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67.【薬害(Drug damage)】
しおりを挟む======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『薬の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、ある研究所。
板書を見て驚いた。細菌学者の研究所か。古民家にしか見えないが。
テーブルが数脚置いてあるが、学生が2人いるだけ。
教授は、熱心に講義をしていた。
「誰ですか?」
学生2人の内、1人は窓に行き、もう一人は玄関に向かった。
恐らく、「戸締まり」を確認したのだろう。
俺は覚悟を決めて、全てを話した。
「面白い。北野君、南出君、どう思うね?」
「パラレルワールドは理論上のことでは?」
俺は数秒考えた。考えている振りをして、彼らの心を読んだ。
どうやら、南出は『瞬間移動』でも見ないと納得がいかないようだ。
俺は、隣の部屋に跳び、入口から入って来た。
出入り口は一カ所しかない。
「分かった。タイムリープの話も信じよう。君の元いた世界でも流行病があって、なかなか立ち直れなかったのだね?私みたいな人間もいたのかな?私は大学を追われたよ。流行病が、途中から『人口ビールス』に入れ替わったと主張したから。」
「京元さん、おかしいんですよ、大体。『変異発生株』は、世代が後になるほど弱っていく筈なのに、パワーアップなんて。」と、南出は言った。
「今、総合理代臣が辞任して、暫く静かだった町はまた『枠朕後遺症患者認定』の拡大をしろというデモが始まりました。暗殺された元総合理代臣の頃設定した『万が一』枠を遙かに凌ぐ認定申請者が後を絶ちません。『打ち切り』です。過去の薬害訴訟も何年もかかりました。」と、肩を落して北野は言った。
「この国の歴史が変わってもいい。私達の歴史が変わってもいい。君の『殺し』で塗り替えれるものなら、塗り替えて欲しい。詰まり、ターゲットは『ビールス』そのものだ。あれが無かったら、暗殺はなかったかも知れない。他の次元と同じ理由かどうかは私達に確かめようがない。でも、隣国の侵略にビールスが関わっていたとしたら、枠朕を買い付けて大勢を救ったと言われた阿比留元総合理は『邪魔者』として消されなかったかもしれない。当然、現政権も誕生しなかった。」
「何年前です?ビールスが発見、いや、開発されたのは?」
「恐らく7年前くらいから始めていたと思う。」
「やってみます。」
3人は深くお辞儀をし、拝んだ。
俺は跳んだ。
結構前の時間だ。自信は無かったが、跳んだ先は7年前、那珂国の研究施設だった。
「ある人の伝言でね。隣国人をビールスで全滅させようとしても無意味だ。既に『抗体』を持っている。
どうにか言葉は通じたようだ、その施設の警備員は、『飛んで』来た。
忽ち囲まれた俺は、蜂の巣になった・・・筈だった。
元の時間軸の『薬の国』に跳んでみた。
ただの空き家だった。どう変わったか分からないが、歴史は変わっていた。
他の次元は、どう変わったのか?興味はあるが、今は考えない方が良さそうだ。
本能が、次の次元の世界に行こうとしている。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
さ、跳ぶよ。今度は誰が呼んだんだ?
―完―
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