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神殿内に入ったようです。
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「す、すみませんでした……。早く拭かなきゃと焦っていてミラー様達のことを置き去りにしてしまいました」
「いや、仕方ないよ。僕達も無事にこうして中に入れてもらえたし」
私達は今神殿内の応接室のような所へと案内されている。聖女様が先走ってしまったので、後からやって来た神官長に話をして案内してもらったのだ。温かいお茶を頂いていると、聖女様が現れ、その後ろからタオルで体を拭きながらユーリがやってくる。
「ユリ、頼む。さすがに寒い」
「分かった。“乾け”」
「サンキュ」
「その特殊な魔法……、もしやあなたが噂の落界人なのですか!?」
神官長がいきなり手を掴もうとしてくるので慌てて身を引くが、しっかりとユーリがその腕を抑えてくれている。
「おい。触ろうとするな」
「ひっ。すみません……。まさか落界人に会えるとは思っていなかったものですから。失礼いたしました。お名前をお伺いしても宜しいですか?」
「ユリと申します……」
やけにキラキラした目で見られているのは気のせいだろうか。リア様とは少し雰囲気が違うか、何か憧れられているというか、特殊な視線を感じる。
「あなたがそうなのですね!! 神官長からいつも話を聞かされていたのですよ。前世でかなりの徳を積まないとこの世界に落ちてくることは出来ないから、今回の落界人はどれほど素晴らしい人なのだろうって色んな妄想……いえ、想像をしていたのです!!」
「おい、ララっ!! その話は内緒にしててくれ。ユリ様……恥ずかしいながらずっとあなたのことを想っておりました。やはり神殿を守るものとしては、神様から選ばれた落界人はとても尊い存在なのです。……しかし想像していたよりずっとお若く、とても綺麗な女性で驚きました。お会いできて光栄でございます」
「そんな頭を下げないで下さい。私は大した者ではございませんから。ほら、ミラー様も居ることですし」
私なんかよりも王子であるミラー様に敬って頭を下げて欲しい。そう思ったのだがミラー様は苦笑いをする。
「神殿では僕と神官長は同じ立場なんだよ。神殿は独立機関として対等な関係を築いているんだ。もちろん今回のような国の危機があった場合にはお互いに助け合う関係は築けているよ」
確かに神官長もミラー様に対して丁寧な言葉遣いではあるが、そこまで敬った態度ではなかった気がする。元の世界でも三権分立みたいなことあったもんね。そんな感じなのかもしれない。
「ええ、私たちも王政に反対もしていませんし、こちらの方が色々とバランスが良いのですよ」
「難しい話は置いておいて、どうしてミラー様達が神殿にいらっしゃったのですか? 転移してくるなんて緊急事態ですよね?」
神官長と雑談をしているとララさん? が会話を割って入ってくる。先程の様子からおっちょこちょいなタイプだと思っていたのだが、しっかり物事を見れているらしい。
「そうなんだ。……とうとう魔王に関する情報を手に入れた。魔王を完璧に倒すためにも君の力を貸して欲しい」
「魔王……。やはり夢ではなく現実となってしまうのですね」
「ああ、この目で見て来た。リア様に鑑定もしてもらっているから間違いない」
そうミラー様とユーリに言われると息を呑むララさん。神官長に促され椅子に座り黙って話を聞いている。
「魔王の魂……。浄化する……」
「そうなんだ。その浄化には君の聖なる力が必要だとリア殿の鑑定で出ている。僕たちに着いて来てくれるかい?」
ミラー様の問いかけにすぐ答えることが出来ないララさん。それもそうだろう。10代後半であろうまだ少女な彼女に魔王の魂だの、浄化等を頼むのは酷な話に違いない。
「と、と、とっ……、とうとうこの時がキターーーーーー!!!!」
「うん!?」
急にララさんが叫び始めた。来たがカタカナに聞こえたのは気のせい?
「聖女として鑑定されて早2年!!」
「割と短いよね?」
「勇者様と一緒に魔王を倒すことだけを想い、この数年訓練を積んで来ました。とうとう勇者様の力になることが出来るのですね!?」
「おっ……おう」
話しながらズイズイとユーリに近づいていき手を取るララさん。その勢いにあのユーリが少し圧倒されている。美少女に手を繋がれて照れると思いきや少し顔が引き攣っている。もしかしてララさんのことが苦手なのかしら。確かに1匹狼なユーリにとってはグイグイくるタイプは苦手なのかもしれない。そう思うと少し安心した。……うん? 何に対して私は今安心したの?
