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図書館があるみたいです。
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あれから数日後。私は神殿のお手伝いをしながら過ごしている。
ミラー様は王宮に行ったっきりだし、ユーリはララさんと一緒に過ごしていることが多い。リア様に至っては何をしているかすら不明だ。
今日も洗濯を手伝う予定だったのだが、天気が崩れてしまい中止となった。
どうしようかと困っていると、休みになったのならば図書館で時間を潰したらどうかと仲良くなった神官の人が教えてくれたのだ。
私はゲームの世界を見て、こちら世界のことも知った気になっていたが、今のこの世界について詳しくは知らない。
ちゃんとこの世界のことを知らなければユーリ達の手助けは出来ないと思い、本でも見て勉強しようと思ったのだ。
あわよくば何かあのヒントが得られないかと。
「それにしても広い……」
教えてもらった図書館はなんと2階建てだ。
神殿と言っても建物は一つではない。
メインは祈りの間がある中央の神殿。ここに祈りの間やみんなの居住区がある。
それとは別に作業棟と呼ばれる建物や、畑や酪農をしている区域等もある。そういった建物は一般の人も入れるのだそう。
その中の一つに図書館があり、1階が一般の人達へも解放しており、2階は神殿関係者しか入れないそうだ。
……そして今私がいるのは2階だ。
「おや、ユリ殿。これからどこかへ向かうのですか?」
「おはようございますリア様。洗濯を手伝っていたんですがこの天気で暇になってしまい、図書館に行こうかなって思ってたところです」
「……それは良い案ですね。そんなあなたにこれをあげましょう」
「これは……?」
そう言って渡されたのはカードらしきもの。
「それは図書館の2階へ入ることの出来る魔法のカードです」
「!? えっ!? それは不法侵入というやつですか? さすがにそれは不味いんじゃ……」
「いえ、合法的にもらったものなので大丈夫ですよ。私の調べ物は終わったのであなたに渡します。……その方が面白くなりそうなのでね」
「……?」
最後の一言が非常に気になるが、リア様は詳しく話すつもりはないらしい。
とりあえずもらえるものは貰っておこうと思いカードを受け取る。
「ユリ殿、念のため必要何時以外は認識阻害の魔法を自分に掛けて下さい。その方が安全ですから」
「分かりました」
「あと認識阻害の魔法は特殊なスキル持ちには阻まれてしまうので怪しまないでも大丈夫ですよ?」
「どういうことですか?」
「勇者や聖女の性質上、そういった魔法は彼らには効かないんです。だから他の人があなただと認識出来なくても彼らはあなただと認識して話し掛けても魔法は解けてないので驚かないで下さい」
なるほど。確かに急に話しかけられたら驚いてしまうかもしれない。
私が頷くとリア様は用事があるからと去って行く。
1人になると自分に認識阻害の術を施して図書館に向けて歩み始める。
……さすが認識阻害の術だ。いつもはすれ違う神官の方達が挨拶してくれたり、話しかけられたりするのだが、今は会釈だけだ。ちゃんと私だと認識されていないらしい。
そうして最初は1階部分を見ていたのだがあまり目ぼしいものがなかったので2階へと上がって来たのだ。
もしかしたらここで何かみんなの役に立てる情報が見つかるかも知れないと思って。
「あれ? あなたは……ユリさん?」
「……ララさん」
……会うのを避けていたのにまさかここでバッタリと会ってしまうとは。
人懐っこい彼女は近づいてきて私に話しかける。
「こんな所で会えるとは思ってませんでした! あれ? でもここは一般の方は入れないんじゃ……」
「あっ! ちゃんとカードをもらって入ってるの! 不法侵入じゃないからっ!」
慌ててカードを見せると、別に疑ってませんよと笑われてしまう。
あぁやっぱりヒロインなだけある。女の私でも可愛らしく笑う姿に癒されてしまう。
「何かお探しですか? 良ければ案内しますよ?」
ほら、ヒロイン属性の誰にでも親切をすぐに発揮している。ユーリはあんなこと言ってたけどやっぱり良い子じゃない。
「何を探しているとかはないんだけど……あの魔石とか魔王とかについて何か手掛かりがないかと思って」
やっぱり悪い子には思えなくて正直に目的を告げる。すると彼女はパッと顔を喜ばせる。
「そうなんですね! 私も一緒です! 何か手掛かりがないかなって探してるんですけど……何も見つからなくて……」
確かにそんな簡単に見つかったら困りゃしないか。
ふと彼女が持っている本が目に入る。随分古びた表紙の本だ。
「それは何の本なの? 随分と古いみたいだけど」
「あっ! これは古の時代……今から800年くらい前ですかね。その時に書かれた勇者と魔王についての本なんです! 魔王の復活について記述がある例のアレです!」
「魔王について載っているの!?」
魔王については存在自体認めてられていないんじゃなかったかしら?
魔王が復活するなんて話は公には認められてないはずだよね?
