そう言って、出てきたのは祥子だった。
 みちるは、EITO本部に連絡を入れた。
 久保田警部補と工藤が近寄って来た。
 正午。各局、ニュースの時間に、同社の入社式の模様を放映した。まるで、サプライズイベントのようだった。
 午前中、他に大きな事件は起こらなかった。
 正午。EITO本部。会議室。
 あかりは言った。「カラーボールは、下條が持っていました。DDバッジは、小坂が持っていました。私は、焦る余り、DDバッジをロッカーに置き忘れていました。小坂が持っていたのを見て、慌てて押させました。カラーボールは、私が持っていたシューターを使って傷をつけ、少しずつ外に押しだしました。助かったのは、偶然ではありません。申し訳ありませんでした。ごめんなさい。」
 そう言って、土下座をした。他の2人も同じように土下座をした。
「どうする?大文字君。」「どうする?学。」
 伝子は理事官に応えず、画面の高遠に話を振った。
「400字詰め原稿用紙10枚、かな。僕も、暫く使ってないけど、書き直しの作業って結構大変なんだよね。」
「なんか大文字のお仕置きより、きついみたいだな。」と、筒井は青山と顔を見合わせて笑った。
「警官隊が来る前に3人で20人倒してたそうだし、お仕置き部屋はもう子供部屋に改造中だしなあ。」と、伝子も笑った。
「では、大文字夫妻の好意に甘えるか。」と、理事官が言い、部屋を出て行った。
「1度、洗礼受けても良かったのに、おねえさま。」と、なぎさが言った。
「甘やかす必要ないのに、おねえさま。」と、あつこが言った。
「私たちには代わりは出来ない、恐ろしさを教えた方がいいのに、おねえさま。」と、みちるが言った。
「私は、まだ、おねえさまにお仕置きして貰ってないわ、おねえさま。」とさやかが言った。
「このシーンは英訳しづらいね。」と、ロバートが言った。
「グッジョブ、ロバート。」とジョーンズが言った。
 皆は笑った。
 ―完―

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