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7.義姉
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======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。
俺は、隊長大文字伝子と運命的に出逢ったことで、今後の方針を固めた。
それは、『闇サイトハンター』として、EITOに、いや、大文字伝子に協力していくことだ。
2月21日。早いものだ。明後日は、今の天皇さんの誕生日か。
俺は、新しいアジトで朝食を採り、朝刊を読んでいたが、ふと思いついてアネの家に行くことにした。
アネと言っても義姉。腹違いのアネだ。
子供の頃から、時折、親に黙って会っていた。義姉は、「お医者さんごっこ」をしたがった。
成人してから、交流が途絶えていたが、あることをキッカケに、再会した。
野放図な所のある義姉は、一時、風俗で働いていた。
『府中のドンファン』と呼ばれた、金持ちは、数あまたある女性の中から、知り合った義姉と結婚した。
ドンファンは再婚である。義姉が風俗に働いていたことから、『財産目当て』とマスコミから揶揄され、ドンファンの親族・親類も追い出そうとしていた。
子供が生まれていたら、少しは状況が変わっていただろうが、ぽっくり死んだ爺さんの『殺人』の疑いがかけられていた。
だが、義姉には「遺言書」が会社の顧問弁護士によって作られていて、預金を全額義姉に残す、と遺言書には書かれていた。
殺人は、証拠不充分で不起訴、預金は義姉が相続した。親族は、何も残されていなかった訳ではない。それでも、親族は騒いだ。
弁護士は弁護団を連れて、殺人事件の裁判に臨み、勝訴した。
相続は、不満があっても、親族は文句を言えなくなった。
実は、弁護団への依頼は義姉に俺がアドバイスをしたのだ。
そんな回想をしながら、義姉のパソコンを覗くと、『凝りもせず』俺の名前と同じ名前の主人公の『エロ小説』を書いていたようだった。
「姉貴。俺の名前、使うなよな。俺は『性の王様』じゃないからな。」と、居眠りをしていた義姉を起こした。
「だって、郁チャンが主人公だと書きやすいんだもん。」「そんなに俺が好きか?」
「好き。」「抱いて欲しいか?」「欲しい。」「断る。俺の好みじゃない。」「意地悪。」
いつもの、押し問答だ。義姉が書いているのは、パソコンのワープロだが、脱稿したら、『原稿用紙』モードでプリントする。俺が教えてやったやり方だ。
もう400字詰め原稿用紙を書き損じては丸めてポイの時代だ。
義姉が納品している出版社は、未だに電子ファイルを扱わない。プリントした原稿と、バックアップのFDを渡すことになっている。
FD?最初聞いた時は、腰が抜けたものだ。
「ねえ、郁チャン。新しいパソコン買ってよ。」「自分で買えばいいだろ?」
「だって、どれがいいか分からないから。この頃、調子悪いのよ。保存するのに30分かかっちゃうし。」
「じゃあ、掃除してやるよ。ダメなら買ってやる。それで、いいだろ?」
「うん。じゃあ、郁チャンの好きなバターライス作るね。」
俺は義姉が出て行った後、確認した。時間がかかる訳だ。バックグラウンドで色んなアプリが動いている。
俺は、すぐに通信を遮断。持参したUSBに、義姉の原稿を保存してから、バックグラウンドのアプリを強制終了、アンインストール。ゴミファイルを一斉に『掃除』した。
後で、義姉には、OSとワープロソフトとを再インストールさせよう。
いや、俺がやる方が早いか。
マルウェアを退治する際、『発信源』の『履歴』を見付けた俺は、FDドライブを繋ぎ、FDにアドレスと履歴をメタファイルにして書き込んだ。
今や、ロートルの方が安全な時代だ。
「治る?」と、言いながら、義姉はバターライスを運んで来た。
「ちょっとした掃除はしたが、『悪い虫』付かないようにするのに、時間がかかるな。」
「じゃあ、抱いてくれるの?」「何で、そっちに行くかなあ。テレビゲームでもしようよ。」
「分かった。」「良い子だ。」
午前1時。帰宅後、FDから、ハッカーに繋いでみたら、大変なことが分かった。こいつ、闇サイトをやってやがる。
