闇サイトハンター

クライングフリーマン

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30.姉貴と結ばれた夜

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======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


山並郁夫とは、俺のこと。
俺は、『殺しの請負人』、いや『殺し屋』になる筈だった。
長い間、あちこちに『傭兵』で参加していた俺は、あるコミックを読んで『殺し屋』になることにした。
ところが、人生、思ったようにはいかない。

だが、「闇サイトハンター」になって、俺は変わった。
「影の正義の味方」になるのだ。
大文字伝子様の為に。

闇サイトは、ある程度時間開いて、閉じる。まるでモグラのように。
それに、「年中暇な」若者が引っかかる。まるで「疑似餌」に魚が飛びつくように。
超一流ハッカーの俺は、その「開いて閉じる」サイトの様子を記録するシステムを開発した。年中24時間見張っている訳にはいかないからだ。

闇サイトが大流行りだ。
だが、そのお陰で真サイトであるSNSも大流行だ。

午前1時。夜中に姉貴から電話がかかってきた。3番目のスマホだ。
「郁チャン、助けて。扇風機が・・・。」

義理の姉貴の家に俺はバイクを跳ばした。
確かに、扇風機は壊れていた。
頭が「ごめんなさい」している。
姉貴も冷え性だから、エアコンもあるが、扇風機を使うことが多い。
初夏の頃、調子悪いから、と言うから応急処理をした。
「たが」の部分が折れているので、結束バンドで修理したのだ。
今度は中のネジ止め金具が内側も外側も壊れている。
もう、手の施しようがない。
俺は、姉貴のPCで、ネット注文した。今なら安く売っているかも知れない。
あった。
「姉貴。注文しといたから。」と、振り返ると、姉貴は、裸になって立っていた。
しまった。正夢だった。ゴキブリではなく、扇風機だった。
俺は捕まった。『郁夫ホイホイ』に。
とうとう、結ばれてしまった。

「扇風機の頭、ひょっとしたら、叩いたの?」
「いつまで経っても抱いてくれないから。好きな人いるのね。私、体だけのの奥さんでもいいよ。」
「姉貴。」
「いやあ。加津子って呼んで。」
「加津子、籍入れなくてもいいか?」
「郁ちゃんの『オンナ』でいい。」
時間も時間だ。
「戦闘」の後、俺は仮眠して、5番目の自宅に帰った。
風呂から出た時に見せられた光景が目にちらついた。
和箪笥、洋服ダンスは、ぎっしりと俺用の下着、衣類があった。
許せ、加津子。当分「体だけの夫婦」だ。

―完―


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