異世界で竜王の番に選ばれ、夜ごと蕩ける愛を注がれてます

春夜夢

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第32話 ――その肌は、俺だけのものだろう?

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王族の番としての初任務。
ユウトは、周辺諸国との合同祝賀祭に随行し、
国境近くの貴族館に滞在していた。

「緊張……でも、やらなきゃ」

ザディクの隣に並び、
挨拶を重ね、笑みを絶やさず対応する。
そんなユウトに、各国から向けられる視線は――尊敬ではなく、時に欲望だった。

(この身体が、誰かのものになっていると、知らない顔をして……)

ザディクの目には、はっきりと見えていた。

「……ユウト様。こちら、我が国の礼服でございます。
 どうかお召しになって、舞踏の場へ――」

異国の家令が差し出してきたのは、
薄絹で仕立てられた、肩の露出が大きい衣装だった。

(……外交の礼儀だし、断れない……)

そして夜――

ザディクが寝室に入ると、
そこにいたのは、異国の礼服をまとったユウトの姿。

美しかった。
けれど、その美しさが“他者に向けられた”という事実が、
ザディクの心に黒い感情を引き起こした。

「……誰に見せるつもりだった? その肌、その鎖骨、その首筋」

「えっ……ザディク? それは、その、外交上の……」

「言い訳はいらない」

瞬間、ザディクはユウトをベッドに押し倒していた。

「なぁ、ユウト。
 おまえの肌は、誰に許すために存在してる?」

「ザディク、ちょ、まってっ……っ、俺、嫌だったとかじゃなくて――」

「だったら、今夜は言葉じゃなくて、身体で答えてもらおうか」

キスは深く、荒々しく、
指は衣の隙間から入り込み、
ユウトの肌をなぞるように、焦らしながらも支配していく。

「やっ……そんなに強く……っ、んぁあっ……!」

「誰にも、見せるな。誰にも、触れさせるな。
 この身体も、声も、感じる場所も、全部――俺だけのものだ」

「ザディク……俺、俺……あなた以外に、見せたいなんて思ってない……っ!」

「なら、証明してみせろ。今夜、このベッドの上で」

奥まで何度も突かれ、
痺れるほどの熱と、嫉妬の愛で、
ユウトは果てながら泣いた。

「や……っ、すき……ザディク……壊れちゃう……!」

「壊れていい。何度でも抱いて、何度でも繋いで、
 誰にも渡さないって刻み直してやる……!」

その夜。
ユウトは何度も抱かれ、
何度も“俺だけの番だ”と囁かれながら、
愛と支配と独占の中に溺れていった。
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