そう私が困惑している間に話はどんどん進んでいく。ちなみに話がちゃんと進んでいるのはリア様が黙っているからだ。
実は神殿に入る前にミラー様から合図があるまでは喋らないでくれと釘を刺されているのだ。それまで静かにしておいてくれた方がリア様の登場が際立つからと説得されていたが、単にリア様が喋ると脱線するからそれを回避したかっただけだろう。
「なるほど、その魂の浄化が必要なのですね。お任せ下さい! その為に私は2年間ここで修行を積んできましたので!!」
「それは心強いな。じゃあリア殿から詳しいことを説明してもらえるか?」
「はい!! 任されました!! お久しぶりですララ様!! もうこんな機会が訪れたことに私は感謝いたします!! こんな特別なスキルが集結した日が今まであったでしょうか、いやないのです。今日を記念日として国の記録に残すことをぜひオススメします!! いや、国に頼らなくても私が今日この日を後世にしっかり残させて頂きます!!」
もう重要なことは話し終えたから良いと判断されたんだろう。ミラー様から続きを任されたリア様は嬉々として話し始めるのだが、予想通り大分話が逸れている。黙っていた分いつもよりさらにテンションが高い気がする。もうみんなも仕方ないよねといった風に優雅なティータイムが始まっているので、私もそちらにつかせてもらう。リア様とララさんだけが立ったままなのだが誰も声を掛けない……うん、私もそこに関しては突っ込まないことにしよう。
「はい、はい……そうなのですね。赤い魔石を浄化する……」
脱線を交えつつ、ちゃんも本題のも話せているようだ。うん、神殿のケーキもなかなか美味しい。
「ええ、書物にはそのようなことは記載がなかったのですが……もしかしたらこの神殿にもそのようなものがあるかもしれません。何か心当たりはありますか?」
「はい! あります!!」
「「えっ!?」」
予想外の返事があり、みんな慌ててララさんの方を向く。ララさんは急な視線に少し赤くなりながらも頷いて話してくれた。
「いや、仕方ないよ。僕達も無事にこうして中に入れてもらえたし」
私達は今神殿内の応接室のような所へと案内されている。聖女様が先走ってしまったので、後からやって来た神官長に話をして案内してもらったのだ。温かいお茶を頂いていると、聖女様が現れ、その後ろからタオルで体を拭きながらユーリがやってくる。
「ユリ、頼む。さすがに寒い」
「分かった。“乾け”」
「サンキュ」
「その特殊な魔法……、もしやあなたが噂の落界人なのですか!?」
神官長がいきなり手を掴もうとしてくるので慌てて身を引くが、しっかりとユーリがその腕を抑えてくれている。
「おい。触ろうとするな」
「ひっ。すみません……。まさか落界人に会えるとは思っていなかったものですから。失礼いたしました。お名前をお伺いしても宜しいですか?」
「ユリと申します……」
やけにキラキラした目で見られているのは気のせいだろうか。リア様とは少し雰囲気が違うか、何か憧れられているというか、特殊な視線を感じる。
「あなたがそうなのですね!! 神官長からいつも話を聞かされていたのですよ。前世でかなりの徳を積まないとこの世界に落ちてくることは出来ないから、今回の落界人はどれほど素晴らしい人なのだろうって色んな妄想……いえ、想像をしていたのです!!」
「おい、ララっ!! その話は内緒にしててくれ。ユリ様……恥ずかしいながらずっとあなたのことを想っておりました。やはり神殿を守るものとしては、神様から選ばれた落界人はとても尊い存在なのです。……しかし想像していたよりずっとお若く、とても綺麗な女性で驚きました。お会いできて光栄でございます」
「そんな頭を下げないで下さい。私は大した者ではございませんから。ほら、ミラー様も居ることですし」
私なんかよりも王子であるミラー様に敬って頭を下げて欲しい。そう思ったのだがミラー様は苦笑いをする。
「神殿では僕と神官長は同じ立場なんだよ。神殿は独立機関として対等な関係を築いているんだ。もちろん今回のような国の危機があった場合にはお互いに助け合う関係は築けているよ」
確かに神官長もミラー様に対して丁寧な言葉遣いではあるが、そこまで敬った態度ではなかった気がする。元の世界でも三権分立みたいなことあったもんね。そんな感じなのかもしれない。
