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美味しいご飯の為に頑張るのです。
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「失礼致します。前回依頼されたものをお持ちしました」
「流石マーク様ですね、仕事が早い」
「ミラー様に関することでしたらね」
そう言って微笑むマーク様。これは女性たちが噂をしたくなるのも分かる。ミラー様に全てを捧げるマーク様とその支えのお陰で王子としての重責を果たすミラー様……。うん、妄想もはかどりそうだ。
「何か良くないことを考えては居ませんか」
「い、いえ。何も考えていませんよ?」
「なら良いですが……。一応頼まれていたものと参考になる資料をお持ちしました。さすがに毒自体はお渡しすることが出来ませんので資料のみとなりますが申し訳ありません」
「いえこの短期間でこれだけ準備して頂いたら助かります。思いつきなので成功するかも分かりませんので」
私は今回チートスキルを使って新しい魔道具を作ろうと思っているのだ。ミラー様が毒見が必要で温かい物を食べたことないと聞いて、それはとても悲しいことだと思ったのだ。だから私が嘘発見器ならぬ“毒発見器”を作ればミラー様も温かい物が食べれるんじゃないかと思い、ミラー様に必要な素材と毒の資料を用意してもらった。
ミラー様の滞在中に完成すれば良いがもしダメでも完成出来次第マーク様を通して安全を確認出来たら良いと思っている。
「では私はこれからまた視察に出るので失礼します。もし何か追加で必要な物があればまたご連絡下さい」
「また出掛けられるんですね。次はどちらに行かれるんですか?」
「漁師達に先程の話を詳しく聞く予定ですよ。夕方には戻ってきますので夕飯は一緒に食べようとミラー様が仰っています」
「分かりました。お待ちしてますね。マーク様もお気をつけて」
「ありがとうございます」
マーク様が立ち去ってから持って来てくれた資料を見て行く。
毒には液体の物と粉末状の物が主にあるらしい。それと即効性の物と遅延性の物。遅延性の物だと大体30分から1時間程で効果が現れてくるそうなので、ミラー様の食事は毒味から大体1時間程経った物が届けられるそうだ。
一応毒の耐性は付けているのだが、念のため毒味は欠かせないのだとか。
「うーーん。液体状のやつは色透明だったり、薄い色のものが多いんだ。そんな物が食事に入ってると見分けるのは難しそうだよね」
更に資料を見ていくと、粉末状の毒は固まってしまったり、苦味がある物が多いので、食材に混ぜたり味の濃い料理に使用する、液体状の物はスープに混ぜて使用するとの記述を発見した。
当たり前だが臭いや味で見分けることが出来ないように工夫されてるだろう。粉末は今は置いとくとして、先に液体の方から取り掛かろうかな。そっちの方がイメージしやすそう。
私のスキルはイメージ力がものを言うのだ。学生の頃の理科の実験を思い出す。よく試験に出てきたリトマス紙。確かあれは液体に浸すと酸性や中性を教えてくれる物だったはず。あんな感じで毒が入ってると反応するようにすればいけそうだ。
「液体に浸すから紙の材質が重要よね。最悪それも自分で加工すれば良いんだけど出来れば既にあるものを使いたいのよね……。どれどれ」
新しい素材を作ったりしたらまた依頼を頼まれそうだ。まだユーリと仲直り出来ていないからなるべく城からの依頼は受けたくない。依頼を受けると一度旅をストップさせなきゃならないからね。
「おっ! これちょうど良いかも。これならスープに浸しても溶けたり切れたりしなそうだし。あとは毒の種類をまとめてしまうか1つずつ付加するか……」
マーク様の持ってきてくれた素材の中から、表面が加工された厚紙を見つけ、今回はそれを使用することにする。本当は全部まとめて検査できる物が楽だろうけど万が一のこともあるし……。ここはめんどくさくても毒の種類によって一個ずつ分けることにする。一個ずつと言っても液体のものだと全部で10種類程だ。
