『聖女の力が暴走した結果、無自覚にヤンデレ皇子を落としてしまった件』

春夜夢

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『第15話:お前を奪うのなら、神であろうと殺す』

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「……神の声が、聞こえる」

朝焼けの中、私は夢うつつでそう呟いた。

レオン様の腕に抱かれたまま、胸の奥が微かに震えていた。

「リディア……?」

「“器”が目覚めた……神の力を宿すものよ、お前は選ばれし存在……」

頭の中に、直接声が響く。
優しく、でも絶対的で、命令にも似た音。

「お前の使命は、癒しではない。“愛を断ち切り、この世界に均衡をもたらせ”」

「……やめてっ!!」

私は叫び、ベッドから起き上がる。
けれど震えが止まらなかった。

「リディア、何があった?」

「神が……私に、“あなたと別れろ”と……っ」

沈黙のあと、レオン様はゆっくり立ち上がった。

そして言った。

「――それなら、俺は神に刃を向ける」

「……え?」

「俺からお前を奪おうとするなら、神であっても関係ない。
この手で、神の首を刎ねてでも、お前を守る」

その言葉に、ぞくりと背筋が震えた。

愛している。
狂っているほどに。

だけど、私は確信した。
“レオン様しかいらない”と誓った私の心を、神でさえ覆せない。

「私も……神には従いません。あなたと、生きたい」

レオン様の目に光が宿る。

「なら、決まりだ。……俺たちは、もう“神敵”だ」

その瞬間、屋敷の上空に巨大な魔法陣が現れた。

「リディア=アークラウディア。聖女の器にして、堕ちた魂よ。
このまま男との愛を選ぶのならば、“災厄”として裁きを受けることになる」

天からの神託。
けれどレオン様は、私の手を引いて、空を睨みつけた。

「神がなんだ。“お前に触れる奴は、すべて敵”だ」

そして――私を、深く抱きしめた。

「これが最後通告だ。
もう二度と、俺の妻に声をかけるな。……神であっても、殺すぞ」

空に響くその言葉に、天が震えた気がした。

それは、愛の宣戦布告。
神すら敵に回す、ヤンデレ皇子の決意だった。
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