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戻ってきたのです。
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「ふぅ……やっと戻ってきたーー!!」
実際に王城に行ってたのは数日だけど、もっと長く感じる。まぁ色々あったからね。
「戻ってきたじゃねぇよバカ! 勝手に居なくなって事件に巻き込まれたんだろっ!」
「心配してくれてありがとうユーリ」
怒られてもむしろそれがいつも通りな感じがして嬉しい。
「ニヤニヤしてんじゃねぇよ。怒ってんだからな」
「まぁまぁ夫婦喧嘩は置いといて、無事で何よりですミラー様、ユリ殿」
神殿に戻ってきた私達は早速集まり、城での事件も含め報告会をしていた。もちろん防音の魔法を掛けてあるので安心だ。
「でもとにかく王城の魔石は異常がなくて良かったですね」
「私の鑑定がちゃんと出来てるか不安ですけど」
そうなのだ。勢いでなんとか鑑定をしてみたのだが、あれがちゃんとあっているのか後から不安になってしまった。
ミラー様の食事の毒も鑑定出来ているのだから間違っていることはないのだろうけど、あっているという確信もない。
「私も初めて鑑定した時は不安でした……」
そう感慨に浸るリア様を見て少し驚く。この人なら嬉々として鑑定を行っているから、そんなイメージはない。
「あぁ……。リア殿は最初は罪人の鑑定をしていたな」
「えぇ……。殺人事件の容疑者の証言に嘘がないか、過去の記憶の鑑定だったのですが、とても美しい人が人体をぐちゃぐ……」
「ストップーーーー! 続けちゃダメ、そういうのはジャンル違うから、ここ異世界物だからストップ!!」
危なかった。危うくホラーな話になってしまうところだった。
リア様がこんな風になってしまった理由が少し分かった気がする。最初の鑑定でそんなのを見せられたら、ちょっとおかしくなっても仕方ないわね。
「ではこの話はまた今度にして。そんなに不安ならスキルを確認してみれば良いですよ。カードを見て下さい」
そう言われてカードを取り出す。最近よく出してるなと思いながら開いてみると、そこには新たな情報が追加されていた。
――――――――――――
山本由莉 29歳
職業 落界人
鑑定士
スキル 異世界チート
体力 70
魔力 ∞(無限)
――――――――――――
職業が落界人だったのに鑑定士が追加されている。もともと落界人って職業なの?って感じだったから鑑定士というそれらしいものが追加されてるのは嬉しい。
あと体力もちょっとだけ増えている。これはユーリとダンジョンで修行を積んできたおかげかな。
「これで私達鑑定士の仲間入りですね。ようこそ」
そう言われてリア様から握手を求められるが何か嫌な予感しか居ない。
「今は鑑定士不足なんですよ。鑑定事は山積みなのにみんなスキルの偏りがあるので、あなたみたいなオールラウンダーは大歓迎です。旅が終わったらぜひこちらの世界へお越しください」
「それは助かるな。ユリ殿ならすぐに国の認定鑑定士になれるだろう、僕が推薦するさ」
「お前ら勝手にふざけるなよ! こいつは俺のパーティーだから俺の許可なしに貸さねぇからな」
3人のやり取りに思わず笑ってしまう。昨日まで色々あり過ぎて、やっと日常に戻って来たと思うとどうしても気が緩んでしまうのだ。
まぁこっちの問題もまだ解決したわけではないのだけど。
「それで城での事件に関しては話した通りだ。真犯人にはまだ辿り着けない。引き続き調査をしていく」
「こっちも相変わらずですね。残念ながら新しい情報はありません」
リア様は神殿内部の様子を探っていたそうなのだが、みんな真面目に働いており、怪しい思考やスキルを持った人は居なかったそうだ。
ユーリの方もララさんに変わった点は見られないということで、神殿側も故意に溜めていた魔力を魔王とあの洞窟へ流していた訳ではないという結論に至ろうかといった状況だ。
「ではもう神殿での調査は終わりということで大丈夫ですかミラー様?」
そうミラー様に問いかけるが、眉間に皺を寄せてまだ考えている様子だ。その様子にリア様やユーリも黙ってミラー様の考えがまとまるのを待っている。
「……いや、もう少し調査をしよう。城でのこともあるし、何か見落としていることがあるかも知れない。ユリ殿も鑑定を使えるようになったし、落界人ならではの発見があるかも知れないからね」
最後は私を見てウインクをするミラー様。その仕草で先程まで重苦しかった空気が一掃されてしまう。
「はい! 任せて下さいっ!」
「承知しました。私も引き続き調査を続けていきましょう」
「俺は好きにやらせてもらう。ここじゃ修行が進まないから近くのダンジョンに通うからな」
こうして作戦会議は終え、引き続き神殿を調査することになった。
「任せてくださいって言ってもどうしよう……」
あの後各自解散となり、どうして良いか分からない私はあの湖に来ていた。
ここはゲーム内でもお気に入りの場所だった。幼馴染だった2人が戦いで傷を負ったり、魔王への恐怖で涙したりした時に慰め合っていた場所。
