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23.【救いの神(god of salvation)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『帝の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、乗馬クラブ。
いつの間にか白馬に乗っていた俺は、若い女性と並んで走った。
休憩所で、彼女は言った。
「助けに来てくれたのね?どこの王子様?」
「え?」」「白馬に乗った王子様は、助けに来てくれるのよね。」
「それは、童話の・・・。」彼女は、いきなり俺に抱きつきキスをした。
「誰だっていいわ。誰も私に近づけない。近寄らない。あなたは違う。」
「まあ、そうかな?」思い切って、プリンセスに殺し屋であることを話した。
「では、違う次元の人々を助けてきたのね。やはり、『白馬に乗った王子様』だわ。誰でもいい。助けて。私を、じゃない、私達の民を。」
彼女は堰を切ったように話し始めた。
『帝の国』は、名前の通り、以前は皇帝が納めていた。
だが、ある時から、『京和制』になった。皇帝の一族は、『お飾り』になった。
執政は。宰相が行う。
新しく、皇帝が任命した宰相は、ある時から、実質的な『専制君主』になった。
緊急会議を何度も開き、議会も飾り物になった。
緊急会議で臣民から『年貢』という名の『罰金』を採り放題になった。
そして、外国からの移民が始まった。
移民は、人口の半分くらいに迫った。
移民は優遇される一方で、臣民の年貢は増える一方だった。
移民は、年貢を『有効活用』と称して消費した。何も生産しない。
「どこも似た様な状況だな。」
「シン様、助けて。」プリンセスは衣類を脱ごうとした。
「あ。ボランティアですから。報酬は、さっきのキスで充分です。」
「シン様、厚かましいお願いだけど、『人間を殺める』のだけは止めて。」
「・・・工夫します。プリンセス。シン様って?」
宰相澱。
国の政治の中枢が集まっていた。
ある男がやってきて言った。
「隣の国の使いの者です。新しい国の代表の誕生会にお招きするように言付かっております。」
宰相と、複数の腹心は馬車に乗った。
馬車は、道の途中から、空に駆け上がって行った。
宰相は、新式のシャトル、と説明されていた。
翌日。ある農場で、『豚インフルエンザ』で豚が大量死していた。
不思議なことに、何匹かは、礼服を着ていた。
プリンセス、ゴメンよ。行くよ、次に。シンとは、この国では『神』のことを言うらしい。
さ、跳ぶか。
―完―
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