闇サイトハンター

クライングフリーマン

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6.コンビニ強盗

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 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========
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 山並郁夫とは、俺のこと。
 俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
 長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
 ところが、人生、思ったようにはいかない。

 俺は、隊長大文字伝子と運命的に出逢ったことで、今後の方針を固めた。
 それは、『闇サイトハンター』として、EITOに、いや、大文字伝子に協力していくことだ。

 2月14日。
 今日は、言わずと知れた「バレンタインデー」。
 よくやったな、総子様。いや、EITO大阪支部。
 自転車泥棒指南のChotGPTかあ。
 お祝いに、「消された筈の」闇サイトのメッセージを匿名で送っておいてやろう。
 東京本部の方は「お人形さん」が動いてからでいいだろう。
 日が変わらない内に、「自分用義理チョコ」買うか。
 前に、「チョコレートフォンデュ」作ったが、わびしさしか残らない。
 俺は、近くのコンビニに急いだ。
 ヤバイ。コンビニの外のランプが点いている。
 俺は、コンビニの向かいにある、農協前電話ボックスから、変声アプリを使って、コンビニ強盗の『タレコミ』をした。
 そして、徐ろに、コンビニに入って行った。
 案の定、店員が転がされている。
「集金後」の時間だ。アホか間抜けだな。
 右後ろから拳銃が押しつけられた。
「どこのアホか間抜けだ?」
 おまいう。でも、一応両手を挙げた。
 今、言おうとした台詞を取るなよ。
「バレンタインチョコ、買いに来たんだけどな。」
「アホ!バレンタインチョコは貰うもんだ、女の子から。」
「日本以外は、そんな習慣ないんだけどな。知ってる?聖バレンタインってのは・・・。」
「お前は、マナー講師か。講釈はいい。おい、早く金を出せ。レジの分だけでもいい。それから、ついでにATMの金もだ。」
「ATMの金は、無理だろう。管理会社しか鍵持ってないから、店員さんは開けられないよ。」
「つべこべ言うな。知ってるよ。ついで、って言っただろう。」
 これは、からかい甲斐がある男だ。
「失礼しました。じゃあ、強盗さんが逃げてから、チョコ買うよ。俺はモテナイからね、自分で買って自分で食う。味気ないけど。」
 店員が、レジの金を袋に詰めて、男の前に持って来た。
 男がその袋を受け取った瞬間、俺は男の股間を蹴り上げた。
 男は、もんどり打って倒れた。
「警報!警報!!」と、俺は怒鳴った。
 内緒の話だが、警察への警報器と、外のランプは別だ。店員の機転次第なのだ。
 店長代理が、慌てて警報器を鳴らした。
 ここで、帰宅すると、仲間だと思われかねない。
 俺は、堂々と警察に事情を説明し、「見切り品」にならなかったバレンタインチョコを買って帰宅した。
 見切り品にしろよ、ヒーローなのに。
 世の中、甘くない。このビターチョコのように。
 また、引っ越しだな。
 ―完―
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