資料を確認しながら1個ずつ毒物が入っていたら赤色になるようにイメージをして紙に魔力を注いでいく。
「よし、後はマーク様に検証をお願いしよう」
私が出来るのはここまでだ。これでもし毒の反応がちゃんと出ると証明されれば、スープ類の毒味は必要なくなる。問題なければ粉末の毒についてもなんとか発見出来るように考えていこう。
毒の種類別ごとに毒試験紙(仮)をまとめて片付けをしているとまたノックの音が聞こえてくる。マーク様が来たのかと思い誰か確認をせずにドアを開けるとそこに居たのはユーリだった。
「お前は本当に……。ちゃんと誰だか確認してから開けろよ」
「ごめん。さっきマーク様が来てたから忘れ物したのかと思って。とりあえず中に入って」
彼から私の部屋に来るのは珍しい。いつも宿に泊まる時は私が彼の部屋に行くことはあるが、彼は私の部屋には絶対に来ないのに。
「……」
「ええと、お茶でも飲む?」
部屋に入ってもそわそわとして話出す様子のないユーリに声を掛ける。
「ああ頼む。……お前は良い部屋を与えられたみたいだな」
「そうなの。こんな部屋に泊まれることなんてもう無いよねきっと。ユーリもこんな感じじゃないの?」
「俺は至って普通の部屋だ。あいつお前のこと贔屓しやがったな。……あいつに好かれてるんだな」
「てっきり同じランクの部屋かと思った。きっと女だからと気を遣ってくれたのね」
てっきりユーリも同じような部屋だと思ってたが違うみたいだ。ミラー様は私のこともいつもお姫様扱いしてくれるから、今回も少しそう言った扱いをしてくれたのだろう。
「はい、お茶を淹れたからこっちに座ったら?」
私がお茶を淹れている間も彼は椅子に座らずにウロウロしていた。別に綺麗に使っているから見られても恥ずかしいところはないのだが、ウロウロされてはこちらが落ち着かない。
「これは何を作ってたんだ?」
「ああ、それは毒発見器ならぬ毒試験紙を作ってたのよ」
「毒試験紙? なんだそれ?」
まだ出しっぱなしにしていた資料等を見たユーリに先程作った物を説明する。
「それでこの試験紙をスープや飲み物に浸すと毒が入っていれば赤く反応するって訳。これがあれば毒味も要らずに温かいスープやお茶が飲めるでしょ?」
「これをあいつの為に? ……あいつのことが好きなのか?」
「ええ好きよ? ミラー様を嫌う人なんて居るわけないじゃない。それに温かい料理が食べらないなんて人生損してる! まだ汁物にしか使えないけどいつか温かい料理のフルコースを食べてもらいたい!」
美味しいご飯が大好きな私は温かいご飯が食べれないなんて考えられない。ミラー様にはぜひとも温かい料理を食べてもらいたい!
「ご飯のために作ったのか……?」
「ええ勿論! 温かい料理が食べれないなんて人生の8割損してるわよ!! 絶対毒をどうにかして温かい料理を味わってもらわないと! それが私のスキルの使命よ!!」
「確かにお前は食について五月蝿いもんな」
「当たり前じゃない! 食べることが人生の楽しみで幸せなんだから! 美味しい物を食べる為に私は生きているのよ」
「あーー。なんかお前と話してたら色々悩むのが馬鹿らしくなってきた」
「ユーリも悩みなんてあったの?」
悩んだりせずに自分の思うまま生きてそうなのに。
「お前いつも俺のこと歳下扱いするくせに。俺くらいの年齢で悩みのないやつなんか居ないだろ」
「確かに悩み多き青春時代だものね。でもあなたの場合青春とは程遠そうだけど」
「誰のせいで遠ざかってると思ってるんだよ」
「私のせいだって言うの? それでここに来た要件は何なのよ」
このままではまた喧嘩に発展しそうだったので話題を変えることにする。私は大人なのだ。売り言葉に買ってばかりではいない。
「ああ。明日から海の洞窟に行くことにする。装備はあるか?」
「装備っていつもの感じで大丈夫じゃないの?」
「やっぱり大丈夫じゃないな。先に買い物してから洞窟に行くか。朝早いから覚悟しとけよ」
「分かった。あっ! ユーリちゃんと無線機着けてる? 何回呼びかけても反応無いんだけど」
「付けた。あいつにも着けるように言われたから仕方なくな」