しかも、俺の『伝子様』を困らせる原因なんか・・・。俺の出番だ。
―完―
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。
俺は、隊長大文字伝子と運命的に出逢ったことで、今後の方針を固めた。
それは、『闇サイトハンター』として、EITOに、いや、大文字伝子に協力していくことだ。
2月21日。早いものだ。明後日は、今の天皇さんの誕生日か。
俺は、新しいアジトで朝食を採り、朝刊を読んでいたが、ふと思いついてアネの家に行くことにした。
アネと言っても義姉。腹違いのアネだ。
子供の頃から、時折、親に黙って会っていた。義姉は、「お医者さんごっこ」をしたがった。
成人してから、交流が途絶えていたが、あることをキッカケに、再会した。
野放図な所のある義姉は、一時、風俗で働いていた。
『府中のドンファン』と呼ばれた、金持ちは、数あまたある女性の中から、知り合った義姉と結婚した。
ドンファンは再婚である。義姉が風俗に働いていたことから、『財産目当て』とマスコミから揶揄され、ドンファンの親族・親類も追い出そうとしていた。
子供が生まれていたら、少しは状況が変わっていただろうが、ぽっくり死んだ爺さんの『殺人』の疑いがかけられていた。
だが、義姉には「遺言書」が会社の顧問弁護士によって作られていて、預金を全額義姉に残す、と遺言書には書かれていた。
殺人は、証拠不充分で不起訴、預金は義姉が相続した。親族は、何も残されていなかった訳ではない。それでも、親族は騒いだ。
弁護士は弁護団を連れて、殺人事件の裁判に臨み、勝訴した。
相続は、不満があっても、親族は文句を言えなくなった。
実は、弁護団への依頼は義姉に俺がアドバイスをしたのだ。
そんな回想をしながら、義姉のパソコンを覗くと、『凝りもせず』俺の名前と同じ名前の主人公の『エロ小説』を書いていたようだった。
「姉貴。俺の名前、使うなよな。俺は『性の王様』じゃないからな。」と、居眠りをしていた義姉を起こした。
「だって、郁チャンが主人公だと書きやすいんだもん。」「そんなに俺が好きか?」
「好き。」「抱いて欲しいか?」「欲しい。」「断る。俺の好みじゃない。」「意地悪。」
いつもの、押し問答だ。義姉が書いているのは、パソコンのワープロだが、脱稿したら、『原稿用紙』モードでプリントする。俺が教えてやったやり方だ。
もう400字詰め原稿用紙を書き損じては丸めてポイの時代だ。
義姉が納品している出版社は、未だに電子ファイルを扱わない。プリントした原稿と、バックアップのFDを渡すことになっている。
FD?最初聞いた時は、腰が抜けたものだ。
「ねえ、郁チャン。新しいパソコン買ってよ。」「自分で買えばいいだろ?」
「だって、どれがいいか分からないから。この頃、調子悪いのよ。保存するのに30分かかっちゃうし。」
「じゃあ、掃除してやるよ。ダメなら買ってやる。それで、いいだろ?」
「うん。じゃあ、郁チャンの好きなバターライス作るね。」
俺は義姉が出て行った後、確認した。時間がかかる訳だ。バックグラウンドで色んなアプリが動いている。
俺は、すぐに通信を遮断。持参したUSBに、義姉の原稿を保存してから、バックグラウンドのアプリを強制終了、アンインストール。ゴミファイルを一斉に『掃除』した。
後で、義姉には、OSとワープロソフトとを再インストールさせよう。
いや、俺がやる方が早いか。
マルウェアを退治する際、『発信源』の『履歴』を見付けた俺は、FDドライブを繋ぎ、FDにアドレスと履歴をメタファイルにして書き込んだ。
今や、ロートルの方が安全な時代だ。
「治る?」と、言いながら、義姉はバターライスを運んで来た。
「ちょっとした掃除はしたが、『悪い虫』付かないようにするのに、時間がかかるな。」
「じゃあ、抱いてくれるの?」「何で、そっちに行くかなあ。テレビゲームでもしようよ。」
「分かった。」「良い子だ。」
午前1時。帰宅後、FDから、ハッカーに繋いでみたら、大変なことが分かった。こいつ、闇サイトをやってやがる。
しかも、俺の『伝子様』を困らせる原因なんか・・・。俺の出番だ。
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