そして最後の決戦前で2人抱き合うシーン。月か浮かぶ湖、それが月明かりで水面がキラキラと光り幻想的な雰囲気野中、2人が魔王の戦いに向け決意を固める。
もう何度あのイベントのムービーを再生したか分からないくらい本当に綺麗で幻想的でお気に入りのシーンだった。
「あっ、ユリさんではないですかっ!」
ぼうっとしていたから誰かが近づいてきたのに気づかなかった。
私に声を掛けるとスッと隣に座るララさん。こういう人の懐にすぐ入ってくる所もヒロインっぽいよなと思う。
「こんにちは」
「あっ! 挨拶してなかったです! すみません、こんにちは! お元気ですか?」
挨拶を終えると、ララさんが最近あった面白いことを色々と話してくれる。なくしたと思ってた櫛が羊小屋から見つかったとか、食堂でお手伝いをしていたら小麦の粉をぶち撒けて真っ白になってしまっただとか……。さすがヒロイン、ドジっ子属性も持っているみたいだ。
しかしそんなたわいの無い話が、昨日まで色々あった重たかった心を少しずつ癒されていくのを感じる。これも聖女様の力なのだろうかと思てってしまうが、いけないいけない。聖女だからではなく、彼女の人柄だろう。聖女だからどうとか考えてしまう自分に嫌気が差す。
「こんな話つまらないですよね……すみません」
「ううん、続けて欲しい。ちょっと色々あって疲れてたからララさんの話を聞くとホッとするの」
私の自己嫌悪していただけなのに、申し訳なさそうにするララさん。年下にこれ以上気を使わせてはいけないと思い正直な気持ちを伝えると、じゃあ続けますねと嬉しそうに笑って話を続けてくれる。そうやって暫く話していると、とうとう話すネタがなくなって来たようで昔話をしてくれる。
「ユリさんはユーリ……じゃなくて勇者様とはどれくらい一緒に居るんですか?」
「別にユーリ呼びでも構わないわよ?」
わざわざ言い直したのが引っかかりそう言ったのだが、彼女は少し悩む様子。そんなに呼び方を気にするのかしら?
「じゃあ……ここだけユーリと呼びますね。神官長に見つかると怒られるんです。もう昔馴染みの関係じゃないんだからちゃんと勇者様と呼びなさいって」
「2人は同じ村の出身だったんだっけ?」
「はい! ユーリには昔から色々助けてもらってて……」
そう言って彼女が話してくれたのは私の知らないユーリの話だった。彼は自分のことはあまり話さないから、初めて彼の家族についてや、何故勇者として旅に出たのかという話を彼女が教えてくれる。
それを彼本人からではなくララさんから聞くことに少し抵抗はあるが、やはり興味の方が勝り色々聞いてしまう。
実際に王城に行ってたのは数日だけど、もっと長く感じる。まぁ色々あったからね。
「戻ってきたじゃねぇよバカ! 勝手に居なくなって事件に巻き込まれたんだろっ!」
「心配してくれてありがとうユーリ」
怒られてもむしろそれがいつも通りな感じがして嬉しい。
「ニヤニヤしてんじゃねぇよ。怒ってんだからな」
「まぁまぁ夫婦喧嘩は置いといて、無事で何よりですミラー様、ユリ殿」
神殿に戻ってきた私達は早速集まり、城での事件も含め報告会をしていた。もちろん防音の魔法を掛けてあるので安心だ。
「でもとにかく王城の魔石は異常がなくて良かったですね」
「私の鑑定がちゃんと出来てるか不安ですけど」
そうなのだ。勢いでなんとか鑑定をしてみたのだが、あれがちゃんとあっているのか後から不安になってしまった。
ミラー様の食事の毒も鑑定出来ているのだから間違っていることはないのだろうけど、あっているという確信もない。
「私も初めて鑑定した時は不安でした……」
そう感慨に浸るリア様を見て少し驚く。この人なら嬉々として鑑定を行っているから、そんなイメージはない。
「あぁ……。リア殿は最初は罪人の鑑定をしていたな」
「えぇ……。殺人事件の容疑者の証言に嘘がないか、過去の記憶の鑑定だったのですが、とても美しい人が人体をぐちゃぐ……」
「ストップーーーー! 続けちゃダメ、そういうのはジャンル違うから、ここ異世界物だからストップ!!」
危なかった。危うくホラーな話になってしまうところだった。
リア様がこんな風になってしまった理由が少し分かった気がする。最初の鑑定でそんなのを見せられたら、ちょっとおかしくなっても仕方ないわね。
「ではこの話はまた今度にして。そんなに不安ならスキルを確認してみれば良いですよ。カードを見て下さい」
そう言われてカードを取り出す。最近よく出してるなと思いながら開いてみると、そこには新たな情報が追加されていた。
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山本由莉 29歳
職業 落界人
鑑定士
スキル 異世界チート
体力 70
魔力 ∞(無限)
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職業が落界人だったのに鑑定士が追加されている。もともと落界人って職業なの?って感じだったから鑑定士というそれらしいものが追加されてるのは嬉しい。
