『運命に抗え、運命に恋せよ ―王子の剣として、夜も忠誠を誓え』

春夜夢

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第3話『忠誠の誓いは、身体で刻まれて』

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王子の指先が肌を這うたびに、レオンの身体はかすかに震えた。

 訓練という名のもとに、距離は限界まで近づき、熱は静かに蓄積していく。

 背後から抱き寄せられる形のまま、レオンは息を殺していた。
 汗と雨に濡れた肌が触れ合い、心臓が跳ねるたびに、緋色の絨毯の上に艶めかしい音がこだまする。

「……声を、殺すな」

 耳元で囁かれた低い声に、レオンは無意識に首をすくめた。

「だが、騎士として主を守るなら、どんな状況でも冷静でいらねばならん」

 そう言いながら、ユリウスの手はレオンの腰骨から下腹部へと滑り、指先がぴたりととどまる。

「……っ……!」

 全身に電流が走るような感覚。
 レオンはその場で膝を崩しかけたが、ユリウスの腕がしっかりと支えていた。

「この反応……騎士にあるまじき、だな」

 嘲るような、だが熱を帯びた声。

「い、いいえ……俺は……耐え……っ」

「耐える必要はない。……これは、主命だ」

 その言葉と同時に、ユリウスの唇が、首筋に触れた。
 吸い上げるように、跡を残すように――まるで、所有を刻むかのように。

「ひっ……ぁ……ん……」

 零れた声に、自分でも驚いた。

 恥ずかしさに顔を赤くしながらも、ユリウスの手から逃れられない。
 否、――逃れようとはしていなかった。

「忠誠を誓う者が、主の手にこうも甘くなるとはな……」

 低く笑ったその声は、今や獣のそれに近かった。

 ユリウスは、レオンの顎を掴み、強引に振り向かせた。

「目を逸らすな」

 蒼氷の瞳と、レオンの揺れる瞳がぶつかる。

 そして――

 唇が、重なった。

 支配するように、けれどどこか躊躇うように。
 王子のキスは、初めてにも関わらず、残酷なほど深く、熱く、長かった。

「……これが、お前の“初めて”か?」

 唇を離した後、ユリウスが囁いた。

 レオンは、声にならない声でうなずく。

 その仕草に、ユリウスの瞳が細くなる。

「なら、すべて私が教えてやる。お前の忠誠が、誰のものか……身体で覚えさせてやる」

 夜の訓練は、始まったばかりだった。

🔚 続く…
次回:
王子の手が、レオンの深奥に触れる夜――
快楽と羞恥の果てで、忠誠は愛に変わるのか、それとも服従のままか。
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