「あっ、これは神殿と王家だけに存在する本なので、本当にごく一部の人しか知らないんでした! 禁書の中の禁書で!」
「それ言っちゃいけないやつ……。でもそうなんだ。ちゃんと存在を書いてある本があるのね」
「はい。ここに勇者と聖女についての記載もあるので私も見る権利があるんです。……見たいですか?」
私がその本を凝視しているのに気付き、おずおずと聞いてくるララさん。
「読みたい気持ちはあるけど、そんな大事な本を私が読む訳にはいかないから大丈夫よ」
「でも多分ユリさんなら見ても大丈夫だと思うんです。先程見せてくれたカードは私と同じレベルのセキュリティカードなんです。だからこの本を持ち出しても問題ないはずですから」
「えっ!? 本当に??」
リア様どうやってそんなカードを手に入れたの!?
驚きながらも折角ならと借りることにする。
「本当に良いの?」
「はい。私は何度も読んだので。ただ古い本だからか読めない字体で書いてある部分もあるので注意して下さいね」
「なるほどね。分かった」
元の世界でも古文だと今は使われていない字だったり文法があったりしたものね。そういう感じかと納得する。
「本を持ち出すときはあの機械を通さないとアラームが鳴ってしまうので注意して下さいね」
そう言って操作を教えてくれる。バーコードを読み取り、カードをスキャンすれば処理は完了らしい。……なんかすごい今風というか、元の世界並にハイテクなのだが。
この世界は各々のスキルを使う方向で発達しているので、あまりこうした機械などの文明は発達して居ない。
機械があったとしても、こんなに使いこなせてる場面はあまり見ないのが普通だったのだが……。
「すごいですよねこれ! 今の神官長が機械が好きでこのシステムを作ったんです! それまでは全部人が対応してて大変だったそうですよ」
「そうなんだ。それはすごいね」
「そうなんですよぉ! 他にも色々システム改革? っていうのをしてて、みんなから尊敬されてるんです!」
少しの違和感を感じつつも、まぁそんなこともあるかと聞き流す。
◇
「じゃあまた何かあれば言って下さいね! 私空いてる時間は大体ここか湖に居るので!」
「分かった。ありがとうね」
別れを告げるとペコペコ頭を下げて手を振ってくれる彼女。
やっぱりヒロインは違うな。私はあんなに元気も良くないし、愛嬌もない。
「……危ない危ない」
また思考がそっちに行くところだった。
バックに本をしまうと、念のためもう一度認識阻害の魔法を自分に掛けて部屋へと戻る道を進む。
この本に何かヒントがあれば良いのだが……。
ミラー様は王宮に行ったっきりだし、ユーリはララさんと一緒に過ごしていることが多い。リア様に至っては何をしているかすら不明だ。
今日も洗濯を手伝う予定だったのだが、天気が崩れてしまい中止となった。
どうしようかと困っていると、休みになったのならば図書館で時間を潰したらどうかと仲良くなった神官の人が教えてくれたのだ。
私はゲームの世界を見て、こちら世界のことも知った気になっていたが、今のこの世界について詳しくは知らない。
ちゃんとこの世界のことを知らなければユーリ達の手助けは出来ないと思い、本でも見て勉強しようと思ったのだ。
あわよくば何かあのヒントが得られないかと。
「それにしても広い……」
教えてもらった図書館はなんと2階建てだ。
神殿と言っても建物は一つではない。
メインは祈りの間がある中央の神殿。ここに祈りの間やみんなの居住区がある。
それとは別に作業棟と呼ばれる建物や、畑や酪農をしている区域等もある。そういった建物は一般の人も入れるのだそう。
その中の一つに図書館があり、1階が一般の人達へも解放しており、2階は神殿関係者しか入れないそうだ。
……そして今私がいるのは2階だ。
「おや、ユリ殿。これからどこかへ向かうのですか?」
「おはようございますリア様。洗濯を手伝っていたんですがこの天気で暇になってしまい、図書館に行こうかなって思ってたところです」
「……それは良い案ですね。そんなあなたにこれをあげましょう」
「これは……?」
そう言って渡されたのはカードらしきもの。
「それは図書館の2階へ入ることの出来る魔法のカードです」
「!? えっ!? それは不法侵入というやつですか? さすがにそれは不味いんじゃ……」
「いえ、合法的にもらったものなので大丈夫ですよ。私の調べ物は終わったのであなたに渡します。……その方が面白くなりそうなのでね」
「……?」
最後の一言が非常に気になるが、リア様は詳しく話すつもりはないらしい。
とりあえずもらえるものは貰っておこうと思いカードを受け取る。
「ユリ殿、念のため必要何時以外は認識阻害の魔法を自分に掛けて下さい。その方が安全ですから」
「分かりました」
「あと認識阻害の魔法は特殊なスキル持ちには阻まれてしまうので怪しまないでも大丈夫ですよ?」
「どういうことですか?」