「もう! いざと言う時に使えるんだから仕方なくじゃなくて普段からつけとくの!」
「分かったって」
そう言ってお茶を一気飲みするとユーリは去って行った。
「流石マーク様ですね、仕事が早い」
「ミラー様に関することでしたらね」
そう言って微笑むマーク様。これは女性たちが噂をしたくなるのも分かる。ミラー様に全てを捧げるマーク様とその支えのお陰で王子としての重責を果たすミラー様……。うん、妄想もはかどりそうだ。
「何か良くないことを考えては居ませんか」
「い、いえ。何も考えていませんよ?」
「なら良いですが……。一応頼まれていたものと参考になる資料をお持ちしました。さすがに毒自体はお渡しすることが出来ませんので資料のみとなりますが申し訳ありません」
「いえこの短期間でこれだけ準備して頂いたら助かります。思いつきなので成功するかも分かりませんので」
私は今回チートスキルを使って新しい魔道具を作ろうと思っているのだ。ミラー様が毒見が必要で温かい物を食べたことないと聞いて、それはとても悲しいことだと思ったのだ。だから私が嘘発見器ならぬ“毒発見器”を作ればミラー様も温かい物が食べれるんじゃないかと思い、ミラー様に必要な素材と毒の資料を用意してもらった。
ミラー様の滞在中に完成すれば良いがもしダメでも完成出来次第マーク様を通して安全を確認出来たら良いと思っている。
「では私はこれからまた視察に出るので失礼します。もし何か追加で必要な物があればまたご連絡下さい」
「また出掛けられるんですね。次はどちらに行かれるんですか?」
「漁師達に先程の話を詳しく聞く予定ですよ。夕方には戻ってきますので夕飯は一緒に食べようとミラー様が仰っています」
「分かりました。お待ちしてますね。マーク様もお気をつけて」
「ありがとうございます」
マーク様が立ち去ってから持って来てくれた資料を見て行く。
毒には液体の物と粉末状の物が主にあるらしい。それと即効性の物と遅延性の物。遅延性の物だと大体30分から1時間程で効果が現れてくるそうなので、ミラー様の食事は毒味から大体1時間程経った物が届けられるそうだ。
一応毒の耐性は付けているのだが、念のため毒味は欠かせないのだとか。
「うーーん。液体状のやつは色透明だったり、薄い色のものが多いんだ。そんな物が食事に入ってると見分けるのは難しそうだよね」
更に資料を見ていくと、粉末状の毒は固まってしまったり、苦味がある物が多いので、食材に混ぜたり味の濃い料理に使用する、液体状の物はスープに混ぜて使用するとの記述を発見した。
当たり前だが臭いや味で見分けることが出来ないように工夫されてるだろう。粉末は今は置いとくとして、先に液体の方から取り掛かろうかな。そっちの方がイメージしやすそう。
私のスキルはイメージ力がものを言うのだ。学生の頃の理科の実験を思い出す。よく試験に出てきたリトマス紙。確かあれは液体に浸すと酸性や中性を教えてくれる物だったはず。あんな感じで毒が入ってると反応するようにすればいけそうだ。
「液体に浸すから紙の材質が重要よね。最悪それも自分で加工すれば良いんだけど出来れば既にあるものを使いたいのよね……。どれどれ」
新しい素材を作ったりしたらまた依頼を頼まれそうだ。まだユーリと仲直り出来ていないからなるべく城からの依頼は受けたくない。依頼を受けると一度旅をストップさせなきゃならないからね。
「おっ! これちょうど良いかも。これならスープに浸しても溶けたり切れたりしなそうだし。あとは毒の種類をまとめてしまうか1つずつ付加するか……」
マーク様の持ってきてくれた素材の中から、表面が加工された厚紙を見つけ、今回はそれを使用することにする。本当は全部まとめて検査できる物が楽だろうけど万が一のこともあるし……。ここはめんどくさくても毒の種類によって一個ずつ分けることにする。一個ずつと言っても液体のものだと全部で10種類程だ。
資料を確認しながら1個ずつ毒物が入っていたら赤色になるようにイメージをして紙に魔力を注いでいく。
「よし、後はマーク様に検証をお願いしよう」
