魔女とキスのレシピ

春夜夢

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第18話 あなたの声がなくても、手紙で心が触れる

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──ルカへ

今日も、こっちは晴れです。
研究の合間に空を見上げると、そっちの空も繋がってるって思えて、少しだけ寂しくなくなるよ。
……いや、ちょっと嘘。やっぱり、会いたいな。

週に一度のこの手紙。
どんなに書いても、伝えきれないことが多すぎて困るね。

次は、もう少しだけ、甘えてもいい?

あなたの恋人より。

──ユノへ

今日、研究棟の窓から見えた花が、ユノのリボンと同じ色だった。
思い出して、笑って、それから少しだけ胸がぎゅってなった。

恋って、こんなに“触れられない距離”を切なく感じさせるものなんだね。

でも、ユノがこの手紙を読んでくれるって思うと、また頑張れるよ。

次に会えたら、ちゃんと目を見て伝えるね。

あなたの恋人より。

──手紙のやりとりを続けて、3ヶ月。

いつしかふたりのやりとりは、“日々の習慣”になっていた。
けれど、それが“当たり前”になったわけじゃない。

1文字1文字が、今もなお心を揺らし続けている。

その日。
ルカは封筒を開いて、小さなメモが挟まれているのに気づいた。

《夏の終わりに、会いに行ってもいい?》

心臓が跳ねた。

何度も読み返す。
指でなぞる。

手紙越しでも、ユノの声が聞こえた気がした。

ルカはペンを取り、震える手で書き始めた。

《もちろん。ずっと、待ってた。》

夏の空が近づいていた。
ふたりの恋も、次の季節へと進もうとしていた。
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