あと体力もちょっとだけ増えている。これはユーリとダンジョンで修行を積んできたおかげかな。
「これで私達鑑定士の仲間入りですね。ようこそ」
そう言われてリア様から握手を求められるが何か嫌な予感しか居ない。
「今は鑑定士不足なんですよ。鑑定事は山積みなのにみんなスキルの偏りがあるので、あなたみたいなオールラウンダーは大歓迎です。旅が終わったらぜひこちらの世界へお越しください」
「それは助かるな。ユリ殿ならすぐに国の認定鑑定士になれるだろう、僕が推薦するさ」
「お前ら勝手にふざけるなよ! こいつは俺のパーティーだから俺の許可なしに貸さねぇからな」
3人のやり取りに思わず笑ってしまう。昨日まで色々あり過ぎて、やっと日常に戻って来たと思うとどうしても気が緩んでしまうのだ。
まぁこっちの問題もまだ解決したわけではないのだけど。
「それで城での事件に関しては話した通りだ。真犯人にはまだ辿り着けない。引き続き調査をしていく」
「こっちも相変わらずですね。残念ながら新しい情報はありません」
リア様は神殿内部の様子を探っていたそうなのだが、みんな真面目に働いており、怪しい思考やスキルを持った人は居なかったそうだ。
ユーリの方もララさんに変わった点は見られないということで、神殿側も故意に溜めていた魔力を魔王とあの洞窟へ流していた訳ではないという結論に至ろうかといった状況だ。
「ではもう神殿での調査は終わりということで大丈夫ですかミラー様?」
そうミラー様に問いかけるが、眉間に皺を寄せてまだ考えている様子だ。その様子にリア様やユーリも黙ってミラー様の考えがまとまるのを待っている。
「……いや、もう少し調査をしよう。城でのこともあるし、何か見落としていることがあるかも知れない。ユリ殿も鑑定を使えるようになったし、落界人ならではの発見があるかも知れないからね」
最後は私を見てウインクをするミラー様。その仕草で先程まで重苦しかった空気が一掃されてしまう。
「はい! 任せて下さいっ!」
「承知しました。私も引き続き調査を続けていきましょう」
「俺は好きにやらせてもらう。ここじゃ修行が進まないから近くのダンジョンに通うからな」
こうして作戦会議は終え、引き続き神殿を調査することになった。
「任せてくださいって言ってもどうしよう……」
あの後各自解散となり、どうして良いか分からない私はあの湖に来ていた。
ここはゲーム内でもお気に入りの場所だった。幼馴染だった2人が戦いで傷を負ったり、魔王への恐怖で涙したりした時に慰め合っていた場所。
そして最後の決戦前で2人抱き合うシーン。月か浮かぶ湖、それが月明かりで水面がキラキラと光り幻想的な雰囲気野中、2人が魔王の戦いに向け決意を固める。
もう何度あのイベントのムービーを再生したか分からないくらい本当に綺麗で幻想的でお気に入りのシーンだった。
「あっ、ユリさんではないですかっ!」
ぼうっとしていたから誰かが近づいてきたのに気づかなかった。
私に声を掛けるとスッと隣に座るララさん。こういう人の懐にすぐ入ってくる所もヒロインっぽいよなと思う。
「こんにちは」
「あっ! 挨拶してなかったです! すみません、こんにちは! お元気ですか?」
挨拶を終えると、ララさんが最近あった面白いことを色々と話してくれる。なくしたと思ってた櫛が羊小屋から見つかったとか、食堂でお手伝いをしていたら小麦の粉をぶち撒けて真っ白になってしまっただとか……。さすがヒロイン、ドジっ子属性も持っているみたいだ。
しかしそんなたわいの無い話が、昨日まで色々あった重たかった心を少しずつ癒されていくのを感じる。これも聖女様の力なのだろうかと思てってしまうが、いけないいけない。聖女だからではなく、彼女の人柄だろう。聖女だからどうとか考えてしまう自分に嫌気が差す。
「こんな話つまらないですよね……すみません」
「ううん、続けて欲しい。ちょっと色々あって疲れてたからララさんの話を聞くとホッとするの」
私の自己嫌悪していただけなのに、申し訳なさそうにするララさん。年下にこれ以上気を使わせてはいけないと思い正直な気持ちを伝えると、じゃあ続けますねと嬉しそうに笑って話を続けてくれる。そうやって暫く話していると、とうとう話すネタがなくなって来たようで昔話をしてくれる。
「ユリさんはユーリ……じゃなくて勇者様とはどれくらい一緒に居るんですか?」
「別にユーリ呼びでも構わないわよ?」
わざわざ言い直したのが引っかかりそう言ったのだが、彼女は少し悩む様子。そんなに呼び方を気にするのかしら?
「じゃあ……ここだけユーリと呼びますね。神官長に見つかると怒られるんです。もう昔馴染みの関係じゃないんだからちゃんと勇者様と呼びなさいって」
「2人は同じ村の出身だったんだっけ?」
「はい! ユーリには昔から色々助けてもらってて……」
そう言って彼女が話してくれたのは私の知らないユーリの話だった。彼は自分のことはあまり話さないから、初めて彼の家族についてや、何故勇者として旅に出たのかという話を彼女が教えてくれる。
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