59 / 73
59.【鬼畜(brutal)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『砂の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、自衛隊機複葉機の中。
ここでは、自衛隊とは呼ばないか。パラレルワールドだからな。
すぐにパイロットは後部座席の異常に気づいた。
「こちら青島機。計器に異常が見られたので、直ちに直近の無人島に不時着し、点検します。」
「了解。」
不時着するまで、五分とかからなかった。
青島は身構えた。「何者だ。どうやって搭乗した?」
俺は、包み隠さず話した。
初めは警戒心で一杯だった青島は、すぐに理解し、名乗った。
「俺は、青島二尉。殺し屋さんとは呼びたくないから、仮名でいい。名乗ってくれ。」
「室井だ。室井伸吾。」
「あんたの話を纏めると、世界は並行世界、パレレルワールドで構成されていて、その、どこかの次元で起きた事象が影響して、それぞれの次元が歪んだ世界に変容していっている。その中心にいるのが国のトップであり、そのトップを動かしている元凶が隣国か。確かに、この『砂の国』は、どんどんおかしな方向に向かっている。国民の命を守るのが国衛隊なのに、もう守り切れない位隣国は領空侵犯・領海侵犯を繰り返しているのに、政府は知らん顔だ。今の宰主相芝家は、以前、国衛省大臣だった頃、隊員を切り捨て逃げ出した人物だ。結果的に失敗に終ったようだが、隣国の属国宣言をしようとしていた。俺のオヤジは、国衛隊の飛行機乗りだった。爺ちゃんもだ。そして、先の大戦では軍隊の飛行機乗りだったのが、ひい爺ちゃんだ。災害時、必死に救助活動しているのに、頭のおかしい者達が、戦争の準備をしている、人殺しの準備をしている、と罵った。」
「実際は、有事に国を守る為に訓練しているのにね。」
「あんた、殺し屋なんだろ?誰を殺す?」
「異次元の殺し屋だ。殺人とは限らない。違う方法を採ることもある。」
「詰まり、『広義の殺し』、歴史の改ざん、いや、修正か。いいだろう、あんたはあんたの『計器の異常の確認』をしてくれ。俺に何か役立てることは?」
「国の議事を行う建物の緯度・経度を教えてくれ。」
「了解した。」青島は、筆記具を使わず、口頭で答えた。
「殺し屋、と言ったが、室井さん、あんたは天命で、歴史の調整をする任務を行っている、と俺は判断した。俺は、愛機を調整する。お互いに任務を果たそう。」
青島は手袋を脱ぎ、握手を求めた。俺は快く応じ、握手をした。
俺が数歩歩くと、青島は敬礼をした。
俺は跳んだ。天命か。考えたこと無かったな。
気が付くと、俺は芝家の近くにいた。
国家議事堂だ。俺は、省事務員の1人に見えたかも知れない。
芝家は、『返答場所』に移動し、しどろもどろだった。
芝家が、カンニングする為にこちらに来たので注射を打った。
芝家は、倒れた。別の事務員が救急車を呼んだ。
俺は、救急隊員に言った。「枠朕を打つのを忘れていたので、打ってくれと言われて。」
俺は、偽の身分証を見せるのを忘れなかった。
翌日。全国で、枠朕の副作用が話題になった。
時の、国のトップが枠朕を打って倒れたからだ。
『1回目』は、大衆の面前で芝家は枠朕を打った。いや、打ったことになっている。
連鎖反応か?国中の枠朕予約はキャンセルになった。
来年の秋までは、もつかな?注射は。
国がもつかどうかは、宰副相次第だろう。宰副相筧は、全てにおいて芝家と反対の方針だと青島から聞いていた。
青島、筧、国を守ってやってくれ。
俺は念じながら、時計を弄った。次の世界に行くために。
―完―
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢の逆襲
すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る!
前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。
素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる