拷問官と政略結婚した令嬢、夜だけ激甘に囚われてます

春夜夢

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第14話 妻であることの証明――懐妊、そして王宮の動乱

「……おめでとうございます。レオナ様、……ご懐妊です」

その言葉を聞いた瞬間、私は思考が止まった。

(……赤ちゃん……?)

確かに、ここ数日、身体の火照りや微かな吐き気は感じていた。
でもまさか、それが――

「……俺の、子か」

傍にいたカイル様が、低く呟く。
その目は、恐ろしいほど真剣だった。

「本当に……?」

「間違いない。俺以外、ありえない。……これが、お前と俺の、証明だ」

その夜、カイル様は、何度も私のお腹に口づけた。
まるで、そこにもう命が宿っていると信じきっているように。

「この子が生まれたら、俺たちは……完全になる」

「……カイル様」

「守る。お前と、この命を。誰が敵になっても、全て壊しても」

その言葉は、どこまでも真っ直ぐだった。

けれど――
その“命”の報せは、王宮を揺るがせた。

「まさか、処刑人の女が……子を?」

「宰相派との連携を強めたつもりが、まさか“王家の血統”に食い込んでくるとは……!」

「冗談ではない。処刑人の血を継ぐ子など、“王の後継”になりかねん!」

一部の貴族が動き始めた。
噂、偽報、脅し――

だが最も恐れられたのは、
「その子を“跡継ぎ”に仕立てようとする者たちの台頭」だった。

王宮は再び、ざわめきの中心にカイルとレオナを置くことになる。

そして、カイルは静かに動いた。
――誰にも、何も言わずに。

その夜、彼は王の元にひとりで現れ、こう告げた。

「私の子は、政に関わらせるつもりはない。……だが、触れるなら――王族ごと消す」

凍てつくような眼差し。
王ですら、口を閉ざした。

寝室に戻った彼は、まだ眠っていた私の髪を撫でながら、呟いた。

「お前と子を守ることが、国を滅ぼす結果になったとしても……それを悔やむことはない」

それが、処刑人ではなく、
ひとりの“父”としての――
初めての、静かな誓いだった。

(続く)
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