大姪と私

クライングフリーマン

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9.庭掃除2

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 ==== この物語はあくまでもフィクションです =========
 私の名前は野本由起夫。姪の名前は如月来夢(らむ)。
 私は、脊柱管狭窄症が進み、車椅子生活になった。私と大姪との同居生活が始まったのだ。
 母が亡くなった後、私は徹底して『終活片づけ』をしていたので、大姪(妹の孫)は2階に居住した。
 私が母と同居していた時の名残の『ナースコール』を復活して、私は必要時に大姪を呼ぶことになった。

 ピンポーン。
 久しぶりの玄関チャイム。
 来夢と一緒に玄関へ行く。
 頼んでおいた業者さんだ。
 今日は「剪定(せんてい)」の日。
 剪定とか「センダイ」とか、父や母が造園用語を使っていたのを思い出す。
 剪定とは、庭の木を整え、枝葉を切ることだ。
「センダイ」というのは、語源は諸説あるようだが、庭の『花壇』のことだ。
 花壇と言うと『鉢植え』を思い浮かべるだろうが、木や花を植える『台』で、地面より高い位置に石やブロック等で『縁』を作り、土を盛り、花木を植えた場所のことだ。
 今回頼んだのは、玄関前の『槇の木』と『モチノキ』。
『モチノキ』は『金持ちになる』と言う、駄洒落の迷信。成るわけない。私が、いい見本だ。
 夕方からは、雨である。
 2本だけ選んだのは、一昨年までの業者さんが転倒して廃業、去年は臨時に頼んだのだが、頼む前に近くのホームセンターでも派遣するらしいと聞いて、初めてだったことと、雨である。もう梅雨入り間近だから、天気は微妙だ。
 作業は片づけを入れて3時間弱。以前の人ほどではない、以前の人は1時間半だった。
 業者さんが帰った後、お前もやってみるか?と乗り気だから、出来る範囲で任せることにした。玄関の上がり口に収納している『高枝切狭』を出した。
「何、それ?」
「たかえだ きりばさみー!!」と戯けると、「オッサンが言うと可愛くない。」と、採点が下った。
 使用方法を説明し、中庭の端、塀の前の木を切らせた。
 彼女は背が高い方だから、脚立も台も要らない。出鱈目に切って、葉っぱを落とし、掃除するだけだから1時間で済んだ。
 継いでのことに、裏庭に、顆粒状の除草剤を撒かせた。
 ゴミ袋を纏めている彼女に「なんで、一緒に切って貰わなかったの?」と尋ねるので、料金のことは言わず、「可愛いお前にやらせたかったのさ。」と、気取って言ったら、「私の胸やお尻見て、反応した?」と聞かれ、つい「した。」と応えた。
 お決まりの「変態おやじ。すけべ。」という言葉が返って来た。
 やれやれ。あれ言わないと気が済まないのかね。
 まあ、「嬉しい」気持ちはなくもないが。」
 雨が降ってきた。
 ギリギリセーフか。
 ―完―


 ―完―





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