「ええ、私たちも王政に反対もしていませんし、こちらの方が色々とバランスが良いのですよ」
「難しい話は置いておいて、どうしてミラー様達が神殿にいらっしゃったのですか? 転移してくるなんて緊急事態ですよね?」
神官長と雑談をしているとララさん? が会話を割って入ってくる。先程の様子からおっちょこちょいなタイプだと思っていたのだが、しっかり物事を見れているらしい。
「そうなんだ。……とうとう魔王に関する情報を手に入れた。魔王を完璧に倒すためにも君の力を貸して欲しい」
「魔王……。やはり夢ではなく現実となってしまうのですね」
「ああ、この目で見て来た。リア様に鑑定もしてもらっているから間違いない」
そうミラー様とユーリに言われると息を呑むララさん。神官長に促され椅子に座り黙って話を聞いている。
「魔王の魂……。浄化する……」
「そうなんだ。その浄化には君の聖なる力が必要だとリア殿の鑑定で出ている。僕たちに着いて来てくれるかい?」
ミラー様の問いかけにすぐ答えることが出来ないララさん。それもそうだろう。10代後半であろうまだ少女な彼女に魔王の魂だの、浄化等を頼むのは酷な話に違いない。
「と、と、とっ……、とうとうこの時がキターーーーーー!!!!」
「うん!?」
急にララさんが叫び始めた。来たがカタカナに聞こえたのは気のせい?
「聖女として鑑定されて早2年!!」
「割と短いよね?」
「勇者様と一緒に魔王を倒すことだけを想い、この数年訓練を積んで来ました。とうとう勇者様の力になることが出来るのですね!?」
「おっ……おう」
話しながらズイズイとユーリに近づいていき手を取るララさん。その勢いにあのユーリが少し圧倒されている。美少女に手を繋がれて照れると思いきや少し顔が引き攣っている。もしかしてララさんのことが苦手なのかしら。確かに1匹狼なユーリにとってはグイグイくるタイプは苦手なのかもしれない。そう思うと少し安心した。……うん? 何に対して私は今安心したの?
そう私が困惑している間に話はどんどん進んでいく。ちなみに話がちゃんと進んでいるのはリア様が黙っているからだ。
実は神殿に入る前にミラー様から合図があるまでは喋らないでくれと釘を刺されているのだ。それまで静かにしておいてくれた方がリア様の登場が際立つからと説得されていたが、単にリア様が喋ると脱線するからそれを回避したかっただけだろう。
「なるほど、その魂の浄化が必要なのですね。お任せ下さい! その為に私は2年間ここで修行を積んできましたので!!」
「それは心強いな。じゃあリア殿から詳しいことを説明してもらえるか?」
「はい!! 任されました!! お久しぶりですララ様!! もうこんな機会が訪れたことに私は感謝いたします!! こんな特別なスキルが集結した日が今まであったでしょうか、いやないのです。今日を記念日として国の記録に残すことをぜひオススメします!! いや、国に頼らなくても私が今日この日を後世にしっかり残させて頂きます!!」
もう重要なことは話し終えたから良いと判断されたんだろう。ミラー様から続きを任されたリア様は嬉々として話し始めるのだが、予想通り大分話が逸れている。黙っていた分いつもよりさらにテンションが高い気がする。もうみんなも仕方ないよねといった風に優雅なティータイムが始まっているので、私もそちらにつかせてもらう。リア様とララさんだけが立ったままなのだが誰も声を掛けない……うん、私もそこに関しては突っ込まないことにしよう。
「はい、はい……そうなのですね。赤い魔石を浄化する……」
脱線を交えつつ、ちゃんも本題のも話せているようだ。うん、神殿のケーキもなかなか美味しい。
「ええ、書物にはそのようなことは記載がなかったのですが……もしかしたらこの神殿にもそのようなものがあるかもしれません。何か心当たりはありますか?」
「はい! あります!!」
「「えっ!?」」
予想外の返事があり、みんな慌ててララさんの方を向く。ララさんは急な視線に少し赤くなりながらも頷いて話してくれた。
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