私が出来るのはここまでだ。これでもし毒の反応がちゃんと出ると証明されれば、スープ類の毒味は必要なくなる。問題なければ粉末の毒についてもなんとか発見出来るように考えていこう。
毒の種類別ごとに毒試験紙(仮)をまとめて片付けをしているとまたノックの音が聞こえてくる。マーク様が来たのかと思い誰か確認をせずにドアを開けるとそこに居たのはユーリだった。
「お前は本当に……。ちゃんと誰だか確認してから開けろよ」
「ごめん。さっきマーク様が来てたから忘れ物したのかと思って。とりあえず中に入って」
彼から私の部屋に来るのは珍しい。いつも宿に泊まる時は私が彼の部屋に行くことはあるが、彼は私の部屋には絶対に来ないのに。
「……」
「ええと、お茶でも飲む?」
部屋に入ってもそわそわとして話出す様子のないユーリに声を掛ける。
「ああ頼む。……お前は良い部屋を与えられたみたいだな」
「そうなの。こんな部屋に泊まれることなんてもう無いよねきっと。ユーリもこんな感じじゃないの?」
「俺は至って普通の部屋だ。あいつお前のこと贔屓しやがったな。……あいつに好かれてるんだな」
「てっきり同じランクの部屋かと思った。きっと女だからと気を遣ってくれたのね」
てっきりユーリも同じような部屋だと思ってたが違うみたいだ。ミラー様は私のこともいつもお姫様扱いしてくれるから、今回も少しそう言った扱いをしてくれたのだろう。
「はい、お茶を淹れたからこっちに座ったら?」
私がお茶を淹れている間も彼は椅子に座らずにウロウロしていた。別に綺麗に使っているから見られても恥ずかしいところはないのだが、ウロウロされてはこちらが落ち着かない。
「これは何を作ってたんだ?」
「ああ、それは毒発見器ならぬ毒試験紙を作ってたのよ」
「毒試験紙? なんだそれ?」
まだ出しっぱなしにしていた資料等を見たユーリに先程作った物を説明する。
「それでこの試験紙をスープや飲み物に浸すと毒が入っていれば赤く反応するって訳。これがあれば毒味も要らずに温かいスープやお茶が飲めるでしょ?」
「これをあいつの為に? ……あいつのことが好きなのか?」
「ええ好きよ? ミラー様を嫌う人なんて居るわけないじゃない。それに温かい料理が食べらないなんて人生損してる! まだ汁物にしか使えないけどいつか温かい料理のフルコースを食べてもらいたい!」
美味しいご飯が大好きな私は温かいご飯が食べれないなんて考えられない。ミラー様にはぜひとも温かい料理を食べてもらいたい!
「ご飯のために作ったのか……?」
「ええ勿論! 温かい料理が食べれないなんて人生の8割損してるわよ!! 絶対毒をどうにかして温かい料理を味わってもらわないと! それが私のスキルの使命よ!!」
「確かにお前は食について五月蝿いもんな」
「当たり前じゃない! 食べることが人生の楽しみで幸せなんだから! 美味しい物を食べる為に私は生きているのよ」
「あーー。なんかお前と話してたら色々悩むのが馬鹿らしくなってきた」
「ユーリも悩みなんてあったの?」
悩んだりせずに自分の思うまま生きてそうなのに。
「お前いつも俺のこと歳下扱いするくせに。俺くらいの年齢で悩みのないやつなんか居ないだろ」
「確かに悩み多き青春時代だものね。でもあなたの場合青春とは程遠そうだけど」
「誰のせいで遠ざかってると思ってるんだよ」
「私のせいだって言うの? それでここに来た要件は何なのよ」
このままではまた喧嘩に発展しそうだったので話題を変えることにする。私は大人なのだ。売り言葉に買ってばかりではいない。
「ああ。明日から海の洞窟に行くことにする。装備はあるか?」
「装備っていつもの感じで大丈夫じゃないの?」
「やっぱり大丈夫じゃないな。先に買い物してから洞窟に行くか。朝早いから覚悟しとけよ」
「分かった。あっ! ユーリちゃんと無線機着けてる? 何回呼びかけても反応無いんだけど」
「付けた。あいつにも着けるように言われたから仕方なくな」
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