「勇者や聖女の性質上、そういった魔法は彼らには効かないんです。だから他の人があなただと認識出来なくても彼らはあなただと認識して話し掛けても魔法は解けてないので驚かないで下さい」
なるほど。確かに急に話しかけられたら驚いてしまうかもしれない。
私が頷くとリア様は用事があるからと去って行く。
1人になると自分に認識阻害の術を施して図書館に向けて歩み始める。
……さすが認識阻害の術だ。いつもはすれ違う神官の方達が挨拶してくれたり、話しかけられたりするのだが、今は会釈だけだ。ちゃんと私だと認識されていないらしい。
そうして最初は1階部分を見ていたのだがあまり目ぼしいものがなかったので2階へと上がって来たのだ。
もしかしたらここで何かみんなの役に立てる情報が見つかるかも知れないと思って。
「あれ? あなたは……ユリさん?」
「……ララさん」
……会うのを避けていたのにまさかここでバッタリと会ってしまうとは。
人懐っこい彼女は近づいてきて私に話しかける。
「こんな所で会えるとは思ってませんでした! あれ? でもここは一般の方は入れないんじゃ……」
「あっ! ちゃんとカードをもらって入ってるの! 不法侵入じゃないからっ!」
慌ててカードを見せると、別に疑ってませんよと笑われてしまう。
あぁやっぱりヒロインなだけある。女の私でも可愛らしく笑う姿に癒されてしまう。
「何かお探しですか? 良ければ案内しますよ?」
ほら、ヒロイン属性の誰にでも親切をすぐに発揮している。ユーリはあんなこと言ってたけどやっぱり良い子じゃない。
「何を探しているとかはないんだけど……あの魔石とか魔王とかについて何か手掛かりがないかと思って」
やっぱり悪い子には思えなくて正直に目的を告げる。すると彼女はパッと顔を喜ばせる。
「そうなんですね! 私も一緒です! 何か手掛かりがないかなって探してるんですけど……何も見つからなくて……」
確かにそんな簡単に見つかったら困りゃしないか。
ふと彼女が持っている本が目に入る。随分古びた表紙の本だ。
「それは何の本なの? 随分と古いみたいだけど」
「あっ! これは古の時代……今から800年くらい前ですかね。その時に書かれた勇者と魔王についての本なんです! 魔王の復活について記述がある例のアレです!」
「魔王について載っているの!?」
魔王については存在自体認めてられていないんじゃなかったかしら?
魔王が復活するなんて話は公には認められてないはずだよね?
「あっ、これは神殿と王家だけに存在する本なので、本当にごく一部の人しか知らないんでした! 禁書の中の禁書で!」
「それ言っちゃいけないやつ……。でもそうなんだ。ちゃんと存在を書いてある本があるのね」
「はい。ここに勇者と聖女についての記載もあるので私も見る権利があるんです。……見たいですか?」
私がその本を凝視しているのに気付き、おずおずと聞いてくるララさん。
「読みたい気持ちはあるけど、そんな大事な本を私が読む訳にはいかないから大丈夫よ」
「でも多分ユリさんなら見ても大丈夫だと思うんです。先程見せてくれたカードは私と同じレベルのセキュリティカードなんです。だからこの本を持ち出しても問題ないはずですから」
「えっ!? 本当に??」
リア様どうやってそんなカードを手に入れたの!?
驚きながらも折角ならと借りることにする。
「本当に良いの?」
「はい。私は何度も読んだので。ただ古い本だからか読めない字体で書いてある部分もあるので注意して下さいね」
「なるほどね。分かった」
元の世界でも古文だと今は使われていない字だったり文法があったりしたものね。そういう感じかと納得する。
「本を持ち出すときはあの機械を通さないとアラームが鳴ってしまうので注意して下さいね」
そう言って操作を教えてくれる。バーコードを読み取り、カードをスキャンすれば処理は完了らしい。……なんかすごい今風というか、元の世界並にハイテクなのだが。
この世界は各々のスキルを使う方向で発達しているので、あまりこうした機械などの文明は発達して居ない。
機械があったとしても、こんなに使いこなせてる場面はあまり見ないのが普通だったのだが……。
「すごいですよねこれ! 今の神官長が機械が好きでこのシステムを作ったんです! それまでは全部人が対応してて大変だったそうですよ」
「そうなんだ。それはすごいね」
「そうなんですよぉ! 他にも色々システム改革? っていうのをしてて、みんなから尊敬されてるんです!」
少しの違和感を感じつつも、まぁそんなこともあるかと聞き流す。
◇
「じゃあまた何かあれば言って下さいね! 私空いてる時間は大体ここか湖に居るので!」
「分かった。ありがとうね」
別れを告げるとペコペコ頭を下げて手を振ってくれる彼女。
やっぱりヒロインは違うな。私はあんなに元気も良くないし、愛嬌もない。
「……危ない危ない」
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