『聖女の力が暴走した結果、無自覚にヤンデレ皇子を落としてしまった件』

春夜夢

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『第9話:レオン様がいないと、壊れる』

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「はぁ……っ、あ……レオン、さま……」

小屋の寝台の上、私はシーツに爪を立てながら、快楽の余韻に震えていた。

何度目の夜か、もう数えられない。

気づけば、レオン様と身体を重ねることが、私の“呼吸”になっていた。

「……リディア」

濡れた髪を撫でられる。その指先に、ぞくりと背筋が震える。

「どうした?」

「……怖いんです」

「何が?」

「レオン様がいなくなったら……私は、どうなってしまうのか……」

レオン様は黙って、私の手を握る。

「お前は、もう俺に馴染みすぎた」

「っ……」

「指一本、唇一つ……俺に触れられるたびに、お前の中に“俺の熱”が染み込んでいく」

「……うん、知ってる。だから、怖いの」

「なら――怖がる必要はない」

キス。
額に、瞼に、頬に、唇に。何度も、優しく。

「……絶対に、離さない」

「約束……ですよ?」

「誓う。お前の“神”にでも、誓ってやる」

その時だった。

──バンッ!

扉が、突然開かれた。

「……っ!?」

レオン様が私を抱き寄せ、すぐに布団に隠した。

「レオン=ヴァルディア殿下! 王命に背き、聖女を連れ去った罪で、身柄を拘束する!」

数人の騎士が小屋になだれ込んでくる。

レオン様の瞳が一瞬で“殺意”に染まった。

「手を出せば、殺すぞ」

「もう、逃げられません……! 彼女は外交の切り札! あなたの独占欲で、この国の未来を壊す気か!」

「未来よりも、彼女を選ぶ。……それが俺の答えだ」

剣を抜いたその瞬間――

「やめてっ!!」

私が叫んだ。

「もう、誰も傷つけないで……お願い、レオン様!」

騎士たちが動きを止める。

レオン様の肩が震えた。

「……リディア、お前は……」

「私が決める。私が“誰と生きたいか”は、私自身が決めるの!」

騎士たちが困惑し、視線を交わす。

「……なら、あなたの言葉を証明してもらいましょう、聖女殿」

「……え?」

「王の命令に背く以上、あなたは【王国の敵】として扱われることになります」

「それでも、彼と共に行くと?」

私は、レオン様の手を取り、強く握った。

「……はい。私は、レオン様を選びます」

その瞬間――レオン様の瞳が、潤んだ。

「……ありがとう。もう、お前は俺の妻だ。……たとえ、誰が否定しようと」
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